こんばんは。
日本ライフオーガナイザー協会代表理事の
髙原真由美です。
前回の記事で、
片づけ整理収納関連の業界団体設立についてご紹介しましたが、
そもそも片づけ整理収納の仕事っていつ誕生して、
どんなふうに広がってきたのか、ご存知ですか?
日本で「整理・収納」の必要性が一般化したのは1990年代のはじめ。
1993年に出版された野口悠紀雄氏の「超」整理法が翌年の年間ベストセラーとなり、「整理をするためにはその方法論を知る必要がある」という考えが一気に普及しました。(野口先生のことは、4年前にこのブログで紹介していますね。)
同時期に飯田久恵さんや近藤典子さんによる整理収納に関する書籍が続々と出版され、彼女たちは整理収納のプロと認知されました。
テレビ番組や主婦向けの雑誌では牛乳パックを再利用した仕切りだとか、押入れにすのこで棚を作るだとか、いかに多くの物を上手に収納するかを競うように、世の中は空前の隙間収納・収納テクニックブームとなりました。
その後。
隙間収納・収納テクニックブームの反動か、
増えすぎた物を「捨てる」ブームに突入。
2000年に出版された辰巳渚さんの「「捨てる!」技術」がベストセラーとなったことがきっかけとなり、
2002年カレン・キングストンさんの「ガラクタ捨てれば自分が見える 風水整理術入門」、2009年やましたひでこさんの「断捨離」、2010年近藤麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法」と、「捨てる」に重きを置いた片づけ本を中心に、整理収納関連の本は次々とベストセラーとなりました。
この間、ハウスキーピング協会が設立され「整理収納アドバイザー」という資格が誕生、小学校の家庭科の授業にも「片づけ・整理収納」のプログラムが導入されました。
その数年後の2008年に本協会が設立され「ライフオーガナイザー」という資格と職業が誕生しました。
テレビや本で有名なカリスマだけではなく、
片づけ整理収納を仕事のひとつとして選択し、
活動をはじめる人が少しずつ増え始めた時期にあたります。
本協会が設立された当初、
片づけ・整理収納関連の団体は4団体でしたが(そのうち1団体はすでに解散)、2012年〜2013年にかけて続々と設立する団体が増えていき……。
2018年現在では、なんと30団体以上に!!
片づけ・整理収納関連の仕事をする人も、団体の増加に比例し増えていますが、
その働き方も多様化しています。
例えば仕事の種類ですが代表的なものとして、
現場作業:個人宅や企業での片づけ整理収納作業とサポートを行う
講師業:所属団体の認定講座、自主開催でのセミナー・講座・研修、企業等から依頼のセミナー・講座・研修・講演
執筆業:WEBサイト・雑誌・新聞等での記事、書籍出版
コンサルティング業:企業等とのタイアップによる商品開発、環境整備支援 などがあげられます。業務内容を絞り込んでいる人もいれば、幅広く提供している人もいます。
現場作業におけるクライアントとの係わり方も、
カリスマ指導型:「先生」として片づけ整理収納方法を教える
家事代行型:主婦が行う「家事」のひとつとして整理収納を代行する
廃棄処分代行型:一気に「廃棄処分」する行為の代行をする(遺品整理なども含まれる)
コンサルティング・支援型:いきなり作業はせず、まずじっくりコンサルティングをした上で作業をクライアントと一緒に行う
と今や様々です。
さらに言うと、
他の分野のサービス(ファッション・カラー・インテリア・建築・食・防災他)と掛け合わせたサービスメニューを提供する人も増えてきており、
片づけ整理収納の仕事が誕生して以来、25年でようやく職業として成長するスタートライン=クライアントがご自身の要望により選べるインフラが整ってきた
と感じています。
ただそうはいうものの、まだまだこの仕事で経済的に自立できている人は少数です。
また世間の認知も「主婦の趣味レベル」というのが正直なところ。
(3年前ですが大手WEBメディアでディスられたことがあり、いまだ根に持っています。(笑))
今年度は協会設立当初より掲げている
「ライフオーガナイザーを職業として確立する」
ために、この仕事で経済的に自立できる人を増やすための施策を、
今まで以上にどんどん行なっていこうと考えています。
ライフオーガナイザーの皆さん、どうぞお楽しみに!