catch the WAVE 2013開幕戦 by megane1964 | 熱闘!後楽園

catch the WAVE 2013開幕戦 by megane1964


熱闘!後楽園-image  本日の全8試合(詳しくはこちら=http://www.pro-w-wave.com/index.html )を終えて、「まいど」とマイクを持ったGAMI社長、「きょうは(客席に)透明人間が多いなあ」。


 まあ、そう慨嘆したくなるのもわかる入りだったのである。実数発表735人。昨年、一昨年は1400人、1200人と超満員だったからねえ。


 「どん底から這い上がってきた団体なんで、7月15日はオレンジ(南側の客席のシートはこの色なんですね)がおらんところでやろうと思います」


 その意気やよし。オッチャンも及ばずながら協力するで。そんなことを思いながら、後楽園ホールを後にしたのだった。


 いきなりエンディングから始めて申し訳なかったが、WAVEってのは、こういう団体なのである。肝っ玉母さん丸出しのGAMIさんが社長でいて、なんだか水っぽいチイママの桜花由美が側近でいて、春日とか渋谷とか、オネエチャンなレスラーが二人についていく。家族的、といえばいいんだけど、女だけの中小企業(間違っても場末のスナックとはいいません)感覚にあふれた団体なのである。



熱闘!後楽園-image  場末の…いや、女性的過程的中小企業のいいところ、というのは、どこもそうだが、「おもてなしの心」があることで、お客さんのニーズを考えて、かゆいところに手が届くようなサービスを提供してくれる。


 …実際にかゆいところを掻いてくれるわけじゃないよ、プロレス団体なんだからね。バリエーション豊かな、カラフルで見ていて飽きない興行をちゃんとしてくれるのが、WAVEなのである。


 本日は2時間半で8試合。前半がにぎやかな顔ぶれでのタッグマッチ、後半が今年の「波女」を決めるリーグ戦、という構成だった。第1試合は、大阪女子プロレスをフィーチャー。続いては、藤本つかさと志田光、つまりアイスリボン勢が登場。第3試合はチイママ桜花とJWPの中島が組んで、華名、栗原あゆみと対戦。


熱闘!後楽園-image
 メーン級の実力者がそろう第3試合は、もちろんきちんと試合を見せるわけだけど、一転して第2試合には「救世忍者・乱丸」なんぞという謎のマスクウーマンが登場し、「生着替え攻撃」でつっかに「白鳥」のシュシュをはかせるは、「時間よ止まれ」とふたりの動きをストップさせるは、まあ、ネタプロレスの真髄、ってヤツですよ、を見せていた。


 最後はしんどくなったんだろう。自分でセットして、つっかのトップロープからのアタックを受けていたけどね。若手の第1試合、「楽しい」第2試合、という定石を抑えたうえで、飽きない試合をちゃんと提供していたのである。

 もちろん、第3試合は、実力派ばかりだから、試合内容に問題があろうはずもなく、中島の連続ジャーマンとか、華名のエゲツナイ蹴りだとか、それぞれの見せ場をふんだんに見せたうえで、20分フルタイム・ドロー。前半戦の見せ場をしっかり作ったのだった。



熱闘!後楽園-image  で、後半の公式戦は全部15分一本勝負のシングル。「15分」ってのが、ミソですな。取りあえず、いろいろと探っている暇なんてないから、アタマから全力疾走でワザを出し合う。新日本のスーパージュニアのような試合スタイル。


 大畠vs水波とか、山縣ーvs中川なんて、3分ちょっとで試合が終わるもんだから、まともに写真を撮るヒマもないぐらいだった。


 まあ、でも、サクサク進行、ってのは観客的には決して気分は悪くない。春日vs紫雷姉のビジュアル対決なんかは、見ての通り、美央がSキャラ全開で、萌えキャラ春日を攻め続けていく。それを丸め込み一発で春日が逆転、といういかにもプロレス的な展開。渋谷vsチェリーも、双方丸め込み合戦の末に、チェリーが渋谷を仕留める。5試合でそれぞれいろんなカラーを出していって息をつく暇もなく、メーンのGAMIvs浜田文子戦になだれ込む。というわけである。



熱闘!後楽園-image

 メーンでは、GAMIさんが頑張った。ワタクシが見ている時のGAMIさんは、大半がタッグマッチに登場し、若手にやるだけやらせといて、メガホンで一発オイシイところを持っていく、という試合が多かったのだけど、今回はメーンで相手が浜田。そういうわけにはいかない。


 ベテランらしく相手の出方を見ながら間をはずしていく。このぬけぬけとした図々しさ(褒めてるんですよ)は相変わらずだけど、パワーでも技の切れでも上回る浜田に決定打を与えず、のらりくらりと自分のペースに持っていくあたりは流石、流石。


 最後はぬけぬけとつっかの「ツカドーラ」をパクった回転エビ固め「ガミドーラ」で3カウントを奪い、15分フルタイムに近い攻防に終止符を打ったのであった。



熱闘!後楽園-image
 まあ、文子さんは「ヒトのワザ、パクってんじゃねぇよ」と捨て台詞を吐いてたけどね。「高くて太くて重い壁越えなけゃいけないんだから、しょうがないだろ」というGAMIさんの「言い訳」もわかるよね。そんな感じで大会は終わったんだった。


 最初に書いたけどね。いろいろな試合が過不足なくあって、十分に楽しめる大会ではあったんですよ。まるで、幕の内弁当みたいな、ね。ただ、幕の内弁当ばかり食べてると、なんだかイッパツ、分厚いステーキが食いてえなぁ、と思うこともある、のも事実なんですよ。


 今大会、第1試合からメーンまで、ちゃんと「納まるべきところに納まる」試合が並んでいて、それはそれでいいことなんだけど、欲を言えば「納まるところに納まりきらない」スケールの試合がもう一つあったらなあ、と思ってしまった。


 もちろん、ないものねだり、なんだけどね。「かゆいところに手が届く」確かな腕の運営の団体だからこそ、ちょっとだけそんな要求をしたいな、とも思ったのでありました。