一人でもキスができるのかをためしたくて
折り畳んだ舌を噛んだり吸ったり口の中でモゴモゴさせていたんですけど
図らずも老人ホームのトメ子(94歳)みたいになったので
外でやっちゃいけないと思いました。
秋が骨身に沁みます。ぺろぺろです。
お婆さんの口をモゴモゴさせる仕草はいつ見ても
わびしいな…何も口の中はいってないやろ…
でもあれは一人でキスできるか試していたんやな…。

そういえばボロスタッフで出会った頃から、
リミエキのJJさんは私の事をぺろぺろちゅっちゅっと呼ぶので
いつもエハハ~!と不穏なリアクションをしてしまう。エハハ~。

結果的にキスは2人じゃないと成り立たない事が分かりました。

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最近は卒論の下地をつくっていて、インドの情報とか資料を集めながら
内容を詰めたり、新しいキーワードについて深めたりしている。

インドに半年すんでた事が夢のように、記憶から薄れていくにつれ
また行きたいと何度も思う。9月の半ば頃行ったけどもう行きたい。
行けば元気になるからだ。


【元上司と同僚と現役インターン(9月当初)】

会社のアパートもそっくりそのままで、懐かしかったというよりは
じわじわ羨ましさがこみ上げてくる感じだった。
またこの部屋にすんで、刺激的な毎日を過ごしたいとか、
やり残した事を今度はやりきりたいとか。
アパートもちゃんとたまにお湯でるし
(15分間くらい。このときは故障中で1週間水シャワー)
暖房はないけどエアコンはあるし(めっちゃうるさい)
うんこがたまに流れないことを除いては大体快適だった。
(前にいっしょに住んでた同期のうんこが丸々1週間stayしてたことが2回ある。)

【アムリトサルに旅行で訪れた、印パのワガ国境でのパフォーマンスをみる群衆】

そんなの!!!序の口である!!!
インドにきたら最大の敵は不衛生でもカレーでも下痢でもなくインド人そのもの。
だけど彼らは非常に純粋で、日本人にはたいがいやさしい素敵な人種だ。

【オールドデリーで遭遇したお祭り ヤツらはテンションが上がると赤い粉をまき散らす】



ギラついている。


インド人を一言で表すならその言葉に尽きると思う。
もちろんギラついてないクールなビジネスマンだっているはずだけど
私が触れてきた人たちは良くも悪くもみんなギラついていた。
ギラつくというのは生命力であり、エネルギーであり、人間味であり、
泥臭さでありリアルに臭いことでもある。
学生団体の立ち上げてMac片手に街を縦横無尽に駆け巡り
スタバMacカタカタがステータスで軽々しく”起業”と言う人種の
ファッションのようなギラつきではなく、もっと無添加なギラつきだ。




兎に角、自分の欲望に素直でそれをはずかしげもなく、というより
しこたま厚かましくぶつけてくるのである。
そのエネルギーに何度たじろいだか…まじかそんな要求ありえる?!
というような、想定外の要求というか欲求をぶつけてくる。
特に金がらみであるが、ガメツいし、どんな手を使ってでも
自分の意見を通そうとゴリ押してくる。私も負けじとゴリがえす。
その駆け引きやぶつかり合いが楽しくもあるんだけど…

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ヒアリング調査のために駐在員さんに会いに行くとき
土産物の芋焼酎をバックにいれたまメトロに乗ろうとした。
(阪急梅田-河原町くらいの感覚でデリーとグルガオンを繋ぐ電車)

空港ばりのセキュリティ搭載のわりに職員はダラダラとしていて
セキュリティはザルだろ、と過信してたら、アルコール持ち込み禁止と引き止められた。
アルコールだろ?っていわれたときビネガーっていやぁよかった、
と思いながら電車で25分くらいの駅までオートリクシャで行く事にした。

リクシャは行き先を伝えたあと値段交渉をする。
グルガオンは大体初乗り50ルピー(90円くらい)30分圏内でも200~300が外国人相場だ。
例の如く「500!」とボッた値段をふっかけられ、
いやバカにすんな、200だ!!!と反撃し交戦が続いた。

