三重県 注文住宅[基礎の重要性] | LAPIAS DESIGNのブログ

LAPIAS DESIGNのブログ

オフィシャルブログ

物事なんでも、『基礎が大事』といいますが、建物も同じで基礎が重要です。

一般的に住宅の基礎の場合、2回の工程に分けてコンクリートを流し込みます。
①ベースと呼ばれる部分
 下の図の様に平らにしてコンクリートを固めます。


②ベースが固まると立上り部分を作ります。


この時、下図の赤い点線の部分に『打ち継』ができます。
コンクリートの性質で一度固まったコンクリートと新しく流し込んだコンクリートは別々の個体して固まります。同一個体となる事はありません。


その為、地震などの力が加わると下図の様に打ち継部分から破断する恐れがあり、東北の震災当時の写真にいくつかベースのみ残っている基礎が写っています。東北の震災では、地震で弱った基礎に津波が押寄せ基礎の立上り部分から建物全体をさらっていきました。

破断した基礎は床下浸水などでもその亀裂から基礎内部に水が浸入し、基礎下に水が溜まり、湿気で木部を腐らせたりカビの原因になったりします。また、シロアリもその亀裂から侵入してくる恐れがあります。
他にも一般的な基礎の場合、アンカーボルトやホールダウン金物と呼ばれる金物で基礎と建物の構造を支える木材をつなぐ部材がありますが、多くの場合は垂直に金物が設置されていない事が多く、垂直にするために『台直し』と呼ばれる作業を行います。


弊社の物件ではこの写真がなかったので、どなたかのブログの写真を拝借しました。
斜めになっている金物がアンカーボルトで隣の見切れている金物がホールダウン金物です。
アンカーボルトが斜めになっています。
これを台直しを行って垂直に直して土台(材木)と繋ぎます。
しかし、台直しを行わない金物の強度を100とした場合、
10㎜台直しすると88の強度
20㎜大直しすると84の強度
30㎜大直しすると25の強度
しか得られません。
当然、設計段階では100の力で計算して金物の強度を計算しています。
しかし、実際には上記の強度しか得られていない事があります。
検査機関によれば上の写真の程度で台直しを行っても問題ないとの事でしたが、ひどい場合では『ケミカルアンカー』を併用して補強が必要との事。

ケミカルアンカー

聞いたことある
数年前、東名高速道路のトンネル崩落事故
天井板を固定していたケミカルアンカーが腐食により抜け落ちて下を通っていた車を押しつぶした事故。

トンネルの場合は、人為的事故でした。
点検時に目視による点検、または抜粋して打音検査だったと思いますが、家の場合は壁の中に隠れてしまうので目視も打音検査もできません。
もし異常が見つかっても交換も容易にはできません。

それで補強って・・・。


ラピアスデザインでは、フリークランクアンカーボルトを使用して台直しをしない工法を採用しています。



クランクしているので内部の鉄筋が邪魔にならず垂直に金物を固定する事ができます。
たま、一体打ちベタ基礎を採用しているので、打ち継がなく2回打ちの基礎(一般的な基礎)の約3倍の強度があります。



打ち継の事は、建築を専門で勉強している人なら全員が知っている当然の話なんですが・・・。