Best of super jr. ⅩⅧ by megane1964 | 熱闘!後楽園

Best of super jr. ⅩⅧ by megane1964



熱闘!後楽園-megane1964
 9時少し前に興行が終わり、「結構早く帰れそう」と思ってホールの玄関に出たら、これが大きな間違い。ちょうどドームの巨人戦が終わったところらしく、大量の観客が水道橋駅へと向かっている。げっ。あわてて入った駅近くのルノアールで、今、これを書いているわけです。


 後楽園ホールで行われるプロレスを全部見て、全部書いちゃおうという、ほとんど思いつきで始めたブログだけど、まあ、準備段階から2か月、いろんな団体の興行を見ているうちに、分かったことがいくつかある。いくつかのうちのいくつかは、また、ここで書くとして、今日はその中のひとつを。……どの団体もジュニアにはいい選手がいますねえ。


 ほぼ全員がジュニアのドラゲーは当然としても、ノアにはKENTAや鈴木鼓太郎がいるし、全日本にはカズがいる。ゼロワンには日高がいるし、大日本だって、石川や河上はジュニアでも試合できるはず。みちのくやKAIENNTAIはいわずもがなでしょう。


 で、その層の厚いジュニアの中でも、別格の大会がこの新日本の「SUPER Jr.」だとおもうのですよ。まあ、70年代後半にプロレスを見始めたワタクシなんかからすると、新日本ジュニア=初代タイガーvsダイナマイト・キッドなんて刷りこみができてしまったわけなんだけど、その後も、ライガーさんとか金本さんとか、新日本ジュニアにはいい選手が次々と生まれてきているわけで、そこにサスケが絡んだ「SUPER Jr.CUP」なんかは、本当に今考えてみるとハイレベルな大会だったわけですねえ。それが発展してこのシリーズになっているわけだから、一味違う歴史と伝統がある。もひとつ考えてみれば、藤波さんや長州さんも最初はジュニアでスタートだったんだから、そういう厚みや深みも当然なのかもしれません。


 本日は、その「SUPER Jr.」の今年の開幕戦です。いやあ、メンバーを見ただけでも豪華ですねえ。http://www.njpw.co.jp/news/detail.php?nid=5695 Aブロックにいるのが、プリンス・デヴィット、金本浩二、ケニー・オメガ――、Bブロックがライガー、田口、飯伏幸太――。ノア、全日本、ドラゲーの“メジャー勢”を除く、ジュニア戦線の一線級がズラリ並びます。9試合、というなかなか詰め込み気味なプログラムだったのですが、はずれがほとんどない、面白い興行でしたよ。


 全部はとても書ききれません。特にワタクシ的にハートに響いたのは、第六試合の金本浩二vsフジタjr.ハヤト戦です。


 先に入場した「みちのくのナマイキ小僧」(失礼!)ハヤトがリング上で気合を入れている中で、金本アニキが登場。おっと、リングインする前から、にらみ合っているぞ。ハヤト24歳。アニキ44歳。20歳も違う若手と本気でガンを飛ばしあう金本さん、年甲斐がなくて素敵です。


 二人とも蹴りと締め技が得意という、似た者同士。序盤からバチバチです。まずはハヤトが金本を西側のニュートラルコーナーにくぎ付けにして顔面ウォッシュ。こんなことをされて黙っているアニキではありません。東西のニュートラルコーナーでハヤトに顔面ウォッシュ。二倍返しってヤツですね。その後はひたすら蹴り合い、張り合い、肘の入れ合い。グーパンチまで飛び出します。隙を見て、アニキがアンクルホールドを決めにかかれば、お返しに、とハヤトはKID。リングの中で額と額をぶつけあって、挑発しあう姿は「新旧けんか屋」の真骨頂。


 バックドロップからアンクルホールドに持ち込んだアニキが、年の功を見せたか、と思ったのですが、一瞬のがれたハヤトがDDTからKID。これがリング中央でものの見事に入ってしまいます。ギブアップでなく、レフェリーストップになったのは、「死んでも負けられるか」というアニキの意地でしょう。オジサンの負ける姿は、ちょっと悲しかったですけどね。


 第三試合、獣神サンダ―ライガーvsマスカラ・ドラダ戦も短かい試合だったけど面白かった。

 ドラダはさすがCMLLのマスクマン。いきなりライガーを西側の場外にたたきだして、トペからトペ・コンヒーロ。ライガーもドラダを場外に追いやってプランチャーで対抗しますが、ドラダは今度は東側場外へとライガーをおいやって、再び華麗にプランチャーからムーンサルト。モロにくらったライガーは20カウント内にリングに帰れず、無念の敗北。若手二人に「捕まった宇宙人状態」で控室まで運ばれる、という屈辱を受けてしまったのでした。


 この2試合がセミでもメーンでもないんですからねえ……。セミは飯伏対田口。ゴールデン☆ラヴァーズvsアポロ55で何度も戦ってますから、お互いのことは百も承知。これもいい試合でした。シューティング・スターとか場外への(本当に美しい)ムーンサルトとか、高い運動神経を生かした飛び技を次々に披露する飯伏と、それをきっちり受けてブレーンバスター三連発など、プロレス技で対抗する田口。最後は「どどん」(厳密にいえば、新技で「ミラノ作・どどんスズスロウン」、引退したミラノ・コレクションATが作ったそうですけどね)でたたきつけ、3カウントを奪いました。メーンはプリンス・デヴィットvsデビッド・リチャーズ。相変わらず切れ味抜群の空中技を繰り出すデヴィットに、筋肉ムキムキリチャーズが力で対抗。雪崩式ブレーンバスターからブレーンバスターを決め、さらにハイキックからパワーボム。こちらも見事に3カウントを奪ったのです。


 使い古された表現なんですが、ホント、どれがメーンでもいい試合が並んでましたよ。あ、そうそう。第五試合だけがジュニアじゃなく、井上亘、永田、天山組vs高橋裕二郎、内藤、田中将斗組の6人タッグ。「楽しい試合」になるのか、と思いきや、裕二郎と将斗が内藤をハブにして、結局、内藤がボコられてタンカで退場。ユニット抗争の一環なんでしょうねえ。マイクもありましたが、そういうアングルにワタクシは、あまり興味がない。


 残りの試合は、ケニー・オメガvsTAICHI、グレート・サスケvsTAKAみちのく、タイガーマスクvsTJP。本来なら、みちのくレジェンド同士の試合も詳しく書きたいんですが、泣く泣く割愛。あ、KUSHIDAvs佐々木大輔を忘れてた。


 欲を言えば、ラインアップに、パワー系がひとりぐらいいてくれると、同じジュニアでも色変りがあって面白いんですけどねえ。ドラゲーの鷹木なんていいとおもうんですよねえ。大日の石川もいいかもしれませんねえ。後楽園ホール満員、本当に盛り上がった二時間ちょいでした。


 そろそろ、駅も人が少なくなったでしょうから、帰りましょ。結果はこちらで。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/2011/2011052603/index.html