最終200で折れてくれたのだけど、その運転手はしきりに
「ボーダー!ボーダー!」と言っていた。
時間もなくイラついていた私は気に留めず、わかったから急いでと伝えた。
しかし、程なくしてリクシャーは目的地をそれ右折。
聞けば「ここがボーダーだ。これ以上進みたければ俺に500払え。
これから先はコイツが連れてく。」といけしゃあしゃあと乗り継ぎ案内された。

ふざけんな、払うか!払ったとしても200だ!連れてけ!!とやいのやいの戦うも
結局時間がない事もあり500払って、乗り継いだ。そして新たな運転手はいうのだ。
「ボーダー!ボーダー!」アホか、いつになったらつくんじゃい!

その後、親の危篤くらいの思い詰めた表情をし、時に泣きそうなフリをしていたら
ミラー越しにちらちらこちらの様子をうかがう人情に溢れた運転手は
目的地まで連れてってくれた。追加で150せびられたけど。クソが。

こんな事が日常茶飯事でイラつくことが多々ある。
タクシーに乗るだけで毎回こんなんじゃ、正直やってられないのだ。

アムリトサルでのったタクシーでも、旅先の緊張感からか
疲れ果てて一刻も早く宿に帰りたいのに
「ビールでものみたいなあ。飲めるか?アムリトサルの友達欲しいだろ?」といわれ
「宿に行って下さい飲めませんいらないです帰ります」でガン飛ばしてたのに
降りる瞬間に「kiss me please!一回だけでいいから!」と唇を寄せられた。

黄金寺院でたたずんでいたら写真撮ってくれない?とケータイを渡され
逆にとってあげるよ、と快くとってくれたのでいいヤツかと思っていたら
「部屋ある?ホテル?シングル?近く?オレ、行っていい?」と
片言の英語でナンパされ、英語もろく話せないのにナンパするなんて
ハートが強いんだなと感心してしまった。
私は「nononononononononononono」と唱えて追い払った。
寺院でナンパて!バチ当たれ!

【いいヤツだと思っていたときの写真】

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基本的に彼らは当たって砕けろな精神だ。ハートが強い。
ダメもとな要望でも言ってみる。
言う事によって相手に嫌われるかどうかまでは考えない。
インターンをしている時インド人上司に
一ヶ月前や半年前、酷いときは1年前の料金の取り立てをさせられた。
(たいがい請求書を送るの忘れてたとかのこちら側のミスなのに)

欲望に素直な人は、品がない、意地汚い、あさましいなんて、
日本じゃそんな見方をされるだろう
お金の話を嫌い、自分の欲求に素直な人をみるとどこか軽蔑した目を向けてしまう。
私も最初はそんな風にインド人を見ていた。

けれどインドで生活して行くうちに、彼らの底知れないエネルギーに触れた。
物乞いでもそうだ、たった数ルピー乞うのに腕を掴まれる。
渋滞で止まっている間に、リクシャが子どもに囲まれる事もある。
物売りもそうだ、何度要らないといってもどこまでもついてくる。
リクシャーのうんちゃんだって素直にまけてはくれないし
言う通りに行き先まで連れてってくれない。
インド人は日本人女性に軟派だ。腹が立つ。(インド人に求婚されたブログ参照)





だけど自分の欲しい物のために、欲望のために、生きるために
正直でいる事の何がいけないっていうんだろうと私は思った。
必死に求める事のなにがいけないのか、
欲しいものに手を伸ばす事のなにが恥ずかしいのか。

彼らは欲しい物を欲しいという。それはシンプルで、無邪気だ。
だからギラついている。
私はそのギラつきに触れる度にぐぐぐっとこみ上げる。
恥も見栄も取っ払って、インド人のように自分の欲望に素直になれたら、
もっとシンプルに生きれる気がする。

【オールドデリーの道ばたで行水する兄弟】

したい事をしたい、欲しい物を欲しいと言うのは恥ずかしい事じゃない。
贅沢も欲も煩悩も、大きくいえば希望じゃないか。

欲望に素直な人を笑わない。
インドに限らず、世界中どこにいても言えることだ。