パネトーネはイタリア・ミラノの銘菓でクリスマスに欠かせない発酵菓子。
卵やバターなどを贅沢に配合した生地に、フルーツをたっぷり混ぜ込んで、円筒形の紙ケースに入れて焼かれます。
生地はヴェローナの銘菓・パンドーロと同じで、フルーツが入るかどうかの違いと言われますが、それだけで風味や食感が変わってまた違った味わいに。
また小さなサイズで作られたものは、パネトンチーノと呼ばれます。
そのパネトーネもパンドーロと同じく、材料が贅沢すぎて年に1~2回しか作らないため、毎年ゆっくりと改良してきたレシピなのですが、今年はこれまでの中でも特に美味しいと思えるものができました。
リッチな配合ではあるものの、通常の発酵ではぱさつきやすい生地でもあるので、冷蔵庫でゆっくりと時間をかけて低温で発酵させるのがポイントです。
ちなみにパネトーネマザーと呼ばれる酵母は、本来のパネットーネが作られる際の種菌を集めたものなのだとか。
粉末にするとどうしてもその過程などの環境の変化で、加工後も同じ働きをすると言うわけにはいかないのでイーストが添加されますが、そのため発酵力もあり、手軽に似たような風味を再現することが出来るのだそうです。
パネトーネはイタリアメーカーの輸入ものをいくつか食べたことはあるものの、それらもイーストや保存料が添加されていて、私のレシピもそれらと比べて固さや風味も同じようなものが出来たと思います。
とは言え、いつかは本来の酵母を使って作られた、日持ちがする伝統的なパネットーネを食べてみたいものです。
配合上硬くなりやすいので(特にパネトンチーノ)、焼き立てを食べるか、トーストして薄くバターを添えて食べるのがおすすめです。
◆パネトーネ作りで残った卵白は、こちらのレシピで消費してみてはいかがでしょう!
→http://ameblo.jp/lovable-kitchen/entry-12095068421.html
~材料~
直系10×高さ10cmのパネトーネカップ 1つ分
または直径5.5×高さ5.5cmのマフィンカップ 6個分
強力粉 130g
薄力粉 20g
ドライイースト 2g
きび砂糖 30g
塩 2g
卵黄 約60g(目安としてM4個分)
牛乳 50g
ラム酒 約20g(卵黄と合わせて80~85gになるよう調整)
無塩バター 35g
ミックスドライフルーツ 100g
粉糖 適量
~下準備~
○卵黄とバターは室温に戻しておく
○ミックスフルーツは熱湯にさっと通してざるにあげ、 水気を切っておく
○牛乳は35度前後に温める
~作り方~
①ホームベーカリーに、強力粉からバターまでの材料(ドライフルーツと粉糖以外の材料)を一度に入れ、なめらかになるまでこねる
→手でこねる場合はかなりべたつくので、機械推奨
②生地が出来上がったらドライフルーツを加えて、手を使い均一に混ぜ込む
→機械で混ぜるとドライフルーツが細かくなりすぎる場合がある
③大きめのボウルに入れてラップをするなどして乾燥に注意し、30度で60分ほど発酵させる
→ホームベーカリーやオーブンに発酵機能があればそれを使用しても
④丸めなおして再度ラップをし、冷蔵庫に8~10時間ほど入れて低温で発酵させる
→この工程を抜くとパサつきやすくなり、省いてもできなくはありませんが⑥の最終発酵は倍の時間かかります
⑤台と手に打ち粉をしてガス抜きし、パネトンチーノの場合はここで分割してから丸め、室温で15分休ませる
⑥生地の表面を張り直し、きれいな面が底になるように型に入れ、型の8分目まで膨らむまで、30度で90~120分ほど二次発酵
→乾燥しないようにたまに霧を吹きかけながら
⑦オーブンを180度に予熱し、生地の表面に霧吹きをしてからオーブンに入れ、20~25分ほど焼成
→途中で焦げそうになったらアルミホイルをかぶせて焼き、様子を見ながら温度・焼き時間は調整
⑦冷めたら粉糖を茶こしで上面に篩う
《贈りものにする場合》
粉砂糖は時間が立つと溶けてしまうので、別途添付するか、泣かない(溶けない)粉糖を使うと良いと思います。
そのままでも美味しく、特にパネトンチーノなどは、お店によってはかけずに販売されているところも多い感じがします。
《生地について》
今回のレシピは私好みのブリオッシュ(水の代わりに牛乳、また卵やバターを多く使用した生地で焼いたパンのこと)です。
砂糖はお好みの種類で、またラム酒もお好みの洋酒を使って作ることができます。
もし他にお好きなブリオッシュ生地があれば、それにドライフルーツをたっぷり混ぜ込んだものを紙のケースに入れて焼くとパネトーネになります。