メンタルヘルスを【鍛える】という考えがHSPの生きづらさを【悪化】させるわけ〜支援者向け | HSP2.0・育成者、支援者、サポート者のための〜非認知能力アップ実現のためのポリヴェーガル理論理解

HSP2.0・育成者、支援者、サポート者のための〜非認知能力アップ実現のためのポリヴェーガル理論理解

敏感、繊細、感受性の高いHSP(highly sensitive person)が、生まれ持った感性と強みを仕事に活かして生きていくことをサポート。
日本で最初にHSPとポリヴェーガル理論を結びつけ、生きづらさは自律神経系のケアで解消できることを説いている。

・国家資格キャリアコンサルタント

・Gallup認定ストレングスコーチ

・TRE(トラウマ&テンション・リリース・エクササイズ)国際認定アドバンスプロバイダー

・自我状態セラピー(パーツ心理学)セラピスト 

皆川公美子です。これまでにのべ7,000名ほどの方のご相談を伺ってきました。

この記事は支援者である方に向けての記事です。


多様性を認めようという議論と
違いがありますよね!という議論は

とても難しいデリケートな境界を持ちますけれども、


HSPの神経処理の深さ=受け取りやすさ、圧倒されやすさ、影響を受けやすさ、こまやかな心のひだ、環境に対する敏感性などを、明快にしていくと

HSPの方が自分を理解しやすくなるので

その説明のために今日の記事をお届けしようと思います。

 

 

 比較としての非HSPさんの特徴を(当社比)

 

非HSPの人々は、HSPほど感受性(圧倒されやすさや影響されやすさというネガティブな物事への反応も、美しさや親切心の理解などポジティブな反応も両方含む)が
HSPほど高くないとされています。彼らは一般的に以下の特徴が見られます:

 

  • 感情の反応が穏やか:刺激や出来事に対してHSPほど強く感情を感じないことが多いです。お笑いなどで「おめえ、バカだな」と芸人さんが、相方を叩いている場面はよくある場面ですよね。
    HSPはもちろん深刻なほどではないけれど、その叩かれたほうの芸人さんのちょっとしたみじめさを拾って心痛い感じをちらっと感じます。
    それを言うと「まじめなんだね・・・」などと言われるのはあるあるです。
    感情に対する反応がHSPに比べて穏やか(平坦)なのです。
 
  • 刺激の耐性が高い:環境的な刺激に対して耐性があり、大きな音や強い光などにも比較的平気です。
    ハンバーガーショップのバックヤードでは常時大きなアラームが鳴っています。この環境を「別に」なんとも感じない人と「それは無理すぎる」と感じる人がいる。
    これは敏感性の差と言えそうです。

     
  • 共感の度合いが異なる:共感する能力に個人差はありますが、HSPほど強くはないことが一般的です。
    たとえば政治家のジェンダーワースト発言というのが大学教授らの作る団体で順位つけされて発表されていますね。
    「(日本人の平均寿命が延びたのは)いいことじゃないですか。すばらしいことですよ。いかにも年寄りが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるけど間違ってますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」by麻生太郎氏

    最後の一文を見て、どのくらい身体感覚へのダメージがあるか、ここにエビデンスはないですが、HSPの方で子どもや赤ちゃんが大声で泣いているだけで、神経がすりきれる、と言う方は多いです。

     
  • 情報処理のスタイルが異なる:情報を素早く処理し、直感的な判断を下すことが多いです。

    敏感さにおいて非HSPの方をディスっているのでは決してありません。この項は非HSPさんのひとつのすばらしい側面です。
    情報処理に脳が時間を使いすぎないために、判断がはやかったり迷わなかったり、行動にでるのが早いという特性をお持ちなのはHSPから見てすごい才能とも言えます。

     
  • ストレス耐性が異なる:感情的あるいは感覚的な過負荷に対して耐性があり、刺激的な環境でも比較的快適に活動できることが多いです。
    情報処理に差があるというのは、敏感に受け取りすぎるきらいがあるか(平均より比べて)そうでないかという意味です。
     
    同じ家のなかで家族の誰かが毎日、いやなため息をついていたとします。
    HSPはそのことからも大きな愛着の傷を受けることが多いですが、非HSPさんで覚えてもいないし、気づいてもいなかった、ということはよくあることのようです。

     

(*これらの特性は、個々の遺伝的な要因や育った環境によっても影響を受けるため、一概にすべてのHSPまたは非HSPが同じ特性を持つわけではありません。)

 

 

 

上記のような差がある非HSPさんとHSPさんの内的世界ですが、
世の中は80%が非HSP
20%がHSP(アーロン博士による)ので

非HSPさんの感受性世界が 社会のスタンダード と見られるのは仕方のないことかもしれません。

 

 

 
世の中によくある記述の仕方

 

 

メンタルを強くする方法を紹介!などの記事はよく見かけるものです。

 

  1. 否定的な言葉をやめる
  2. 何事も前向きに考える
  3. メンタルの強い人と接してみる
  4. 目標を立てて行動する
  5. 失敗を恐れずに挑戦をする

     

 

 

 

上記の記述を見て、

それができないから困ってんのよ!

