こんにちは!知らなきゃ損する!弁護士の選び方・使い方blogのLW管理人です。
今回は、弁護士の年収を取り上げます。一般に高給取りだと思われている弁護士ですが、現実はどうなんでしょうか。
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1 弁護士の働き方
まず、前提として弁護士には、イソ弁とボス弁の2種類の働き方があります。
①イソ弁
イソ弁とは、居候弁護士の略で、弁護士事務所の経営者(ボス弁)から振られた仕事をこなす場合です。弁護士は、最初の数年間はイソ弁として働きます。
これまで何度 か、弁護士の実力はどのような事務所で修行したかで決まると言ってきましたが、これはイソ弁のことです。
②ボス弁
ボス弁とは、弁護士事務所の経営者です。イソ弁として修行を積んだ後、独立して事務所を経営したり、イソ弁として修行を積んだ事務所で、そのまま経営者としてスカウトされることもあります。
要するに、イソ弁とは普通の会社の従業員、ボス弁とは普通の会社の取締役や社長と同じようなものです。
2 年収ラボにみる平均年収
まずは、年収ラボ の弁護士の平均年収を見てください。これは、厚生労働省の調査に基づくもので、簡単にまとめると以下のようになります。
平成17年 2097万円
平成18年 772万円
平成19年 852万円
平成20年 801万円
平成21年 680万円
平成22年 1271万円
これを見てもらうと、アンダーラインを引いた平成17年から平成18年にかけて平均年収が下がっていますよね。平成18年以降を見ると、高給取りなイメージにしては、意外と弁護士の年収は低いと思われるかもしれません。
しかし、これは調査対象が変わったためというのが実情のようです。厚生労働省の調査は、労働者の待遇の実情を知ることが目的のため、平成17年は経営者的立場のボス弁も調査対象にしていたのですが、平成18年からは労働者的立場のイソ弁のみを調査対象にしたため、1年で大きく変わったのです。
この平均年収は、イソ弁の年収だと理解するのが正しいのです。実際には、弁護士の年収はイソ弁とボス弁で全く違うものであり、これを分けて考えなければなりません。
3 イソ弁の年収
イソ弁は従業員的立場であり、年収は事務所から支払われる給料が基本となります。事務所の景気とは関わりなく、毎月決まった固定給が支払われます。
基本的にはボス弁の名前で取ってきた事務所の仕事をするのですが、事務所によってはイソ弁の名前で取ってきた仕事をやることもできます。この場合、報酬の何%かを事務所に入れることになります。若手の弁護士などは、国選弁護事件を自分の名前で取ってきたりすることが多いです。お小遣いのような感覚ですね。
このイソ弁の固定給(※手取り額ではありません)については…
初任給で500万~700万円ぐらいが相場です。
大規模事務所 は初任給で1000万円超ということも。
昇給に関しては事務所によって様々ですが、多少は上がるものの大きくは変わりません。むしろ、イソ弁として経験を積み、事務所の仕事の処理に慣れると自分の仕事をする余裕ができるので、自分の名前で取ってきた仕事が増えるのが実質的な昇給となります。
4 ボス弁の年収
ボス弁は、経営者的立場であり、どのような仕事を取ってくるか、どれだけの仕事を取ってくるかで収入は大きく変わります。依頼者から支払われた着手金・報酬(売上)-必要経費が収入になるという形態ですね。
儲けの良い仕事悪い仕事もありますし、ボス弁はどのような仕事をするのかを自由に選べますから、年収はピンキリです。
ただし、弁護士の良いところは、売り上げは人により様々ですが、必要経費は、ある程度固定されています。必要経費のうち大部分を占めるのが、事務所の家賃とイソ弁・事務員さんへの給料です。
必要経費については…
弁護士1人、事務員1人で、1000万円ぐらいではないでしょうか。
従って、2000万円の売り上げがあれば年収1000万円、3000万円の売り上げがあれば年収2000万円です。
売り上げについては、幅がありますが…1800万円から3000万円ぐらいが平均的でしょうか。比較的弁護士の少ない地方では、5000万円を超える場合もあるようです。
まとめると、ボス弁の年収は…
800万~2000万円
弁護士の少ない地方では、4000万円超の場合も
ボス弁の年収については、筆者の知っている例がさほど多くないので、あまりアテにならないかもしれませんが、大体の相場感として考えてください。
いかがでしょうか?
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
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