2013王道ルネサンス開幕戦 by megane1964 | 熱闘!後楽園

2013王道ルネサンス開幕戦 by megane1964


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 先週見たレッスルワンは、武藤敬司テイストバリバリのアメリカンプロレスであった。とすると、武藤色が一掃された全日本プロレスはどうなっておるのか。全7試合。「王道ルネサンス」シリーズの開幕戦にあたる今大会を見れば、それははっきりしていたんですよ。


 数式にしてみればこうなるんです。


 (全日本)+(バーニング)-(武藤色)=×××。


 で、この×××に当てはまるのは、一言でいうと、「肉弾プロレス」なのでありました。


 まあねえ、ジャイアント馬場の「明るいプロレス」が三沢さんによって、「四天王プロレス」に進化したわけで、太陽ケアらを通じてその遺伝子は確実に全日本に残っていたわけでね。アメプロ学派の武藤さんでさえも、そのカラーを完全に変えることはできなかった。だからこそ、レッスルワンはそれを吹っ切ったアメプロ=WWE的なリングになっていたわけでね。秋山、潮崎が入った今、四天王プロレスに限りなく近い、肉弾戦を中心にしたリングになるのは、当然、ということかもしれないねえ。

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 まあ、その特徴が如実に出たのが、後半の3試合でございました。本日は7試合。詳しくはこちらの公式サイト(http://www.all-japan.co.jp/ )をどうぞ。


 後半の最初が金丸vs鈴木の世界ジュニアヘビー級選手権の前哨戦。金丸&秋山vs鈴木&宮原。宮原はノアに定期参戦しているダイアモンドリングの選手だったんだけど、いつの間にかフリーになっていたんだね。そう考えると、みんなノアから来た選手。


 リング上、金丸と鈴木が闘っているときに、いきなり宮原が場外で秋山を襲撃。バチバチの場外戦が始まったわけです。まあ、ふたりともデカいからド迫力。これぞノア。いやいや、ここはノアじゃないですけどねえ。これが新しい「全日カラー」なんですねえ。



熱闘!後楽園-image  続いて、ディーロ・ブラウンとバンビ・キラーの外国人コンビをKENSO、潮崎の日本人コンビが迎え撃つ。あ、今回、会場が暗かったんで、あんまりいい写真が撮れてないもんでね、適当に写真は並べているので、本文とあまり関係ないです。


 この試合のテーマは、「ひじ打ちと逆水平」。潮崎だからねえ、バチバチスゴイ音が会場に響き渡る。順調に日本人側がリードしつつあった試合だったんだけど、途中、KENSOの場外ダイブが潮崎に“誤爆”してしまい、外国人コンビが有利になる。それを何とか、潮崎が盛り返し、KENSOにつなげようとした時に……。


 なんとKENSOがタッチ拒否。逆に潮崎に襲い掛かる。新シリーズ早々、KENSO裏切り、ヒールターンなわけね。なんで、なんで、なんで? 

 「全日本プロレスのレスラー全員、お前ら気色悪いんだよ」


 何がどう気色わるいのか。だれのどこが気色悪いのか。よくわからんけど、KENSOは気色悪いのね。そうかそうか。


熱闘!後楽園-image  で、メーンが三冠王者・曙とジョー・ドーリングのタイトルマッチの前哨戦。曙のパートナーは大森、ジョーのパートナーは諏訪魔。

 

全員がモノホンヘビー級なんでね。これもまた、諏訪魔が大森を場外で引きずり回したりしてたけど、とにかくド迫力。曙がそんなに大きく見えないってのがスゴイね。これもまたヒジの打ち合い、ラリアットのぶつけ合い。とにかくパワーファイトの塊。


 巨大な男たちが重量感たっぷりの筋肉をゴリゴリとぶつけ合う。荒っぽく、洗練されていないけど、力強く、肉体をぶつけ合う音が激しく響く。さっき「肉弾プロレス」って書いたけど、そういうリング。後半3試合は、新日本やレッスルワンにはない、迫力に満ちていたわけですよ。



熱闘!後楽園-image  ただね、全日本は全日本で弱さもある。レッスルワンもそうだったけど、どうしても選手層が薄いから、前半戦はインディーズやフリーのレスラーを多数起用した「ごった煮状態」なわけ。レッスルワンはゼロワン、大日本の選手を借りてきていたけど、こちらはDDT中心。


 レッスルワンはアメプロ的ショーアップ、ハイテンポの試合進行で前半を面白く見せてたけど、こちらは馬場さん以来の「楽しいプロレス」の見せ方で、どうもスローモーでかったるい。うーん。


 結局、自軍の選手に軽さが目立つレッスルワンは、インディーマットから重厚な本格派を借り、「肉弾戦」得意の実力派の多い全日本は軽妙で娯楽性の強いDDT勢を起用しているってことなのか。ただ、見せ方は明らかにレッスルワンの方が上手い。


 レッスルワン前半のショーアップと全日本後半の本格プロレス。このふたつが同居していたら、いい団体なのにねえ。まあ、そんなこと言っても仕方がないんだけどねえ。


 改めて、そう思ったのでありました。