 

  1. 否定的な言葉が浮かんできてしまうから相談しているのであって
     
  2. 何事も前向きに考えられないから相談しているのであって
     
  3. メンタルの強い人と接するのが苦手だから相談しているのであって
     
  4. 目標を立てて行動できないから相談しているのであって
     
  5. 失敗を恐れずに挑戦をすることができないから相談しているのよ!!!!

    と思うHSPは多い。

    でも非HSPさんへのアドバイスとしては有効なんですよね。

    あ、そうなのか、わかった!なのです。


一体何がわかったの?  どこが???????????
と思うHSPさんは多いのではないでしょうか。

 

メンタルを鍛える、強くする という言葉からは

トレーニングすればあなたのメンタルは強くなります、

または
慣れればいいんです、

強くなります、

行動をかえればすべて解決するんです、
というニュアンスが

前提になっていることがわかります。

 

けれどもHSPさんには「内的な安全感」が伴っていないときに
何かを強化できることはありません。



ここが行動重視の非HSP
(内的な状況がどうであろうとさほど関係ない)

内面重視(感受性が強いとはそういうこと)のHSPの違いであります。

 

 

 「行動で変えられない自分が悪い」という少数派の考え

 

上記に示したとおり

世の中の多数派は 行動が変われば全部変わる、と感じている人がおおいため
行動がかわっても

自分の気持ちが全く変われないことをHSPは恥じる気持ちが浮かび、
それが自己否定をさらに推し進めてしまうことがあります。

そりゃそうです、
ドアをあけて社会にでれば
ほどんどの人が
非HSPなので

自分の心をそれほど深くトラッキングしている人は
そんなに多くない。

もっと(いい意味で)鈍感に生きている。

そんな人たちを目の当たりにすれば

 

HSPは「自分は方法を教えられてもできない、ダメなやつだ」

と感じがちであるということが起こります。


恥の概念はフリーズを起こします。

身体の「すくみ」感覚です。

_________________

本当はそれを素直に言えれば、状況がよくなることがありますね。

「え?その方法だとわたしは深い納得には至らないんですが、
もうちょっと教えていただけますか?」

です。ニュートラルにそれを言うことができると
相手もニュートラルに答えます。

非HSPさんで、そのことにコンプレックスがない限り
「あ、そうですか?もう少しはなしましょう」になることも多いので
それを体験できるとHSPさんは、誤解がとけて前進できることが多々あります。

 

 

 どちらが間違っている論ではない

 

人は自分と違う感覚に接すると

「なんでわかってくれないの」という感覚に陥りがちです。
 
本来人間の感覚なんて全員違うわけですが
HSPは特に内的感覚が大きく80%の人と違うために

「どうしてわからないんだ」=交感神経型


または


「自分が間違っているんだ」「自分が弱いんだ」=フリーズ傾向型


ということが起こりがちです。



特に夫婦間や親子間でこの違いが悲劇をうむことが多いです。



注)DVや虐待という積極的な攻撃の場合は全く話が違います。

ここでは、


感受性の差が悲劇を生むことも多いということをお伝えしています。
 
▪️HSPの方が非HSPのパートナーに対して
どうしてこの気持ちをわかってくれないんだ
どうしてこの音がいやなことをわからないんだ
と思う

▪️HSPの子どもが親に(大人になってから)

どうしてこれがイヤだってわからないんだ
どうして自分の気持ちをわかってもっと大切にしてくれなかったんだ
と思う

 

親が子どもの状況や気持ちを細やかに察知したかどうかは

そのときの親の状態にもよりますし、
親の愛着による神経パターンにもよりますし、
一概には言えないことですが、
仮に親が愛情だと思ってやっていても
それが適切な方法の愛情表現かどうかは別の話です。


愛情があっても
繊細さの差において
または
繊細さが起こした発達性のトラウマにおいて

すれ違いが起こり

それがボタンの掛け違いになり
争いに発展する
ということはおこりえます。


次回の記事では感受性の違いによって起こる争いやボタンの掛け違いに対して

サポートする場面での
役に立つ記事をお届けします。

 

 

 

 

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