米国がトランス脂肪酸を違法へ!その思惑とは?安心できない理由とは? | 暮らしに虹をかける会

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こんにちは、吉冨です。


アメリカ食品医薬品局(FDA)は2015年6月16日、食用油やスナック菓子などに含まれている「トランス脂肪酸」を、2018年6月までに食品添加物から全廃すると発表しました。(各紙記事より)






米国におけるこのトランス脂肪酸の禁止の流れは、間違いなくここ日本でも数年以内に規制の波が出てくることでしょう。


とはいっても、実は、トランス脂肪酸の低減化や全廃をはかっても、健康上においてはまだ安心できません


また、先進国では特に企業や財閥関係が政権を握っていることから、今回のトランス脂肪酸規制において真の狙いがあるようです。今回はその理由と狙いを追っていきましょう。




(今さら聞けない)水素硬化油とトランス脂肪酸とは


誤解しがちなのは、水素硬化油そのものはトランス脂肪酸ではありません。水素硬化油とは、常温時で液体である、二重結合の多い不飽和脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸)を化学的に水素添加させ、飽和脂肪酸(常温で固体の油)に変化させたものです。この水素添加反応を完全にしてしまうとあまりにも固い飽和脂肪酸になり食用には向かないので、途中で水素添加をやめる(部分的に化学反応させる)と、適度なのやわらかさになります。これが部分水添硬化油と呼ばれる所以です。





そして、この部分水素添加では、トランス型の脂肪酸が多く生成されます。100gあたり、ショートニングに31g、マーガリンに13g、ファットスプレッドに10gほど含まれています(以上、農林省調べ)。


つまり、マーガリンやショートニングなどの水素硬化油に、トランス脂肪酸が一脂肪酸として含まれていると考えてください。水素硬化油にはトランス脂肪酸以外に、他にもさまざまな成分が含まれていることを念頭において読み進めてください。




◎トランス脂肪酸が真の黒幕なのか?



トランス脂肪酸の悪玉説はそもそも疫学調査(≒統計的調査)から始まったものです。トランス脂肪酸の摂取量が多い地域や人ほど心臓病が多いという調査結果により、WHO(世界保健機関)をはじめ、世界ではトランス脂肪酸の使用制限の推奨と指導をはじめました。


しかし、トランス脂肪酸自体が心臓疾患に影響を与えるという明確な根拠は実はいまだありません。


「えっ?」と驚かれるかもしれませんが、事実です。


米国健康プロ追跡調査(Health Professionals Follow-Up Study;Ascherio A et al, 1996)において、トランス脂肪酸摂取の多い群は少ない群より1.6 倍ほど心臓病死が多く統計的に有意だったのですが、多因子補正(他の脂肪酸摂取量に対して調整)をすると1.2 倍になり、統計的に有意でないことがわかりました。


米国看護師追跡調査(Nurses’ Health Study, Oh K et al, 2005)では、相対危険度1.35 倍だったのですが、多因子補正がないため、統計上の欠陥があります。


脂肪組織のトランス脂肪酸と心臓病の相関では、コスタリカ男性の研究(Baylin A et al,2003)が有名ですが、、相対危険度2.94倍ありました。しかし、一対照の調査であり、やはり他の因子との関わり(交絡因子)は明確でないのです。また、トランス脂肪酸(18:2 炭素鎖長18、二重結合数2)の相対危険度は5.05ですが、突っ込みを入れると、共役リノール酸(CLA)であれば発癌を抑制する性質がありますので、ここまで大きい値になったことも考えられます。これと同様の調査である、EU9カ国での脂肪組織トランス酸と心疾患の相関(Aro K etl al, Lancet 1995 Feb)では有意ではありませんでした。


(以上、金城学院大学HP より参照&抜粋。)



トランス脂肪酸の摂取が多くても、心臓病が増えるわけではありません。






トランス脂肪酸悪玉仮説をもとにさまざまなラット実験が行われています。マーガリンやショートニングの主原料は企業や原料の入荷状況などによって異なりますので、実験では一般に水素添加された大豆硬化油をよく使用されています。水素添加した大豆硬化油によるラット実験は環境ホルモン作用および脳卒中促進作用・寿命短縮作用が認められていますが、心臓疾患との関係はまだ指摘されていません


世界的なトランス脂肪酸の制限や表示義務などにより、ここ日本でも大手企業(ファーストフード店など)がトランス脂肪酸の低減化に努めているようです。低減化の主な手法として、製造工程で触媒を加えて脂肪酸配位を変えるエステル交換などの技術によるものです。


ただし、先述したように心臓疾患への影響はトランス脂肪酸そのものによるものだとは証明できていません。


つまり、マーガリンやショートニングのような水素添加した硬化油の問題は、トンラス脂肪酸の低減化をはかっても全く安心できるものではないのです。




◎トランス脂肪酸を全廃しても安心できない理由とは?黒幕は?


