その子を見るとさ
すごく苦しくなってしまう
友達がいなくて
うちの子に絡みついて遊ぼうとする
姿に
正直、鬱陶しさと
締め付けられるような
胸苦しさがある
私は
教育熱心な母の下
小さい頃から英才教育をされ
漢字を読み、九九を覚え
お受験を経て
地元のお坊ちゃん、お嬢ちゃん学校へ
入学した
試験に受かっても
ちっとも嬉しくはなかった
だって
長い髪の毛は校則のために
おかっぱのオンザ眉毛に切られ
制服は紺色
傘が唯一黄色
靴も黒か紺色か白
そして極め付けが
真っ黒なランドセルだった
女子も男子も
真っ黒なランドセル
赤いランドセルに憧れていた夢は
断たれた
長かった髪を
おかっぱに切られた日
悲しくて
自分がブサイクで
泣いてしまった
母は名誉の髪型だ
と泣く私を慰めるわけでもなく
冷たく言い放った
幼稚園でまだ遊びたい盛りに
友達との遊びが制限され
受験勉強をし辛かったから
息子たちにはさせなかった
やってしまったら
自分も母親みたいに
スパルタで子供に教えてしまう
だから
子供の習い事の先々で見かける
お受験ママとその子どもを見ると
胸が苦しくなった
そして
よくわからない怒りに襲われた
そのお母さんや子供を
罵倒したくなる気持ち
そんな私は
自分のよくわからない感情を
持て余していた
どうしてお受験ママに
モヤモヤするのか?
自分も我が子にお受験をさせたいのか?
そうじゃない
そうじゃないのに胸が苦しくて
怒りが込み上げてくる
そんな私に
小さい頃の悲しみに向き合えとばかりに
身近な存在で
お受験ママと子供が現れた
自由にお菓子を食べ
勉強に縛られないうちの子らに
絡みたがる
絡んでいれば
少しの間だけ自由な時間が増えるから
帰れば
ママのお勉強が待っている
そうやって
頑張ってきた親子だったけど
お受験に落ちてしまった
私から見れば
落ちるのは当然だったのだけど
それがママには見えていない
でも、一番悲惨なのは子どもで
ママの方向が間違っていてもついていかないと
いけない
こんなの嫌なのに
拒否することも出来ず
頑張り続ける彼女が
小さい頃の自分に重なってつらい
小さかったから
お母さん間違ってるよ
ともいえなかった
怖くて
お母さんの嘘を信じなくては
いけなかったし
言われたことは忠実に
守らなければいけなかった
そんな育ち方をした
私は
20代になって
人間関係も恋愛も仕事も
本当に苦労した
https://spiceup77.thebase.in/items/36814410
自分を生きると決めてから
10年になるけど
まだまだ
あの悲しみを味わい尽くして
なかったんだ
たくさんたくさん
我慢して
褒められたかったけど
褒められなくて
だから
大人になって
真っ直ぐに欲しいものが
欲しいと言えなくなった
そんな私と
今向き合って
書き換えてってるとこです
昆虫館の蝶々
人慣れしてて可愛かった