2024/04/22 信濃毎日新聞朝刊 

 佐久市岩村田の岩村田公園にある「満州開拓団慰霊碑」などの前で21日、戦没者慰霊祭が行われた。戦争で親族を亡くした岩村田地区の住民でつくる「岩村田地区遺族会」などが主催。地元区長や市遺族会、御代田町遺族会、立科町遺族会などから26人が集まり、平和への願いを新たにした。

 この日は戦没者を祭る「招魂社」横の社務所と「満州開拓団慰霊碑」、「忠霊碑」の前で神事が行われた。招魂社は近年老朽化が進んでいるため、神事は社務所で行っている。招魂社の管理は岩村田地区遺族会が担っているが、会員の減少や高齢化で難しくなっているという。

 同遺族会の富川俊子会長(80)は「長野県は特に熱心に満蒙(まんもう)開拓を進めて、たくさんの人が犠牲になった。満州で亡くなった方も、帰ってきた人たちも悲惨な思いをした」と説明。「慰霊祭は続けていくことに意義があると思う。世界情勢が不安定な今こそ、平和を維持するため、活動を続けたい」と話した。