トランス脂肪酸を全廃しても安心できない理由とはなんでしょうか。


実は、現在では水素添加された硬化油における有害因子の黒幕は、トランス脂肪酸ではなく、「ジヒドロ型ビタミンK1であるという説の方が根強くなっています。ジヒドロ型ビタミンK1とは、油に含まれるビタミンK1が水素添加により変化してできた物質です。


ジヒドロ型ビタミンK1は人体には猛毒であり、出血性をあげ、動脈の石灰化を促進してしまいます。また、骨代謝にかかわるたんぱく質の活性化を阻害し、骨代謝に影響を与えることが人でも確認されています。


仮にも水素添加した硬化油の長期的摂取によって心臓疾患が起きた場合、この原因はトランス脂肪酸ではなく、ジヒドロ型ビタミンK1の方が可能性として高いのです。


マーガリンやショートニングなどの主な有害因子はトランス脂肪酸というよりは、ジヒドロ型ビタミンK1です。


つまり、いくらトランス脂肪酸の低減化や全廃をはかっても、ジヒドロ型ビタミンK1が多く含まれている限り、決して安全だとはいえないのです。トランス脂肪酸を全廃しても、水素硬化油そのものを全廃しなければ意味がありません。



◎自然界に存在するトランス脂肪酸は安心?


トランス脂肪酸は、実は自然界にも存在する脂肪酸です。代表的な例が、牛などの反芻動物です。反芻動物の胃において、微生物の分泌物(酵素)により脂肪酸が水素添加され、天然のトランス脂肪酸が作られるのです。




実際にトランス脂肪酸は、100gあたり、牛脂に2.7g、バターに2.2g、チーズに1.5g、サーロイン牛肉に1.4gほど含まれています。


では、これらのトランス脂肪酸は安心していいのでしょうか。先述したとおり、人工的なトランス脂肪酸に心疾患への影響は有意ではありませんので、当然、天然ものも大丈夫です。さらに、反芻動物で生成されるトランス脂肪酸について、安全性を研究した臨床試験のレビューがあります。(Gayet-Boyer et al、2014)


結果、反芻動物トランス脂肪の摂取と心血管疾患のリスクとの間に有意な関連はなかったことがわかりました。自然界に存在するトランス脂肪酸が人体に影響を及ぼすことはほとんどなさそうですので、安心してください。



◎FDAがトランス脂肪酸を禁止した思惑とは?


LAタイムズ紙(2015.6.16付)によると、今回の全廃により、食用油の販売代理店は、トランス脂肪酸の油が全廃されることで、経済的な便益が大きくなると発表しています。今回のトランス脂肪酸全廃により、健康油への切り替えにコストがかかるものの、それを上回った利益がとれると結論づけています。


推計では、20年間の経済的利益は約1170億~2420億ドル(日本円で約14兆~30兆円)見込みになるようです。かなり儲かっていますね(笑)。ちなみに、切り替えでかかるコストは120億ドル~240億ドルですので、利益はコストの約20倍あります。そもそもすでにアメリカの食品メーカーは、総計で86%の硬化油の使用を削減しています。





以上より、トランス脂肪酸全廃でバンザーイと喜ぶのは早計です。水素硬化油がまだ存在する以上は、トランス脂肪酸が含有しなくてもまだ安心できず、これからも注意が必要なのです。









■ 2015年活 動 予 定 ■
 

星6月13日(土) みんなでチャレンジ 梅仕事!・・・満員御礼
         梅仕事 10:30~12:00 ランチ(お弁当) 12:00~13:00
    場所:日本肌育学会 肌ちえサロン



星7月11日(土)・午前の部 勉強会(担当:山本)・・・受付中
詳細ただいま準備中^^

・ 午後の部 みんなでチャレンジ紫蘇仕事! ・・・受付中
         詳細只今準備中^^

星8月   暮らし虹主催 お出かけ体験デイ企画 
           ※ 詳細今しばらくお待ちください
   
星9月5日(土) 宇田川久美子先生講演会

※ 詳細今しばらくお待ちください

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