現在流通されている一般的な海苔は本来の製法ものではなく、出荷前に酸処理剤という、薬品を施しています。
酸処理は、海苔の病気を予防したり、色艶をよくしたりするために、海苔を養殖網ごと｢酸性の液｣に浸し、再び海に戻す方法のことです。実はこの処理をすると海苔の本来の風味が抜けてまずくなります。酸処理を一定期間だけでもしていない漁師もかなり珍しいですが、周年全くしないものは国内ではなかなかありません。
実は、2015年3月5日にこの酸処理剤が原因として、福岡、熊本、佐賀、長崎の４県の漁業者ら約２００人が使用を禁止しない国に１人当たり１０万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。のちに８００人の漁業者らが追加提訴したようです。
漁業者側は「酸処理剤の９９・９％は回収されずに海へ流出し、海底に蓄積された酸処理剤の有機物が魚介類が住めない環境を生み出し、貝類漁獲高の減少を招いた」と指摘し、「使用を禁止しない国は漁業権を侵害している」と主張したそうです。(産経ニュース2015.3.6)
※下記画像は産経ニュースの記事。クリックすると詳細が見れます。
海苔を作る水産業者にとって、そのつど網を張り替えるのはとても手間がかかりますし、一度張った網は長く使いたいわけです。しかし定期的に替えなければ、余計な雑藻が付着したり、緑班病・赤腐れ病などの病気も出やすいため、品質そのものが落ちてしまいます。
そこで、網を替えずに海苔の品質と収量を維持するため、酸処理が多用されるわけです。また、酸処理剤の中身は、化学的につくられたクエン酸・りんご酸・乳酸・酢酸などに、添加剤としてアミノ酸(グルタミン酸ナトリウム、味の素)やリン酸塩(人体で発がん性物質に変化)などが加えられた成分です。
本当においしい海苔を食べたい方は、酸処理をしないものをお勧めします。味が、普通のと比べて、とてもおいしいです。
ぜひお試しください。
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