四大法律事務所特集4ー世界に名だたる外資系企業から人気の「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」 | 知らなきゃ損する!弁護士の選び方・使い方blogーLawyers Watchー

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法律関係の職場で働いたことがある筆者が、弁護士さんから聞いた話を中心に法曹界の実情を書いていきます。法律の基本的な知識を得たり、弁護士事務所の使い方・選び方の参考にして下さい。

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今回は四大法律事務所のうち、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を取り上げます。アンダーソン・毛利・友常法律事務所法律事務所の評判を知りたい方は参考にして下さい。



アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、所属弁護士が約290名と国内で4番目に大きい法律事務所です。四大法律事務所の中では、唯一所属弁護士数が300名を下回っており、現在では三大法律事務所+1といった位置づけがなされることもあります。逆に、TMI総合法律事務所の所属弁護士も同様に約290名ということから五大法律事務所 という名称もあるようです。TMI総合法律事務所の弁護士にとっては、五大法律事務所という名称を定着させようと虎視眈々と伺っているかもしれません(笑)。


余談ですが、弁護士業界では「四大法律事務所」というワードは確固たる不動たる名称のようです。当ブログは、四大法律事務所に言及する記事を書いてから四大法律事務所で検索して来られる方が非常に多いですが、五大法律事務所で検索される方はいらっしゃいません。

これは、おそらく英語のBig4 という名称にならった四大法律事務所という言葉が落ち着きが良いからではないかと思います。Big4 とは国際的に展開する会計事務所グループを言います。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、人数的にはTMI総合法律事務所と比肩していますが、四大法律事務所といえば、西村あさひ法律事務所、森・濱田松本法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を言います。これはやはり、単に人数規模だけではなく、事務所の沿革、依頼者からの評価等において、四大法律事務所の1つであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所とTMI総合法律事務所の間には質的な次元の違いが存在するということなのでしょうか。


アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、海外からの評価が最も高い法律事務所という評判です。事務所名に「アンダーソン」と入っているとおり、四大法律事務所の中でも最も渉外事務所の性質が強いと言えるでしょう。国内の裁判官・弁護士から最も高い評価を受ける森・濱田松本法律事務所 が四大法律事務所のうちで唯一国内系法律事務所から発展したのに対して、対極にあるのがアンダーソン・毛利・友常法律事務所です。



アンダーソン・毛利・友常法律事務所が海外から高い評価を受けるのは、元々の設立メンバーが米国弁護士だったからです。米国弁護士は、当然ですが日本の弁護士資格を保有しているわけではない無資格者ですが、終戦直後は特例的に外国人に関係する法律業務を行うことができました。設立メンバーであるジェームス・ビュウェル・アンダーソンも無資格者でしたが、1952年の日本の主権回復直後にこの特例に基づいて日本で法律事務所をスタートさせました。




このような経緯を有するアンダーソン・毛利・友常法律事務所は、四大法律事務所における外資系と言えるでしょう。したがって、外資系の特徴を備えています。例えば、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に勤務する弁護士は、スーツではなく私服姿で勤務をしており、ジーパンで出社する弁護士もいるというウワサです。

また、海外における評価が高いことから、外資系企業を多くクライアントにしているようです。例えば、外資系企業が日本国内に投資をすることを検討した場合、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に依頼する等といったことのようです。四大法律事務所の弁護士は、国内系の森・濱田松本法律事務所でさえも原則としては英語に堪能であり、業務内容が海外絡みだから取り扱えないということはありませんが、外資系事務所か国内系事務所かの違いは取扱業務分野ではなく顧客層に現れるようです。例えば、非常にドメスティックな企業が海外進出を図る場合は森・濱田松本法律事務所に依頼するのに対し、外資系企業が日本進出を図る場合はアンダーソン・毛利・友常法律事務所に依頼するといった、アウトバウンド/インバウンドの整理ができるのかもしれません。




以上のとおり、海外企業から最も高い評価を受けるアンダーソン・毛利・友常法律事務所は外資系四大法律事務所と言えるでしょう。



なお、先日上場を果たした弁護士ドットコム の弁護士は、四大法律事務所出身のようです 。当ブログは、弁護士の選び方・探し方をテーマにしていますが、以前におすすめの弁護士の探し方として、四大法律事務所の弁護士は最強であるものの、コストが高くつくため、四大法律事務所で修行した後に独立した弁護士を見つけだすのが最善であるという記事 を書きました。

今回弁護士ドットコムが上場したことは、まさしく四大法律事務所出身の弁護士が成功した一例であり、当ブログの意見が的中したと考えています。弁護士ドットコムについては、別途テーマとして取り上げたいと思います。




※注記

なお、弁護士ドットコムの上場は平成26年12月11日 であり、当ブログにおいて四大法律事務所出身で独立した弁護士をおすすめした記事 を書いたのは平成24年6月21日(約2年半前)です。