※ifなお話!つまり設定1度きり!
設定、イメージ的に
できないようなお話です。
オリキャラオンリー。
アリスさんとフレイヤさん22のお話。











「それにしてもさあ、」
「はい…」
「こーゆーのって本来、久々だよねー、とかゆー感じでやるもんだと思ってた。」
「ごっ、ごめんなさい!やっぱり、迷惑でした…よね…」
「いやそれは全く無いんだが。」
昼頃。
ちょっとしたカフェにて。
あたしとフレイヤは向かい合って座っていた。周りは正直騒がしい。
「あたしとしては相変わらずの方がいいよ。既婚者には接しづらい。」
そう、フレイヤは指輪をつけている。
理由は言わずもがな、ってやつ。
うん、そうよね。もう成人式は終わってる。この世界の中でも。
「そ、そうですか…そういえば、ジーソさんやミィとムゥは元気ですか?」
「ああ、元気元気。ジーソは来年やっと成人だって張り切ってるぜ。」
ミィムゥは変わりようが無いよな、という付け足しも忘れずに。
フレイヤはそれに安心したのか微笑んだ。
「そちらこそどーなの?」
「はい!普通に過ごせてます!」
ごく普通の返事。
でもそれはフレイヤらしいしまあいいや。
とか思っていたら、いつの間にフレイヤは何かを決心した顔でこちらを見ていた。
「…あの、」
あーあ、来たか。
「ん?何?」
なるべく聞いて欲しくはなかった。
「アリスさんって、本当に大人ですか…?」
さすがのフレイヤでも気づいてたらしい。


それはもう6、7年前のことになるかな。
15の…冬の終わり。
本来の世間ならもうすぐ春だがあたしの方では雪が残ってる時期だ。
あたしは気付いてることがあった。
「…これはループ•ザ•ループ確定かな。」
本来は違うものを指すが、あたしにとってはループものを指す言葉をつぶやいた。
あたしは人がいなけりゃいろいろ口に出す。
それはすっきりするからなのか、演技のようなものなのか。自分でもわからん。
ところで、この感覚はあたしがこの世界を自分の想造だと理解し、信じた時も同じだった。
ココロの魔導によると、この世界は時を止めつつあるらしい。あたしが、大人にならないように。
だって子供の方がいいじゃない。そんな、ねえ?物語の登場人物とかが成長してって生々しくなるのはちょっとやだよ?自分含めて。
だから、別に抵抗は無かった。
このまま、15歳で止まってもいいかな、とか思ってた。
その直後、狙ったように事は起こった。

「結婚しよう」

…は?

今の声をあたしは聞いたことがあった。何回か。
その相手は…

「……はい…!」
フレイヤだった。
そういや、フレイヤは今年…てか去年だから…今年度の秋頃、あたしに恋愛相談をしに来た。
ただ、あたしは恋愛経験なんて0だし、自分の恋愛には興味無いし、むしろやだ。親には孫を見せたいとは思っているが。
そんなわけで大したアドバイスは出来なかった。いや、あたしだってカップリングとかの作り話と現実は違うって事ぐらいわかってるっつーの。だからだよ。
でも、その相手の好きなものぐらいは教えられたし、その相手の隙をついて、告白時とかは役に立ったかな。
んで、なんと成立したからね。カップル成立両想い。街の嫌われ者のフレイヤが。なんか感動したわ。
それから付き合って……まだ半年経ってないよな!?早すぎねーか!?…って言いたいけどあたしにゃ恋愛わからんっつーのおおおお!!!!
しかもあんたらまだ結婚できんよね!?フレイヤ15だしお前もまだ17だろーがああああ!!!!
…と思ってたが、それはさすがに忘れられていなかった。
「9月…フレイヤが16になったら。」
「ごめんなさい、お預けですね。」
まだ顔の赤いフレイヤが相手に笑いかけた。
普通に女子として、女友達から見ても可愛かった。これは相手悩殺だわwと、それが当たったのかどーかは知らんが……

…人のキスシーンガチで見てしまった……

うわああああああどーすりゃいーのよこれええええええ!!!
もはやこっちが赤面だわリア充爆発しろー!…とは思わんがなんかこーゆー事でも言っておきたくなる。いやバレるから言えねーけどおおおおおお!!!
これまだあたしにとっては現実ってより絵だからまだしもこれが現実世界だったらああああああ!!!???
…そんなあたしの葛藤をよそに、今1組のカップルが婚約者となった。
フレイヤが16になる時。…それは、あたしが16になった後。
つまり、もしこのまま時間が止まったら…?
きっと、あの相手も、フレイヤも、その時を心から待つだろう。
そして、あたしと仲良いフレイヤは、この世界の事を知ってるわけだし、冷静になれば、無理だって理解するのも時間の問題。

あたしは本当に時を止めていいの…?

