2024/01/19 岐阜新聞

 満蒙開拓団の「黒川開拓団」に参加して渡った旧満州(中国東北部)で、旧ソ連軍から受けた性暴力被害について証言した佐藤ハルエ(さとう・はるえ)さんが18日午後3時11分、老衰のため郡上市高鷲町ひるがの4672の256の自宅で死去した。99歳。加茂郡白川町出身。通夜は20日午後7時から、葬儀・告別式は21日午前11時から、いずれも郡上市白鳥町恩地394の1、セレモニーホール天昇で。喪主は長男茂喜(しげき)氏。

 

 佐藤さんは20歳だった1945年秋以降、団幹部の指示でソ連軍将校に対する「接待」と呼ばれる性暴力を強いられた。引き揚げ後はひるがの高原に入植し、酪農を営んだ。2013年に長野県阿智村の満蒙開拓平和記念館で自身の性暴力被害について、初めて公の場で証言。その後も多くの人に体験と反戦の思いを語り続けた。