第三部に続き 
コモゴモ展出展者座談会(第四部)
をお送りします。

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座談会メンバーのおさらい




【4作家のプロフィール】


松田 環(漆作家で、コモゴモ展の立ち上げメンバーのひとり)
みやおか のりこ
(鍛金作家で、鉄を素材に生活道具やオブジェを制作)

KIKUKO(メーカー勤務・テキスタイルのアクセサリー作家)

鈴木 文(金属・陶芸・テキスタイル・イラストと色々な素材を扱う作家




松田 環(以下 T

さて!
第四部です。

コモゴモ展も回を重ね、
早いもので5月の第1回開催から
半年を過ぎました。

みなさん、
率直な感想をお聞かせください!


鈴木 文(以下 B)

半年くらいやったから、
次はどうしたらいいのか、
見せ方とかを
組み立てやすくなったな。

 

KIKUKO(以下 K)

什器も作品に合わせて
作り直したり、とかね。

 

T

実際に、
こうやって作っています」
「こんなものがあったらいいなと思ったので
この作品を作りました」
「こんな魅力がありますよ」

など、
直接お客さんに説明したり、
展示したりしてみて、
何か反応や展開など
よかった事はありましたか?

 



プロフィールを
見てくれたお客さんで、

「この作品は
あなたが作ったの?」

って
会話をきっかけに
買ってくれる人もいたり。

ギャラリーに作品だけを
置いてもらっていたりもするけど、
自分がいるのと
作品だけが置いてあるのとは
やっぱり違うな、と思う。

 

そうだね!
特に身に着けるものだと、
その人が着けることによって
完成するようなところもあるから、
その人を見て、
こういうものを
好む人が選んでくれているのか、
とか分かるのもいいな
と思ってる。



作って、
買ってもらって、
身に着けた反応を見て、

「似合う!」

って感じたときは
本当に嬉しいな。

 


デザインや
機能的に

もうちょっと
こうだったらいいのに…

っていう
希望も聞ける
ところもいいよね。

 

大きさの感じや、
デザインも
その人に合わせて
少し作り変えたりとかもね。

 

あと、
お客さんの
欲しい物の旬がね。

そういうのが
分かるから助かる。

 

鉄のフライパンはどうですか?
やっぱり、お料理好きの人が
買ってくれたりするのかな。
どういう人が買うの?

 

みやおか のりこ(以下 N)

うーん、

実際のところ分からなくて。

料理好きの人は既に持っている
ことも多いから。

割とプレゼント用に購入してくれる
人がいるのかな。

 


新婚さんらしき人達が
見てることもあるよね。

 

買ってくれる人は、
ポップの説明をじーっと見て
選んでくれてるね。

だから、既に鉄のフライパンを
使っている人は良さを
分かってくれているから、

自分用にもう一つとか
プレゼント用に、
とかになるのかな。

 


みんな
一般的に使っているのは
テフロンが多いからね。

鉄のフライパンって
何に使ったらいいの?

とか、
基本的なことから
聞かれることも多そう。

 

鉄製品のことが
あまり分からない人は、

「本当に鉄なの?」
とか、

「これは実際に使えるの?」
って質問から始まって。

テフロンでできない
空焼きができるとか、

鉄のフライパンの
良さはポップに書いて
あるから読んでもらって。

それ以外にも質問は
たくさん来るから、
ポップを読むだけじゃ
分からないことに
答えている感じだね。

 


鉄のフライパンって、
あんまりなじみが
無い人も多いから、
作った本人が
目の前にいると
大きな安心材料に
なるよね。

何かあったときの
問い合わせ先が
ちゃんとあるから。

 

万が一壊れても、
作った本人だから直せる。

穴が開くまで使ってくれても、
直せますよって。

 

どれだけ使ったら穴が開くの?

 

使い方とか、
使う頻度とかにもよるけど、
30
年くらいかな?

 

一生ものだね!

 

あと、
鉄を叩いてる写真を置いてると
反響がある。


そこで、
横で夫が、

「腕が太いんですよ」

って…


鍛造だからね、
製作のオンシーズンと
オフシーズンで
腕の太さが変わるって
聞いたときは
ちょっとびっくりした!

作った本人が目の
前にいると、

「この人が作ったから、
これにしよう!」

って選ぶときに
判断の決め手にもなるよね。


疑問にきちんと答えてもらえる
という事が作品の保証みたいにもなるし、

こういう人が作っているのかって
いうのが見えると
フライパンの見え方も変わると思う。

「使ってみたら今まで知らなかった
魅力に出会えるかも!」

っていう気がするな。
鉄のフライパンとか
お鍋っていいとは聞くけど、
なかなかきっかけもないし、
欲しいなとは
なんとなく思っていたけど、

今回、
このコモゴモ展で出会ったから
買って使ってみようかなって
思ってくれたりね。

 

そう、
背中を押してくれる感じ!

 

文さんは
作品を出していく中で、
何か作るものに
変化はありましたか?

 

今までは
実験みたいな感じで、
どうしようかなって
思いながら作ってたけど、

売る場所があって
買う人の大体の予算が分かると
目的が絞りやすくなるから、

ただ何となく趣味で作ると
いうのではなくなってきたかな。

売れるもの、
売れないものが
分かってきて、

自分では地味な色合いのものが
好きだけど、

ちょっとカラフルさを採り入れないと
目に止まりにくいんだな、
とか。

でも、自分ではこれ以上
したくないとかの駆け引きを、
今いろいろと…

 

なるほど。
例えば、昔、
文さんが作っていたTシャツなんかで、
イラストが好きなんだけど
私にはちょっと色が渋いな。

文さんみたいな洋服の感じだと
似合うんだけど…
って思ったりしていて。

今回みたいな
フラミンゴ色とかいろんな色が
あるのを見て、

そういう需要が無かったら
たぶん、その色では
作らないだろうから、
こちらとしては
新しい文さんの一面が見られて
いいなと思う!




そうそう、
いろんな幅が広がっていきつつ、
うまく狭まっていきつつ…
ね。

定期的にやっている事で、
何となく分かってきた。




みなさんの
作品やお客さんに対しての接し方、
又、作品作りに対しての考えが
かなり分かってきました。

次回はいよいよ、間近にせまる
第4回KOMOMOGOMO展について、
具体的に聞いていこうと思います。

次回もお楽しみに!