現代ピアノ史 | 御舂屋(おつきや)のブログ

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2014年からブログを書いていますが、最近半分以上ブログを消しました。

もの寂しき叢生からコオロギやスズムシ達が詠ずる音色と、過ごしやすい気温に気持ちも落ち着きをみせだす長月、改めて芸術という伝統的文化に浸り、その良さを再認識してみたい。今回はピアノです。

私はクラシックピアノは好きですが、わりと現代に近い時世の音楽が好きです。それは19世紀中頃のフランスに生誕、光彩を奏でた3人の作曲家達です。




1862-1918
ドビュッシー       Claude Debussy
フランス生まれ  パリ音楽院卒
1888年  2つのアラベスク
1890年  夢(Reverie)
              ロマンティックなワルツ(valse romantique)
              Suit bergamasque Prelude
              月の光
1914年  練習曲集  全12(ドビュッシーがショパンの作品を校訂するよう頼まれた際、作曲意欲を取り戻して書いた晩年の曲)
               うち、練習曲、3度のため(Pour les Tierces)
               6度のため(Pour les Sixtes)
               オクターブのため(Pour les octave)
素晴らしいです。嚠喨とした響きは氏の冴える才能そのものです。
こうして見ると現代、一般に広く知られるClaude Debussyという偉大な作曲家のピアノ曲は1890年頃の作品が多いみたいですね。
私はクラシックに関しては造詣が浅く、管弦楽については無知です。なので、私個人の知ってる範囲での解説です。



1875-1937
ラヴェル   Maurice Ravel
フランス生まれ  パリ音楽院卒
1901年  水の戯れ
1905年  ソナチネ
               中庸の速さでModere
               メヌエットの速さでmovement menuet
               フォルラーヌ(Forlane)
               17世紀フランスの宮廷で好まれた舞曲。とても品があり、ミステリアスな雰囲気の曲。
ガブリエル・ドリュック中尉の思い出に捧げるとあります。
1928年  ボレロ  世界的に非常に有名な曲
               ヨーロッパの街のパレードや、軍の行進などが似合いそうな勇往邁進なる名曲。本来は舞踏の為に依頼され作られました。
私はRavel plays RavelというCDを持っているが、これはラヴェル氏本人がピアノロール(巻き紙)に記録したものを、後世デジタルリマスターという形でCDに録音した物です。
偉大な作曲家としては、数少ない本人の演奏による軌跡が聴ける貴重な音源です。ですが、monique haas(仏1909-1987)などのピアニストによる情緒あるリズムと比較すると、オリジナルの方が節々でリズムが跳んでいたりします。おそらくこれはピアノロールに記録する際の不手際によるものでしょう。
今回、Youtubeで様々なピアニストの演奏を聞きましたが、monique haasが優れたピアニストだったということを知った結果になりました。女史の演奏は演奏に無駄な溜めがなく、また、リズムとテンポを損ないません。

この時期、トーマス・エジソン(1847-1931)が蓄音機を発明していました。1889年、ブラームスの演奏が蓄音機に録音されているようです。しかし、当時の蓄音機の録再時間は2分~4分。音質についてはとてもじゃありません。他にも記録として存在していても良さそうですが、多分、蓄音機による演奏の録音は性能上、適してなかったのかも知れませんね。

人類史初の録音からの再生はエジソンによる「メリーさんの羊」という歌だったということです。






1866-1925
エリック・サティ   Erik Satie
フランス生まれ  パリ音楽院卒


ジムノペディ   Gymnopedies
1888年(22歳)酒場にピアニストとして就職した頃の曲。あまりにも有名。ただし、あなたが大人ならの話。1980年代確かに日本でサティ・ブームというのがありました。
それに関わらず、私達の子供の頃には母国を含め世界各国の伝統的文化をさりげなく知る機会というものがありました。自然な教育的階悌というのが社会に備わっていたんですね。
評論家の言われるとおり、ジムノペディにおける作曲のえにし(縁)などは作曲家本人のみぞ知る、と言ったところで、私個人も曲のイメージはそれらとは想像できない単純に音律のイメージだけをその背景としてリスニングしていたのです。淡々として、もの儚さを覚える音色です。
あらゆる場面で、この日本にそのような価値観が用いられていたことは素晴らしいことです。
あまたのピアニストがいますが、生真面目と評されるパスカル・ロジェ(仏1951)の演奏が私にはサティの正統派であるように印象づけられています。



1880~グノシエンヌ  Gnossienne
1902    金の粉






















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