孤独な豚野郎のブーろぐ -80ページ目

ラッキー

僕は毎日ル・ビストロの調理場で遊んでいます。


僕は子供の頃、毎日暗くなるまで夢中で野球をやっていました。


子供って大好きな遊びを、本当に真剣にやりますよね。


今も同じ様な気持ちで、真剣に料理を作っています。


だから毎日楽しくてしょうがないです。


もちろんシェフという立場で、責任もプレッシャーもあります。


でも好きなことをやっているので、やっぱり楽しいです。


子供の頃は大人になっても遊んでいられたらいいなと思っていたので、ある意味願いが叶ったわけです。


世の中のどれぐらいの人が、好きなことを仕事にできているんでしょうか?


僕はラッキーですね。






アンデュイエット

久しぶりにアンデュイエットを作りました、ル・ビストロでは初めてです。


アンデュイエットとはフランスの伝統的な料理で、豚の胃と腸のソーセージのことです。

地方によっていろいろなバリエーションがあります。


昔、農家の人たちが大切に育てた豚を無駄なく食べようとする知恵から生まれた料理らしいのですが、腸に腸を詰めるなんてちょっと変態な発想ですね。


でも、これが最高に旨いんです。

内臓好きにはたまらない一品です。


ル・ビストロでは丁寧に下処理したLYB豚の直腸(テッポウ)、胃(ガツ)、子袋、喉仏、食道などを大腸に詰めます。

臓器によってモチモチしてたり、コリコリしてたり、ねっとりだったりでおもしろいです。


内臓独特の香りも食欲を誘いますね。


僕の中ではキングオブ内臓料理です。








ガルビュール

生ハムを使い切ってクズ肉と骨が出たので、ガルビュールを作りました。


ガルビュールとはフランス南西地方の名物料理で、白いんげん豆と、いろいろな野菜を生ハムの出しでごった煮にした食べるスープです。


ル・ビストロでは生ハムのクズを細かく切ったものと、白いんげん豆、玉ねぎ、人参、キャベツ、大根、セロリに、生ハムの骨を加えて一緒にコトコト煮込んでいきます。


たっぷりの野菜に生ハムの旨味が加わって、白いんげん豆もほくほくで、最高に美味しいスープです。


生ハムのクズや、骨まで使い切ってしまう昔ながらの郷土料理ってすごいですね。


また生ハムの骨が出るまで作れないので、売切れ次第しばらくお休みです。


たっぷり野菜を食べたい方には、ぜひお勧めです。






ツジタ君

最近ル・ビストロの調理場に加わった辻田君を紹介します。


22才の九州男児でかなりアホです。


高校時代は登山部で、特技はテント早組み立てだそうです。


ちなみに、股間のテントは常に張ってます。




すみません・・・








恐縮です

6月11日発売の「東京情緒食道」

“気鋭の料理人100人 100通りのもてなし”


に、僕が選ばれました。

興味のある人は見てみて下さい。


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孤独な豚野郎のブーろぐ





アナログ

ル・ビストロにはハイテク機器の類はありません。


コンベクションオーブンなんかは大量調理も出来るし、誰がやっても同じ状態に出来上がるし、あれば便利なんでしょうが逆におもしろくないと思います。


テリーヌの火入れでも何でも人間の感覚でやって、「今回はこうだったから、次回はもう少しこうしよう」っていう方が楽しいじゃないですか。


それに僕はおもいっきりメカオンチなので、あっても使いこなせないと思います。

なにしろDVDの録画すら出来ない男ですから。


エスプーマを使った泡の料理なんかも、面白いとは思いますが食材をそのまま食べた方が美味しいし、自分がやりたいとは思いません。


器でも、洋服でも何でも、ハンドメイドな物の方が価値があるわけで、料理も出来るだけ人の手で、経験や感覚で作ったものの方が魅力を感じます。



ようするに僕はアナログ人間なわけです。

腕時計もデジタルだと時間の感覚が分かりませんし。















きたあかりの温かいサラダ 

いつもお世話になっている栃木の野菜ソムリエ稲葉さんから、きたあかりを送って頂きました。


最近ではスーパーなんかでも見かけますよね。

別名「ゴールデンポテト、栗じゃが」などと呼ばれるように、黄色くて粘着質があり、茹でたてを食べるとほくほく、ねっとりで最高です。

他のじゃがいもに比べて、カロチンやビタミンC、食物繊維が多く含まれていてヘルシーだそうですよ。


ルビストロでは茹でたて熱々のきたあかりに、ぜいたくにトリュフを刻んだドレッシングをかけてご用意いたします。


熱々、ほくほく、ねっとり甘いきたあかりにトリュフの香り、ドレッシングの酸味も加わって最高に贅沢なじゃがいも料理です。

1600円でご用意しています。


お腹を空かせておいで下さい。








そろそろ

フランスはボルドー産、ホワイトアスパラガスが終わってしまいます。


今回は、炭で熱々に香ばしく焼いたホワイトアスパラガスに、ポーチドエッグと贅沢にトリュフのドレッシングを合わせます。


炭で焼いたホワイトアスパラガスの香ばしい香りに、トリュフの香りが絶妙です。ホワイトアスパラの苦甘さに、ドレッシングの酸味も最高です。

1800円でご用意しています。



わたくし涎が垂れそうです。







青春ど真ん中

最近サービス志望とキッチン志望の若者を何人か面接させて頂きました。

前回のブログでも書きましたが、おかげさまで強力な2名がル・ビストロに加わることになりました。

ありがとうございます。


こんなことを言うとおっさん臭いと思われるかもしれませんが、最近の若い子は元気が無いですね。もちろん、全員という訳ではないですよ。

みんな、控え目でお行儀はいいんですけどね。

でも、若いうちは多少生意気でも元気があったほうがいいんです。

生意気なぐらいが、将来大成したりするんです。

僕が20代の頃は、シェフから「仕事は勢いだ、迫力だ。」と教わりました。かなりムチャクチャな人でしたけど・・・


面接をしていて多かったのは、「社員でやってすぐに辞めてしまったら迷惑をかけるので、とりあえずアルバイトでお願いします。」というものでした。

「やる前から、辞めることを考えてどうすんだ」と、おっさんは思うわけです。


そんな時思い出されるのが、数年前にお世話になったK先輩です。彼の口癖は「やれよっ!」でした。

「やるかやらないかしかないんだから、やれよっ」という訳です。
かなりアホな言葉ですよね。

そんな言葉にチキショーと思い、むきになって働いてしまった僕もアホですけど。
鬼のように忙しい店で、プレッシャーも凄いし、朝の7時に調理場に入って、終電に駆け込むような生活でした。当然休みの日は、洗濯と寝て終わり。

でも、やって良かったと思います。精神的にも、肉体的にもタフにしてもらったし。

もう一度あの環境に戻れるかと聞かれたら、絶対に嫌ですけど。


偉そうなことを長々と書きましたが、僕もシェフとしていろいろ悩んだりしているんです。

これでいいのかな、と思うこともあります。



ようするに、少ない脳みそでいろいろ考えてみても、結局はやるしかないってことです。




決まりました

このブログでも募集していた新メンバーが決まりました。サービスとキッチンに一人ずつ強力なメンバーが加わります。


今までむさ苦しい男しかいなかったル・ビストロに、女性のサービススタッフが入ります。

しかも彼女の志望動機が、美味しそうな料理と、ワインと、このブログ。

なんて素敵な人なんでしょう。

                                   

そしてキッチンには22才の九州男児。責任を持って立派な料理人に育てたいと思います。


今後のル・ビストロが楽しみです。