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こんにちは、カウンセリングサービスの阿部です。
この「実録2匹ぐらし」では僕と妻の過去の同棲生活をもとに、
妻が何気ない日常の4コマ漫画を描き、
僕がちょっぴり心理学を交えたコラムをお届けしていきます。
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「はじめましての回 ~カップルの呼び名の心理」
のっけから「ゆうかちんです、じゅやちんです」と始まっていますが、
これはむかし妻が呼び始めた我家での愛称です。
慣れ、というのは恐ろしいもので、
いつの間にやら僕もそれが当たり前になってしまいました。
数年前、携帯のCMでこんな感じのものがありました。
とってもハンサムで渋い部長が、
部下にビシッと指示を出して仕事しています。
ところが片手でこっそり彼女と携帯でメールをしているんです。
そのシーンで部長の下に出るテロップが
僕たん(44才)
以下、メール内容が映し出されます。
僕たん「お腹空いた」
彼女「なんか食べる?」
僕たん「食べゆ~」
彼女「何食べたい?」
ここでデスクにやってきた部下に、またビシッと指示を出して
ちょっと離れた女性社員からは
「部長、かっこいい~」
最後は
僕たん「オムライス」
というオチ。
ちょっとうろ覚えですが、どこかリアルなこのやりとり。
実にわかりやすい心理描写があります。
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カップルというのは、時にこのような赤ちゃん言葉を使ったり、
独特の愛称を使ったりしますが、いったいなぜなんでしょう?
我家もこの傾向が強いのですが、
当然、初めからこんな呼び方をしていたわけではないんです。
これは「親密感」というものに慣れていない時に起こるんです。
妻であるゆうかちんは僕と出会う前、
1人で生きているようなタイプの女の子でした。
誰のことも信じない。
信じたら
殺られる。
そんな風に思い込んでいた彼女でした。
そして僕も昔、全く同じに思っていたのです。
彼女の気持ちが伝わってしまうので、
何か力になりたくて仕方がありませんでした。
心理学を学ぶ、ずっと以前のお話です。
それから懸命に彼女と関わっていくのですが、
近づけば近づくほど、
「こんな私の、いったいどこが好きなの?」
と何度も言われました。
こちらも負けじと、
「うまく言えないけど、そんな全部が好きなんだよ」
そう、何度も伝えました。
ある事件で思わず
「最低の女だ!」
と言ってしまった時には、
「ほら、やっぱり!」
と言われて、最悪な気分になったこともあります。
そんなこんなを乗り越えて、
ようやく彼女が僕を信じ始めてくれた時に
ゆうかちん、じゅやちん
という、この愛称が生まれたのです。
一見するとただの甘えた呼び名なんですが、
2匹の絆がそこにあるのでした。
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お付き合いする関係というのは、
友人や仕事仲間以上に親密な関係になっていきます。
ところがこの親密感に慣れていないと、
どう接していいのかわかりません。
いちゃいちゃできたり、べたっとくっつくことができたり、
あの親密感を感じられたのはいつだろう?
どうやったら優しくしてもらえるかな、甘えられるかな?
心は無意識的にそれを探ります。
そうして辿り着くのが、赤ちゃんや子供時代なのです。
こういったことは、
小さい頃から気を遣ってきた人や、頼りがいがある人、
しっかりした人、自立しているタイプの人によく起こります。
甘え方がわからず、それでも仲良くしようと模索した結果、
一番わかりやすい形になってしまうわけです。
極端な例になりますと、
赤ちゃん言葉や赤ちゃんプレイに惹かれることもあります。
我家はそこまではいかないのですが…
ゆうかちん、じゅやちん
この呼び方がいったい何歳まで続くのか、
時おりふと気になる次第でございます。
文:阿部純也