カウンセリングサービス の大塚統子 です。
木曜日に大門昌代 ・大野愛子 とともに｢うまくいかない恋の処方箋」をテーマに書いています。今回は大塚が担当です。
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意外に思うかもしれませんが、「甘えられない」「頼れない」とお悩みの方は少なくありません。
カウンセリングでは、本気で「甘えるって何ですか？」と、ご質問をいただくこともあります。
これまで甘えられる環境がなかったから、頼れる環境がなかったから、甘え方・頼り方がわからないのかもしれませんね。
また、「迷惑をかけてはいけない」と、「自力でなんとかしなきゃ」とがんばってきた方も多いです。
今はもう、大抵のことは自分でできるようになっていて、「いまさら」甘える・頼ることがない場合もあるでしょう。
とはいえ、「甘えられない」「頼れない」状態では、恋愛や職場の人間関係などがうまく回らなくなることがあるでしょう。
今回は、「甘えられない」「頼れない」人の心理について書いていきます。
◆コントロール不能の甘えたい気持ち
「甘えられない」人は、早くから自立してきた傾向があります。
例えば、下に弟・妹がいるとか、両親が共働きで忙しかったとか、両親が厳しくて甘えられる雰囲気がなかったとか、手のかかる家族がいて「私はちゃんとしなきゃ」と思ってきたとか…。
子供の頃に、何らかの事情があって、安心して「甘えて大丈夫」と思えなかったのかもしれません。
本当は「甘えたい」のに、「甘えてはいけない」と我慢していたとしたら。
いったいどれほどの「甘えたい気持ち」が溜め込まれているのでしょうね。
自分の心の奥に「甘えたい気持ちがある」と自覚できている場合は、こう思う方が多いです。
「ちょっとでも甘えていいと思ったら、ものすごく甘えて、相手に依存して（迷惑をかけて）しまうのではないか」と。
まるで水が溢れてダムが決壊するように、まるで溜め込んだマグマが噴火して流れ出すように、自分ではコントロールできないことが起こるのが怖いのかもしれません。
普段から甘えたい気持ちをセーブしてきた人の場合、仮に一時的に甘えたい気持ちが溢れたとしても、だんだんとちょうどいい所に落ち着く方が多いです。
このタイプの方にお勧めのコミュニケーションは、相手に「私が甘えすぎて、あなたを辛くするのが怖い。もし甘えすぎてしまったら、教えて欲しい。」と伝えてみることです。
自分でコントロール不能になってしまう気がしているのなら、事前に相手に止めてもらえるようにお願いしてみましょう。
このお願いをすることで、ちょっとだけ甘えたい気持ちを解放しやすくなるでしょう。
◆弱みは見せられないと戦っている
「甘える」「頼る」が、弱いことと思っている方々がいます。
自分の弱さが許せない、弱さは攻撃される、弱さはバカにされるなどと、弱さを悪いものと思っているようです。
また、負けた気がするのが大嫌いで、何かと競争しやすかったり、勝ち・負けで判断しやすかったりもします。
競争心が強いタイプの人は、男性とも戦いやすいので、職場や恋愛での関係構築でつまずく方も少なくありません。
勝ち負けにこだわると、自分が勝者になった時は気分がいいでしょう。
そして、自分が敗者になることを極端に怖れるため、力を抜くことができないでしょう。
また、自分が勝者になる時、必ず誰かを敗者にしています。
心理的には、敗者に対して「情けない」と見下したり、あわれんだりした分、自分が敗者になったら「屈辱的な思いをするに違いない」と思います。
そうすると、自分が負けることや自分の弱さを受け入れることが困難になり、勝ち続けなければいけなくなります。
弱さを悪いものと思い、競争して勝たなければと思っていると、甘える・頼るなんて怖すぎてできないでしょう。
このタイプの方は、人のいいところを認めて伝えるコミュニケーションがお勧めです。
あなたが人を受け入れる器を大きくすればするほど、弱い自分のことも受け入れてもらえると思いやすくなります。
いきなり褒め言葉を伝えるのが難しければ、人に対して、意識的に「すごい」「素敵」「素晴らしい」と言うようにしてみましょう。
人生の勝者になりたいのなら、共に戦う選手の素晴らしさを讃えてみましょう。
◆甘えられるのが嫌・頼られるのが嫌
「甘えられない」「頼れない」と悩む人の中には、自分自身は人から甘えられやすい、頼られやすい人も多いです。
甘えられ、頼られるのは、「信頼されているから」「期待されているから」とわかっているけれど、本当は甘えられるのも頼られるのも「辛い」と思っていないでしょうか。
甘えられること・頼られることが苦痛になっているとしたら、自分が甘えることも頼ることも、相手にとって苦痛になるだろうと想像しやすいでしょう。
その結果、遠慮して、自分が甘えたい・頼りたい時にも、甘えられない・頼れないと、我慢しているのではないでしょうか。
このタイプの方は、「NOと言う」「お断りする」コミュニケーションに取り組んでみましょう。
無理して犠牲することを減らしてみましょう。
自分が「NOと言う」「お断りする」ことをしていいと思えると、甘えること・頼ることへの苦痛感が小さくなるでしょう。
相手に甘えたり、頼ったりした時に、相手が「嫌なら断ってくる」「無理なら引き受けないだろう」とも思いやすくなってきます。
「ダメかもしれないけど伝えてみよう」「引き受けてもらえたらラッキー」くらいの気持ちで、かかわれたら気楽ですよね。
ちなみに、普段がんばっている人から何かを頼まれると、「あてにしてもらえて嬉しい」「日頃の恩返しにがんばろう」と思う人も多いようです。
あなたが甘えること・頼ることは、相手に役に立つ喜びや、頼られる誇らしさや、信頼を与えることでもあります。
「嫌なら断っていいから」「ダメならNOと言ってね」と言って、甘えたり、頼ったりしてみませんか。
思っているよりも、喜んで引き受けてもらえるかもしれませんよ。
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