11.16後楽園大会 by megane1964 | 熱闘!後楽園

11.16後楽園大会 by megane1964


熱闘!後楽園-image  いやあ、メジャーのマットでこの人たちを見る日が来るとは思いませんでしたよ。


 本ブログではおなじみのバカ兄弟、いやいやバラモン兄弟。本日も、ボーリングの玉を掲げて、堂々の雄姿であります。


 本日はレッスルワンの後楽園大会。全日本を飛び出した武藤さんが作った新団体であります。選手層も厚いと言えず、経営基盤もはっきりせず、「どんなもんかねえ」と一抹の不安を抱きながらの観戦ですが、まあ、会場はそれなりににぎわってました。大体、7割強ぐらいの入りかな。考えてみれば、全日本の平日(ひらび、ですよ)なんて、下手したら6割未満の入りだったんだから、それに比べればましかな、という感じ。そのあたりは、ちょっとだけホッとした次第であります。



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 「明るく楽しいプロレス」が身上の武藤さんの団体なんでね、どんなプロレスをやるのかな、というのが、まず注目されるところ。もちろん、全日本だって、その「武藤イズム」=アメプロ主義に基づいたマットが作られていたはず、なんだけどね。…いやあ、びっくりしました。まだ、全日本では遠慮してたんだね。


 まあねえ、全日本は馬場さんが作った団体で、武藤さんは途中から入ってきたヒトだからねえ。ここ、レッスルワンで展開されていたのは、全日本、というよりもTAJIRIのWNCに近い、ゴリゴリのアメプロ。つまり、WWEにひじょうに近いスタイルなんでした。


 とりあえず試合の前に、あおりVがあって、この日の登場人物、仕掛け、趣向なんぞが説明されていくわけです。そのストーリーにそった形でリング上の試合が展開し、次のストーリーへとつながっていく。


 まあ、説明すると、そんな感じですねえ。河野なんかがヒールユニットである「デスペラード」を組んで、船木らの正規軍と対立しているわけですよ。それで、若手の中之上を河野が引っ張り込もうとしていろいろとやっとるわけですよ。第一試合は、そういう団体抗争ストーリーの下に行われておりました。



熱闘!後楽園-image  おっと、話は前後しましたが、この日はなんと9試合、であります。詳しくは、こちら(http://www.w-1.co.jp/ )を参考にしてください。


 9試合、というのは、どういうことか、というと、非常にサクサクと試合が進む、ということで、このあたりは全日本、というよりも新日本的ではありますね。特に前半は、ネタの仕込みが多い「楽しいプロレス」なのでね、スピーディーに展開します。話を動かすアングルも、いろいろと工夫が凝らしてある。こちら←は、大和が「勘違い野郎」という設定で、「東京愚連隊」もどきの試合をしたあげく、最後は竹刀でレフェリーをぶん殴って反則負けになる、という場面。大和やNOZAWA論外なんかが活躍した第二試合は、ルチャ仕様。金本アニキが登場した第三試合は、同じジュニアでも「蹴り、絞め」仕様で若手をかわいがる、という風に、細かく色分けができています。



熱闘!後楽園-image  で、冒頭にあるように浜ちゃんにはバラモン兄弟が二人で当たったり、田中稔とHUBが闘ったりしとるわけですよ。


 ただね。色が変わって面白い、とはいっても、そこに登場しているのは、ほとんど他団体の選手なわけですよ。NOZAWA論外、バラモン兄弟、HUB、崔領二……。まあ、インディーの実力者を並べた、というと聞こえはいいけれど、「他力本願」感は否めない。層の薄さはどうしようもなく露見しまくっているわけですよ。


 まあね、だからこそ、バラモンがメジャーのマットに上がれたわけだから、よしとしなければいけないのかもしれませんけどねえ。


 いろいろ言いますが、さっきも書いた通り、前半は手を変え品を変え、楽しくは見せてくれたわけですよ。それを支えなければいけないのが、後半の「マジ」なプロレス部分。さてさて、こちらはどうなりましたか――。



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 後半は3試合。最初の試合は、TNAの2選手、ロブ・テリーとジェイ・ブラッドリーのお披露目で、カズと近藤がキレイに負ける、よくある試合。これはこんなもんでしょう。


 残りの2試合は、KAIと真田のシングル。つまり、武藤さんは、この2人をエースにします、と言っているわけですね。対戦相手は、インディーの雄・関本大介とTNAのチャンピオン、AJスタイルズ。

……うーん……問題は、この2試合ですねえ。


 KAIはとにかく、関本のパワーに押されっぱなし。後ろの席から「格が違うねえ」との声が出てました。「関本が格上」って言われてるんですよ、メジャーでそこそこキャリアのあるKAIが。


 もちろん、関本は全日本時代から定期参戦をしていて、諏訪魔とか征矢とかといい試合をしていた実績があります。だけどね、メジャーのエース候補ならば、「明らかに格上」って言われるような試合をしちゃいかんでしょう。少なくとも征矢は、もう少し頑張った。ぶっこ抜きジャーマンで試合を決めた関本は、KAIに対して「大したことねえなあ」と言い放ち、「いつでも大日本のマットに来い」とレッスルワンの面々を挑発します。メジャーに上から目線で接するインディーレスラー。痛快ではあるけど、逆の立場を考えると、なんか情けないよねえ。


熱闘!後楽園-image  真田は真田で、テクニシャンで試合運びの上手いAJから主導権を握れず。いや、確かにAJはいい選手ですよ。だけど、まあ、ノアの杉浦あたりとやったらどうかなあ。つまり、「いい選手」ではあっても、「スゴイ選手」ではない。


 真田も、もう若手といえない立場なんだから、もう少し食い下がることはできなかったのかなあ。


 大会が終わって、ホールを去る時、前を歩いていた2人連れが「新日本の方が全然、レベルが上だよ」とのたまっていました。最後の2試合だけみれば、そうかもしれない。オカダ・カズチカ、棚橋、中邑、後藤……だれが出てきても、もっと面白い、白熱した試合をしたでしょうからね。


 もちろん、レッスルワンだって、船木を出せば、武藤さんが出てくれば、遜色ない試合はできるわけですよ。それはあえてしない。そこに武藤さんのビジョンというものは感じます。だけど、現状では、あまりにも団体として弱体なわけですよ。今後、いったいどうなっていくのかなあ。


 21日には全日本を見に行くつもりです。こちらと比べて、また考えてみたい、とも思っています。