その時にはもう遅かった。
止まろうとしていた時計の針がまた、元気になって動き出した。
比喩乙だって?いや残念。魔導の効果か、想造主だからか、実際に見えたんだよ。


「えっ…?」
顔を真っ赤にしたフレイヤが声を漏らす。
ちょっと話題が逸れるものの、こっから話した方がいいだろうと、あたしが答えた結果だ。本題に入るのはこれから。
「ア、アリスさん、あの時……」
「すまん、いた。ちょーどリブリトダク行って買いもんしよーと思ってたのよ。しかも何、あたしの通り道の横のスペースじゃない。そんなあそこまでは長い時間じゃないし、覗かなくても見えるわ。」
ちょっとした言い訳。いやごめんちょっと覗いてたんだよ気になって。
でも、たまたまなのはガチだから。場所とか時間とかもガチだから。てか嘘言ってないから。でもごめん。
「そ、そう、です、か……」
ああ、プシュ~ってオノマトペが見えそうだよ…フレイヤは耳まで真っ赤になった。
フレイヤはあたしには怒らない。
てか、他の人にも怒っ…た、の?の?
まあ、そのぐらいには怒らない。
こーゆー時こそ怒っていいのよ!?…でも怒らないのがフレイヤだった。


んで、その後普通に時は流れていった。
正式に結婚した9月には、もちろんのこと結婚式があった。もちろん出たよ?
だがしかし、なんとあたしが祝辞読めって。フレイヤに頼み込まれた。
いやあたし16!まだ高校生ですよおおお!?
でもあれだね。こーゆーファンタジー世界はあんまそーゆーの気にしないのかね。
読んだよ。頑張って読んだよ。手元の紙は文じゃなくてメモだけどな!!
フレイヤがいつも通りのノリでいいって言ってくれたのが助かったかな。話のネタだけ書いといて、後は思いつくまま喋った。
この時にはリリィとルシタンの背の差が開いて、ジーソがやっと成長期に入ってニウラを追い越したんだっけ。
ミィムゥはこの時も今も何も変わらん。この時は幽霊だってバレないようにしてたっけな。
その後も、再来年には家を買おうとか、どんどん時計は動かされるしかなかった。
それで、いつの間にか22。立派な大人になっていた。


「…アリスさんが大人になっちゃったのって、あたしのせいなんですか」
「この世界で、だな。あっちでは時なんか止まんねーし、…あんま帰んねーから大人の知識とか、全っ然レベルで身についてねーし。だからたぶん大人っぽくなかったんだよ。」
とはいえ、見た目はあたし、大人だとは思う。童顔だけど。少なくとも、高校生には見えるんじゃないかな。
髪はなんとなく伸ばしてみてるし、アーマーとか服も20歳記念に買ったりもしてる。
フレイヤはワンピース+カーディガンからワンピース+腰エプロンという組み合わせが多くなった。
髪も1つにまとめている。それも下の方。うん、大人っぽい。
「まあ、これが答えになるんだがっ!?」
が、の時点であたしは見た。
「ごっ、ごめん、な、さい…!」
フレイヤが泣いてる。
あー、正直予想はしてたが逃げたかった…やっぱ中はお互い変わんないのかも。フレイヤは確実に大人だけど。
ただ、ここはカフェだ。
いくらうるさくて話は他人に聞こえてはいないものの、泣いてりゃさすがに目立つしお互い皿とコップは空&氷!
もうここにいる理由は無い。
「ほら、落ち着けー…あなた泣かせちゃあいつにあたしが睨まれる。あなたは一切100%レベルで悪く無いんだしな。…もう出るか。」
ポンポンと頭を軽く叩きながら席を立ったあたしは、フレイヤに財布を出させなかった。
そして店を出てしばらく、フレイヤが言った。
「あたし、今も昔も、アリスさんに迷惑かけてばっかりですね。」
まだ少し涙声だった。
それを聞いて見たあたしは無言でフレイヤの目の前で自分の目の高さあたりに両手を上げる。
そして、魔術師がやるようなポーズ…てか、そこにボールを持つような手を構えた。
その次の瞬間、目を閉じたフレイヤはあたしの方に倒れてきた。
それを体で支えながらも、立っているように見えるよう、魔導でも支えた。
「いつか聞かれるとは思ってたけど、やっぱ言わん方がよかったかな~…」
あたしはちょっとため息。
でも次の瞬間には違う事を考えてた。
いくら街のはずれだとしても誰か人がいて、見てたとして、百合だとか言い出す奴がいたらあたし殴るわ。とか。
ちなみに、あたしは時が経って、いや時が止まっても年齢変わらんってぐらいだからそんなすごくもないが、魔導はやっぱ上達してる。
ちょっとの記憶を消すココロの魔導ならすぐ出来るようになった。前はちょっと時間必要だったのにね。
「…さて、これは……起こすのにも魔導使わんと不自然かな~…」
魔導でフレイヤの姿を隠しながら、あたしはもう少し街から離れた。







こーゆーifなお話、頭の中には浮かぶので
また書くかもです。
念のためもう一度。
このお話は設定無視のお話です。