椿山荘で開催、「歌舞伎衣装展」に行ってまいりました。


なんとなんと、31点の展示、しかもショーケースなし!
かなり間近で見られました。

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(注:今回、自分の備忘録記事ですので、長いです!)



会場には松竹衣装の方がいらして、色々とご説明を拝聴。



役者さんと衣装さんの関係は、思った以上に深くて密なもの・・・。

阿吽の呼吸があってこそ、素晴らしい舞台が作られており、衣装さんは
まさに縁の下の力持ち。

貴重なお話をたくさん拝聴でき、終始驚きの連続でした。


知識量が半端なく、日本の伝統色や、染め、刺繍、織り、お手入れなど、
衣装に関わる、ありとあらゆる知識だけにとどまらず、

ものすごく細かいところまで知識を仕入れ、
ものすごく細かいところまで神経を研ぎ澄まし、
役者さんとお付き合いされている・・・。


着付けのお話もうかがえたのですが、衣装さん、歌舞伎の衣装は
大抵1、2分で着付けるんだそうです。

凝っているものでも、5~10分。

その動きには、一個たりとも無駄がないとか・・・。


「普通の着物の着付けとは、ちょっと違うとは思いますけどね。」
とはおっしゃっていましたが、無駄な動きを削ぎ落とした着付け、
拝見したいものです・・・。



着付けで一番大変な衣装は、意外や意外、「源氏物語」の
男性衣装なのだとか。

シンプルで簡単そうに見えますが、上半身の衣装(直衣)、
実は長ーーーいんですって。

こういうのも、聞かない限り分からない・・・!

ちなみに、神主さんも良く直衣を着ていますが、光源氏が来ている
直衣は、衿の後ろ部分が少し高くなっているそうです。
(「源氏衿」とおっしゃっていた気が・・・違ってたらすみません。)



気さくに質問にも答えてくださる方でしたので、昔から疑問だったことも
聞いてみました。


「歌舞伎衣装には、『これ、本当に、昔からこのデザインなんですか??』と
思うような奇抜なデザインも多いですが、ここに展示されているものは
それぞれの演目が出来たときから、このデザインなんでしょうか??」


例えば、こういう衣装とか…本当に昔からあるの?という、長年の素朴な疑問…。

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(衣装展にもあった、鳴神という歌舞伎の衣装)



ご回答としては、

「役者さんの好みもあるので、当時とは違うデザインの
ものであるでしょうけれども、おそらく、当時は専属のデザイナーがいて、
こういう奇抜なデザインを作り、それが受け継がれているのでは、
という推測があります。」

というお話と、

「歌舞伎は、そもそも庶民の間から生まれたものなので、たとえば
お殿様が出てくる歌舞伎などは、実際にお城にいる人達が
どういうものを着ていたかなんて知らないから、『こんな感じ?』という
想像や、どこからか仕入れてきた情報をデフォルメしたりして
作った衣装もあるのではないか、と思います。」

というお話をいただきました。



なるほど・・・!

タイムマシーンがあったら、デザイナーさんに会ってみたいわ・・・。



また、後者のお話も、すごく興味深い!

見たことのないものを、少ない情報から想像して作ると、本家と
ちょっと違うものが出来ちゃう、ということ、ありますよね。

例えば、イタリアの作曲家プッチーニが作った、オペラ「蝶々夫人」を
テレビで見たことありますが、外国人から見た、日本のイメージって
こういう感じになっちゃうよね、と思うシーンがありましたし、

外国人演出家が採用している衣装が、「これは日本じゃなくて
中国の衣装ですよね・・・」だったりすることがありますし・・・。

そういうのと近い部分があったのかな、なんて思ったりしました。



でも、そういうこと全部ひっくるめて、完成されているあの世界観。

日本の歌舞伎って、本当にすごい伝統芸能なんだな、と改めて思いました。




自由に撮影できるスポットもありました。

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刺繍が美しすぎる・・・。

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こちらは、衣装展の入り口にあった看板ですが、原画も
衣装展に展示されていました。

(原画は撮影禁止なので、写真はナシです。)

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なんとその原画、イブサンローランのデザイナーの目に止まり、
7月までパリで開催されていた、サンローランのコレクションで
展示されていたそうです。
凱旋帰国!



今回、一番印象的でしたのが、こちらの衣装!

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模様が総刺繍…。

しかも、雪の部分など、撚った糸を使った特殊な刺繍だとか…!

実は、鷹は雀を掴んでいて、歌舞伎の物語とリンクさせたものになっているそうです。


細かいところまで、凝りに凝っている…それが歌舞伎衣装…!

格好良すぎる!!



歌舞伎衣装展、超オススメですが、なんと9月8日まで・・・。
最終日だった、というオチです・・・すみません・・・。


歌舞伎衣装、またじっくり見たいです!
生の歌舞伎、見に行きたい!




お土産のTシャツを宣伝している彼は、義経千本桜に出てくるそうです。

キョンシー的なものと聞きましたが…。

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いろいろ凄くて、思わずお土産Tシャツ買っちゃいましたよ!



他にもネタはたくさんありますが、長くなりすぎましたし、一旦終わりということで。