2024/04/09 信濃毎日新聞
 本紙連載「鍬を握る 満蒙開拓からの問い」で、満州(現中国東北部)での開拓団時代の経験などを証言した滝沢博義さん(89)=長野市川中島町四ツ屋=が5月8日、「太平洋戦争と満州移民―自決からの生還」と題し、地元の川中島町公民館で講演する。ロシアとウクライナの戦争が続く中、「戦争というものを真正面から受け止めていく必要がある」と同館が企画した。参加者を募っている。

 滝沢さんは木島平村出身。現在の中野市や下高井郡から渡った高社郷(こうしゃごう)開拓団の一員として1943(昭和18)年3月、家族で満州へ。45年8月のソ連の対日参戦に伴う逃避行で同開拓団は逃げ場を失い、集団自決で500人以上が犠牲になった。滝沢さんは弟と妹を失った。集団自決前に団を脱出し、収容所生活などを経て翌年に帰国した。

 同公民館長の増田秀晃(しゅうこう)さん(70)は川中島地区にある寺の住職でもあり、昨年8月には同開拓団の慰霊祭で読経した。「(歴史を)風化させないためにも、滝沢さんから体験や引き揚げの記憶を伝えてもらう機会にしたい」としている。

 午前9時半~11時。参加無料。問い合わせは川中島町公民館(?026・284・8222)へ。