カウントダウン北の京【北の京の魅力】 | 教文山下お仕事ブログ

カウントダウン北の京【北の京の魅力】

私は、北の京芦別を守りたいと思っています。
なんともうそ臭いですが、北の京への無償の愛が今の原動力です。笑
その理由は以下の3つです!

「昭和バブルミュージアム」としての価値がある!
$教文山下お仕事ブログ

ホテル五重塔?ホテル三十三間堂?北海道大観音???
バブルの豪華絢爛さ、この規模の施設は平成の世にはまず作られません。むしろ金輪際作られないと行っても過言ではありません。その勢い、ある意味での狂気はバブルを的確に物語っていると思います。

さらに、悪意はありませんが、北の京芦別は施設も昭和ですし、従業員の方も昭和です。これは宿泊施設として致命的ではありますが、ミュージアムとしては最高の逸材です。ここは日本でも珍しい「バブル」や「昭和」をありのまま体験でき、付加価値として「宿泊」もできる「泊まれるミュージアム」なのです。

ここで私たちが感じる「違和感」は、バブルの時代からどんどん便利なサービスを享受できるようになった時代の経過から生まれたものです。そうなんです、30年で日本人の価値観はすごく変わったのです。北の京ではそれを実感できるのです!


北海道らしさの象徴となりえる!?
$教文山下お仕事ブログ

この施設が生まれた背景について1つの仮説を立ててみます。
バブル当時、本州と物理的な距離という壁があり、住人は移住した人間たちばかりで、先住民の方たちの文化はあれど「和」の文化は欠乏していました。私はそこに「和の文化への憧れ」があったのではないかと推測しています。
未開拓の北海道の地に「日本らしさ」は無いも同然。日本であって日本ではない、そんな劣等感を持っていたのかも知れません。

だとしたら。仮にそうだとしたら、この北の京芦別という施設はその「北海道ならではの憧れ」を解消すべく産まれたとも解釈できるのではないでしょうか。潤沢な資金のあったバブルという時代に、土地の文脈を無視した強引なコピー&ペーストと、それがまかり通る寛容性のある北海道に。

もしかしたら北の京芦別は開拓から百数十年余りしか経っていない北海道に住む道産子の本質を表した、一つの象徴的な建物なのではないでしょうか。和の文化を如実に求めた、デラシネ(根無し草)文化とも言える自虐的でもありながらもクリティカルな文化施設(大きなアート作品)なのではないでしょうか。

私はそんな可能性を備えたこの施設が、廃墟にならず41年を過ぎても現役でいることそのものに感動しています。よくぞ残ってくれたと。そしてこれからも文化施設として残していくべきだと。


北海道の未来がある!?
$教文山下お仕事ブログ

北海道裏観光ガイドの堀さんも言っていますが、芦別の衰退は何も芦別に限った問題ではありません。これから各都市の経済が疲弊していったとしたとき、新しいものを短いサイクルで生産し続ける現代のスピードについていける市町村がどれだけあるでしょう。

恐らくそのスピードについていく必要は無いのではないのでしょうか。
逆に、新しいものをどんどん消費し使い捨てる時代は、終わりに近づいている気さえします。
であれば、この状況で元々その町にあるものの価値を再度認められなければ、よりどんどん時代に取り残され、価値の無いものになってしまいます。

今あるものへの視線を改め、新しい価値を見出していく。

北の京芦別は、とんでもない存在感とは裏腹に「負」のイメージを背負っています。
ここに、大きく価値を反転していける「可能性」や「未来」があるのだと思います。
難しいことかも知れないけれど、北の京芦別が復活すれば何か自分も頑張れそうな気がするじゃないですか!大仰な言い方をすると、私たちはそういう「未来」に希望を感じて突き動かされているのかも知れません。



---------------------

仮説と憶測ばかりが入り混じった推測に過ぎませんが、私は文化芸術に従事する人間として、現在チャレンジしてみたいものはまさにこの「新しい価値感の提案」なのです。

それを支えているのが、08年に初めてこの施設を訪れた時に感じた、自分の価値観が壊れていく今までにない衝撃と、極めて純度の高い、北海道が産んだ得体の知れない存在感抜群のこの施設の魅力と、そこに働く人たちの情熱です。

▽北の京芦別の佐々木さんと
$教文山下お仕事ブログ

とは言え、まだまだスタート地点に立ったばかりです。
皆さんも是非北の京芦別へ一度足をお運びになり、忌憚無き意見を施設へお聞かせいただければと思います。必ずやその1つ1つの意見に、しっかり耳を傾け、丁寧に対応してくれることと思います。

今回イベントを通じて思ったことは「これまでの北の京ではない」ということ。
再生に向け、ただならぬ意気込みと、これまで以上の切迫感を感じます。
皆さん、北の京芦別を、改めてよろしくお願いします。北海道が世界に誇る文化遺産となるよう、まずはその世界を体験して欲しく思います。


北に楽しい京あり。


北の京に未来あれ!



北の京未来作戦
北の京芦別観光親善大使
山下智博
$教文山下お仕事ブログ