間違いやすい漢字シリーズ⭐️


①「暫く」と「漸く

②「暫時」と「漸次


「暫」は中学2年生で、「漸」は中学3年生で習う漢字です。

これらは、社会人でも間違いやすい漢字であり、たとえ読めても書くことは難しいのではないでしょうか。


①の答えは「しばら-く」と「ようや-く」です。

②の読み方はそれぞれ、「ざんじ」と「ぜんじ」。響きが似ていて紛らわしいですよね。


は、訓読みすると「しばら-く」で、「しばらく」「わずかな間」「仮の」という意味です。

音読みは「ザン」で、「暫時(ザンジ)」はしばらくの間という意味。「暫時、お待ちください」などと使うこともあります。また、一時的に(仮に)定めるという意味を持つ「暫定(ザンテイ)」という言葉も良く用いられます。「暫定一位」などと言うように。



一方、の訓読みは、「ようや-く」/「すす-む/「やや」で、「ようやく」「しだいに」/少しずつ進むという意味合いがあります。音読みは「ゼン」で(辞書には「ザン」とも載っていますが、現代での実用例はほぼありません)、熟語の「漸次」は、しだいに、だんだんという意味。「漸増」「漸減」「漸近線」は、いずれも「少しずつ」という意味合いで、「漸増」だと「少しずつ、じわりじわりと増える」さまを表した言葉です。


私が学生の頃、家庭教師で担当していた生徒が両者の区別に苦労していたので、覚え方を考えてあげたことがあります。…あまり上手くはありませんが、その生徒と何十年ぶりに会った時、「今でも覚えている」と話していました(笑)。


⭐️漸く水を飲み ようやく前進

みずをのみ ようやく ぜんしん)

⇨水(さんずい)が付くほうが「ようやく」&「ゼン」。炎天下で歩いているイメージです。


⭐️暫く日が隠れ、しばらくザンザン

(ひがかくれ しばらく ザンザン)

⇨「日」が下に潜んでいるほうが「しばらく」&「ザン」。日が隠れているのでしばし雨が降っているイメージです。


これなら訓読み、音読み、意味がセットで覚えられて、漢字の書き取りにも少しだけ役立ちます。ようやくは「さんずい」、しばらくは「日」がそれぞれ入る、などと。



覚えられなくて困っている方は、ダメもとで試してみてくださいな。