思い出釣行 平成24年5月 | 山口県生まれ山口県育ちの釣り師のブログ

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さて、もはや恒例行事となった高知遠征。

キャスティングロッドを新調し(EX864→BLC83/16)、意気揚々と山口県を出立・・・とはいなかった。

何故なら私の心はどんよりと曇り、ネガティブ一直線である。

その原因は低気圧であった。

天気予報ではどうみて大荒れ。

船酔いしやすい私としては、

「いっそ中止にしてくれ~」

と願っていた。

釣りはいつでも行けるけど、荒天の太平洋なんて考えただけでも恐ろしい。

しかし船長の宣言は絶対である。

道具を積み込み、出港と相成った。


最近の天気予報は正確だ。

豊後水道を抜けてきて、明らかに風が強く、波も高くなってきた。

「・・・・」

キャビンで寝ておくのが辛いほどの波だ。

これ遊漁船だったら間違いなく中止である。

当然のことながら船脚も遅い。

12ノットくらいか?

キャビンは潮を被り、我々の胃の腑は容赦なく撹拌されている。

アネロンといえどもこの難敵には苦戦しているようである。


宿泊予定の土佐清水市沖合を走ってると、風で潮は空中に巻き上げられ、岩肌に荒波がブチ当たる。

即座に提案した

「船長、今日はこのまま港に入ろう」

却下された。

何度も言う。

船において船長の権限は絶対である。

安倍晋三総理大臣といえども船の中では船長の命に従わなくてはならぬ。

更に我々は沖に出る。


ポイント到着。

これは夢か。

高さ7Mのブイが波に隠れて見えなくなる。

船長曰く

「思ったより波高いね。6mはあるかな。(笑)」

冗談じゃない。

当たり前だが周りには遊漁船はおろか職業漁師もいない。

それでも同船者がデッキに出てロッドを振るう。

三投した。

本日の釣りは終了した。

この時点でちょっと酔った。

(もっと早く決めておけば…)

寄港後に船長に

「ちょっと怨んでますよ(怒)」

それでもいつもの焼肉を食べ、銭湯でさっぱりすると落ち着いた。

明日は良い予報みたいである。


日が明けると、昨日とはうって変っての釣り日和。

船長の知人から良い情報をもらい、一路そのポイントへ。

おお、素晴らしい。

ベタ凪。

その上、船の周りは一面のナブラ。

恐らくカツオ。

ペンシルベイトを投げて、ちょっと沈めてから早巻き。

ガツン!

一発である。

昨日の鬱憤を晴らすように釣りまくる。

釣るもの忙しいし、〆るのも忙しい。

氷間は魚で満たされてきた。


ナブラが収まったのでジギング。

カツオとキメジが入れ食い。

そうこうしていると大きなヒット。

ドラグが滑り、スプールが勢いよく逆転する。

「でかいんじゃないの~?」

はい、そうです。

白狼はリールシートまで曲がり込んでいる。

でも落ち着いてやり取りしたら上がってきた。

20kg程度のキハダである。

船中で初めての「キハダサイズ」である。

皆には大きなのは釣れなかったが、大物求めてポイント移動。

海も空も穏やかである。


ポイント到着。

するとキハダが入れ食い。

正しく入れ食い。

プラグを投げればキハダが食らいつく。

誰かが掛ける→ちょっと釣り座を移動する→他の人が投げる→ヒットする

って感じで最大トリプルヒットもあった。

そんな中で、私にビッグヒット!

一気に100m走る。

おお、大型か?

何故か大きくても25kgまでしか釣れないのだが、ひょっとして50kgクラスか?

でもなんでBLCの時なのか。

全然こっちを向かない。

異変に気付いた。

擦れているのだ。

フックが背中か腹に掛かっているに違いない。

キハダが好きなだけ走ってしまう。

しんどい。

途中で嫌になった。

いやいや、これもいつか釣る大型鮪の為の予行演習と思えばよい。



20分以上かけて漸く取り込んだ。

腕も腰も疲れ果てた。

しかし釣り人とは現金なもの。

入れ食いタイムに大人しく休むことは出来ない。

更にキハダを釣りあげる。


3時間ほどでキハダを20本以上獲っただろうか。

キメジやカツオも合わせれば相当なものである。

皆満足して帰路についた。

途中、夕日が射すころに船に並走して飛び魚が空中を滑空した。

イルカもジャンプした。

辛い時間もあったが、それ以上に満足した。

だから釣りは止められない。