ロシア文化を日本に、日本文化をロシアを伝える、ということ | Москва, Любовь Моя

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ロシア料理研究家、ロシア語通訳
中川亜紀のブログです。

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【異国文化の古典および民族(クラシックおよびフォークロア)と現代(リアル)をどう伝えるか】

Twitterでこんなものを見つけました。


『ザ・ベスト ロシアのうた〜カチューシャ・百万本のバラ〜コロムビア』


ほぉ、デザイン割と可愛い。

若い世代ターゲットなのか?

曲目を見る。

「カチューシャ」「ともしび」「トロイカ」「カリンカ」「黒い瞳」

ちょうど一昨日ロシア人とカラオケ行って歌った(他に一緒に歌えるのがないから)「百万本のバラ」「ポーレシュカ・ポーレ」も入っている。


さらに、歌っているのは、《ロイヤル・ナイツ》さんら。

(YouTubeで聴くと、ロシア民謡王道の歌声の方々)


思うのは、このCDのターゲットどこなのか。どんな方々が買うのでしょうか。

ド民謡を、可愛さで買ってもらって聴いて欲しい、という事かもしれません。


私は「百万本のバラ」も歌うし、毎年の《バラライカまつりin東京」でもこれらが演目に入る事はしばしば。


でもそれって、「たまには小林幸子も歌うし、荒城の月も聴きたくなるよね」と同じ感覚。

日本の古典(クラシック)文化と言えるかな。


飲食店を見ても思うのだけど、《外国における異国文化》って、何故いつも古典的だったり民族的だったりするのかな。

モスクワにおける和食店に入って、芭蕉の句が大きく掲げてあったり(←ノヴィコフ系列の最新和食店)、人気の和食店は相変わらず着物柄のインテリアとか。


そんな店、日本で探す方が難しくない?観光客ターゲットなら分かるけど。


そして日本におけるロシア料理店も。サモワールとか、ロシア刺繍とか。

モスクワでそれあるの、あえてのレトロモダンの高級店とかです。


結局、外国に異文化を持ち込む際に古典(クラシック)に傾倒しやすいのは、《分かりやすさ》なんだろうとは思います。

しかし、それって、《わかった気》に近い怠惰にも思えます。


世の中がどんどんボーダレスになって、異文化と混ざり合って日本にも西洋文化とかその他のアジア文化混ざっていますが、その近代化した日本の文化にも残るものこそが、日本の特徴とも言えるかも。

見出しにくいけど、あるはず。

たとえば、コロッケとかカレーとか。これらもここ数年、モスクワの《和食店》で人気が出てきています。


ロシアもよく「ヨーロッパみたい」と言われるくらいお洒落になっちゃいましたが、それでもロシアらしさってあります。

ベネディクトエッグとか、パンナコッタとか、ロシアでも超人気。ロシア料理じゃないのに。

でもそれも、ひっくるめて、ロシアの食文化ですよね。

だって、いわゆる海外の和食店のメニューにある料理、皆さん日々どれくらい食べてますか?

寿司、刺身、天ぷら、(なぜか)餃子、みそ汁。

それを海外で「日本の食文化ってこんなのでしょ」と思われるのって、違和感ありませんか。


バラライカで演奏する曲も、ここにあるような《ド民謡》みたいな響きとは少し違うんだけど、それでいてすごくロシアらしい音の流れってあるんですよね。

分かりにくいけど。でもすごい胸に響くような。

そういうの、もっとお伝えしたくて、来月またイベント少し組んで行きます。

是非ご参加ください!