デフレ洗脳 前半 | 熊本アエロのブログ

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なんだか久々にブログを書きます。この半年間は訓練校での勉強に明け暮れていまして、ほんとに時間がなかった(毎日ブログUPしてる方々はすごいと思った半年でした)。

先日(8/27)テレビタックルを見ていたら、大竹まことが「借金どうするんだよ」と三橋さんに噛みついていました(^_^;)。三橋さんが国土強靭化(耐震化など)へ政府が投資をしなければ、要は無駄遣いができる組織が有効需要(GDPをのばす需要)を作り出しさなければ、需要は増えないし、需要が増えないとデフレから回復できない。という主張だったんですが(補足すると、需要が回復しないと雇用も回復しないし、雇用が回復しないと少子化もさらにひどくなる)、大竹さんは「政府が」という部分に反応して「また借金増やすのか」とか「1000兆円を超えたらどうなるんだよ」とか「銀行に1400兆円の預金があるというけど、利払いが毎年40兆もあったらあっという間になくなるんじゃないの?」とかまあ一般的な人の反応で、もう見飽きた反応でもあったけど、なんか違和感があった。

その違和感の正体に言及する前に大竹さんの質問に答えると、

下記のデータから政府の負債は709兆円で、利払費は9.8兆円(24年度予算)ですね。
注)見えないので少し拡大しました。
引用)財務省Webサイト

国債残高と利払費


個人資産1400兆円は別にどっかに眠っているのではなく、銀行、郵貯、生保などに分散して


預かった側の金融機関は日本国債で運用しています。問題は金融機関は預かった資金を運用しているだけで、本当の所有者は日本国民だということです
(もちろん間接的ではあるが) 。

とするならば政府からの利払いはどこにいくのでしょうか?当然金融機関に回ります。それが預けている預貯金、あるいは生命保険の毎年個人資産は利払いによって増えていくんです。それが、日本が借金が多くても問題ない理由です。

日本円で発行していること(これは為替の乱高下の影響を受けないという意味)、
国民(および国内の金融機関)が国債ホルダーであること。
デフレでマネーストックが相対的に足りないこと(足りないというのは円=国債の価値が安定しているということです)。まあ一言でいうとデフレギャップがあるということです。
それに経常黒字国あること。
これらを満たしている国はほかにありません。

ついでに今はデフレで「消費より貯蓄」のマインドなので、貯蓄も増えています。
インフレになれば貨幣の価値が下がっていくので、基本的に貨幣と同じである国債の価値も下がります。つまり元金負担が毎年下がっていくのです。

50年前に1万円借りたとします。その当時の一万円は現在では今の物価の4倍のものが買えました(物価によって違いがありますが)。この間のインフレ率は平均で4パーセントです。
逆に言いますと借りた一万円の価値は4分の1になっているわけです。
もちろん借金の重みも4分の1に
まあ複利で増えていけばかなりの元金も増えていきますが、国債は単利です。元金負担はインフレで貨幣の価値が下がれば負担も小さくなります。

何が言いたいかというと、今借りたお金でインフレに戻し、税収を増やせば30年、60年後に国債償還のときの負担は間違いなく低くなるということです。

逆にデフレのままでは物価は下がりますが、相対的に通貨の価値は上がり、国債の価値も上がります。借金の重みが増すのです。
価値が上がるから長期金利は 0 に近いのです(国債は利子のつく通貨です)。デフレでGDPは増えないし、GDPが増えないということは我々の給料も上がっていきません。というか間違いなく失業するでしょう。もちろん税収も増えませんので社会保障はめちゃくちゃになるし、今回のような変な消費税増税あるでしょう。年金や医療費の国庫負担がありますからね。
さらに問題なのは出生率が下がることです。まあ失業したまま結婚はできないですし、子供を育てることも不可能です。

ちなみに2パーセントのインフレで35年後には通貨の価値は半分になります。

話を元に戻しますと、「また借金するのか?」という大竹さんの疑問というか「借金=悪」というのは多くの日本人が持ってる共通認識で、マスコミ情報によるミスリード、つまり洗脳でもありますが、それに引っかかってしまったのは洗脳されやすい状態だったんだと思います。

なんでこれで洗脳されてしまったのか、それが違和感の正体なんですが、大きく4つの理由があると思います。

後半では上記理由とクラウディングアウトについて。