中国新聞 2008/03/25

 日本語教室や歌・踊り
 中国残留日本人孤児や家族らでつくる広島市中区の交流グループ同心会(松浦健三会長)が四月、発足から三年目を迎える。高齢化が進む中、日本語学習や健康づくりの拠点となっている。一月には、中学夜間学級へ二人目の入学者が出た。(渕上健太)
 日本語学習、ダンス、日本の歌の合唱―を中心に、市中央公民館で毎週月、水、金曜の午前に活動している。会員は男性七人、女性五十六人の計六十三人。大半が近くの県・市営の集合住宅で暮らしている。
 日本語学習の時間は毎回、最初の三十分。黒竜江省から一九九三年三月に帰国した理事長の重山厚さん(73)が講師となり、学習テキストなどで発音や文法などを教えている。
 会員のうち二十四人いる残留邦人の年齢は六十三―七十三歳。「長時間の学習は体力的に難しいが、文章の音読や発音は上達してきた」と重山さん。残留邦人の夫がいる五十代の中国籍の妻が、日本語能力をさらに高めようと二〇〇七年二月、観音中(西区)の夜間学級に入学。一月にも会員の六十代女性も同学級に入学した。
 日本語が苦手で、孤立しがちな会員の憩いの場でもある。遼寧省から九〇年三月、夫と娘の三人で帰国した菅野賢恵さん(69)は「病気がちで寂しかったが、学習後のダンスに参加してから健康」と喜ぶ。重山さんは「病状の説明など、医療機関での受診に役立つ言葉の指導に力を入れたい」と話している。