ウンゲ北海道紀行③




3/11(日)、8:30頃起床。ホテルにて朝食。珈琲屋さんがやってるホテルなのでコーヒーが凄く美味しい。


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身支度を済ませ、中島公園の近くにある『動く物』リーディング公演の会場「シアターZOO」に向かう。この会場名にも縁を感じる。(会場は戯曲賞応募の時点で定められてた)ホテルから歩いて30分くらい。電車で行くって手もあったが、散歩がてら。やはり北海道の寒さはそんなに嫌じゃない。


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雪が多い北海道の風景。雪の白さは「余白」だ。雪原にある一線の足跡に物語を感じる。東京は情報量が多過ぎるのだ。


何度か滑って転びそうになりながらもシアターZOO到着。


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地下にある、キャパ5060位の小劇場。東京で言うシアターグリーンのベースシアター位の規模。ロビーが白壁で天井が高くて居心地良い。


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関係者の人たちに挨拶。皆僕が財布なくしたこと知ってて恥ずかしかった。


稽古を見学。

『動く物』は男女の2人芝居なのだけど、俳優は3人いて。1人はト書きを読む役割だった。舞台には簡素なベットと座卓が一つだけ。リーディングなので俳優は台本を持って台詞を、できるだけ淡々と読んでいく。


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僕はこの稽古の時点で泣きそうになる位の感動があった。僕はこの脚本を「人の揺れ」ということを意識して書いたのだが。リーディングという事による「揺れ」が作品を奥深くしていた。役者、演出含め「寸止め」状態で稽古を進行している様に思った。


前日に市川さんから「演出のこさべくんに監修の斎藤歩さんから、リーディングなんだから演出をつけ過ぎず、飽くまで戯曲の言葉を伝える様にしよう」という駄目出しが入った話を聞いていた。稽古の中で、こさべくんの迷いを感じた。こさべくんにとってリーディング公演は初めてだそう。しかもこさべくんは北海道戯曲賞に第一回から全て応募して一次審査で落選している。その人が、東京から来た僕の戯曲を演出している。演出よりも、戯曲の良さを伝えろ、と言われて。


この作品は、奇妙で数奇なバランスの下にあった。


「寸止め」というのは、俳優にしてもそうだ。皆普段は台詞を覚えて、伸び伸びと動き回って演技を楽しんでるはずだ。しかし、常に台本をもった状態で。自然と台詞も覚えてしまうだろう。それを抑えるというのはどういう身体の状態なんだろう。こさべさんは客のイメージを助ける為に最低限の動きの変化はいれつつ台本を持つ両手、上半身の動きは制限させていた。


面白いと思ったのは、例えばマミという女性の役が、同棲相手のムジナ(男)の隠していたエロ本を発見して読むシーンがある。演じ手であるせひろさんは台本をエロ本に頭の中で変換して演じてる様に見えた。これは「寸止め」のルールを破ってるのだけど、どうとでも屁理屈が言えるのでOKなのだ。こう言う綻びが随所にあった。若しくは2人が台本を見ながら会話してる時、その台本がスマートフォンに感じたりした。感情の高まりのあるシーンで、俳優が台本から目線を上げ相手を見た。直ぐにまた台本に目線を落とす。とても奇妙な緊迫感なのだ。


稽古が終わり、開場まで長めの休憩。皆さんと雑談した。


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左からムジナ役の野口くん、マミ役のせひろさん、僕、演出のこさべくん、ト書き読みの信山くん。



この時感じたのは、東京で演劇をやってる人と会うと、僕は直ぐ何故演劇をやってるのか聞きたくなるのだけど。この人たちには聞かなかった。この地でこの人たちが演劇をやってるということに何の疑問も湧かないのだ。


今公演の監修、戯曲賞審査員にして、北海道を代表する脚本家の斎藤歩さんに挨拶。鷲の様な目をした方だなと思った。公演のアフターイベントとして、斎藤歩さんと僕とこさべくんで話すことになってる。


開場まで中島公園を散歩した。この地は余白に溢れてる。つまり、何か書き込んでやりたくなるのだ。


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セイコーマートにてプリン。馬鹿うま。