きょうの太陽から 2013年12月23日 | すずきふみよしの「星の音を聴く」

すずきふみよしの「星の音を聴く」

読むこととはすなわち聴くこと。耳を傾けること。
ホロスコープから「聴いた」ものを、そして感じとったものを、日々丹念に言葉にしていきます。

サビアンシンボルは
山羊座1度「インディアンの酋長が集まった部族に力を求める」

このシンボルのキーノート(基調)は
「いかなるリーダーシップの主張にも含意されている力と責任」

きょうはどんな日?
新しい季節のはじまりです。理念や理想の本格的な具体化に向けて動きはじめたいとき、またその前段としても権力と責任について集団性を意識しての再考が促されるときです。

長い歴史と伝統を備えるものを確認することによってその理由を理解し、またそれを通じて自分が属する集団の価値や目的の再確認と称揚につなげたいときというのがきのうでした。長きにわたって連綿とつながり伝えられ続けているものとはどういうものか、そしてそこに人間の精神はどのように反映しているのか。かなり極端な例だけれどもキリスト教とローマ法王をモデルにかんがえてみよう。大きすぎる話はさておいても、自分が属しているなにかを維持し続けていくことについて少しばかり意識を働かせてみようという具合でしたが、かんがえを新たにするところはあったでしょうか。きょうはそれを受けて先へ進みます。

射手の季節の後半のテーマ〈転移・譲渡〉の展開は人類の歴史にも抵触するほどの大きな問題へと広がりを見せ帰結を迎えました。ソディアックの後半のはじまり、天秤の季節においては、集団のなかでの個の確立のために意識的に自分を集団性のなかへ開く方向転換が必要となりました。集団での協同を通じて解放されたエネルギーは、蠍の季節において大きな潜在性の力あるいは権威の力として深められかつ情動的に体験され、射手の季節において意味と意識的な目的を与えられました。そしてそのエネルギーは山羊の季節においては安定化と階層化に向かっていくことになります。集団の力は茫漠たるカオティックなものから計測可能なものへと変わっていき、注意深く〈資本〉として扱われるようになっていきます。「酋長chief」という語と「資本capital」という語はともに同じラテン語のcaputという語に由来しており、これは「頭」を意味しています。個々人が自分の仲間に対してふるう力に責任を引きとることが可能である状況下に、自分の居場所を見い出さなければならないときがやってきているのです。シンボルに描かれている酋長は部族に対して手助けが欲しいと訴えているかのようにも読めますが、これは自分の酋長としての権力を当然のものとしてみなに知らしめ承認を得ようとしているという光景です。が、図らずもそのように描き出されたように両者は本質的には同じことです。リーダーというものはただ自分がリーダーだと言い張って威張っていれば成立するものではなく、自分が権力を行使することを集団のなかで認められてはじめて成り立つ役職なのです。そしてそこには当然のように責任が伴うのです。山羊の季節のはじまりにあたって、まず一個人ではなく集団を前提においた責任を意識するようにしてみてください。自分の個人的な立場を超えて振る舞うべき行動とそれに伴う責任。自分のことだけをやりくりしていればすむというレベルではないところでの、行動と責任について自覚をもつようにしてみてください。しかしながらその一方で無駄に尊大なおもいあがった態度や特段重要でない瑣末な問題をまったく無分別にもわざわざとりあげる傾向が見られるときでもあります。力の使い方を誤らないようにじゅうぶんに注意しましょう。

山羊の季節の前半、この先半月のテーマは〈結晶化〉です。抽象思考を社会の制度のなかに反映させ、あるいは新たに制度をつくり出し確立することによって社会全体に還元していくプロセスだった射手後半。理念や理想として描かれているにすぎなかった「あり得べき姿」をかたちにしていく、かたちに近づけていこうと努めていた射手後半を受けて、いよいよそれが本格的な具体化へと進んでいきます。射手の期間に純化された精神はここで結晶というかたちとなって具体性を帯び物質化するのだということです。その前段としても集団性をじゅうぶん意識するよう、くれぐれも自覚をもちましょう。