高速水着が禁止されてから2シーズン目が終わろうとしています。


今年は世界選手権が開催されましたが、世界記録の数は2年前の高速水着時代の大会から激減。


高速水着が明らかに記録向上に寄与したことを物語っていますね。



では、具体的にどれくらいのタイムアップ効果があったのか?



高速水着でのタイムとその前年までのタイム、そして、高速水着が禁止された昨年、今年の自分のタイムを元に考察してみました。


ちょうど、先日のエントリーで、自分の8年間の実業団のタイムを整理していたので、これを元に。


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これを見ると、最近5年間のタイムでは、高速水着シーズンの2009年が最速です。やっぱり高速水着効果です。


高速水着と低速水着の差は?

私の場合は、50mレースで0.2~0.3秒と言ったところ。



この差をどう見るのか?


周りの人と比較して見ると、タイム差は比較的小さい方だと思います。


人によっては、50mで0.5~1秒程度差がある人もいるようです。



どこが違うのかというと、一つは身体の大きさではないかと。


高速水着が出てきたとき、身体の大きい外人の方がタイムアップしており、身体の小さい日本人は効果が少ないと言われた。



これは、マスターズスイマーにも当てはまるようです。マスターズスイマーの場合は、少し違ったかたちで現れるようですが。



高速水着の頃から大きくタイムを落としている人に共通する特徴は、上背が大きいだけでなく、そこそこ肉付きが良い人という共通点があるように思います。


なぜか?
推測して見ると。。。



脂肪がたくさん付いていることで浮力が生じます。これを全身水着で強く締め付けることで、脂肪がだぶついているマイナス効果がキャンセルされ、浮力が増すというプラス効果だけが得られるからではないでしょうか。


なので、私も高速水着時代は身体を大きくしようと、体重を増やしました。



一方で、高速水着が禁止されてから比較的タイムを落としていない人は、脂肪があまりついておらず、引き締まった体型の人。


私も、高速水着が禁止された翌シーズンは体重を2kgほど落として臨みました。



ということで、高速水着の効果は、体型差が一つの要因になっているように思います。


もちろん、体型だけでなく、泳ぎのテクニック差によるところも大きいと思いますが。




ちなみに、私が実業団で着用した水着の変遷です(笑)


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2007年頃までのロングスパッツFS-II。


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2008年、高速水着時代の幕開け FS-Pro ロングジョン。


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2009年、高速水着の代名詞、LZR Racer ロングジョン。


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そして、ポスト高速水着時代のハーフスパッツ。



ところで、高速水着がもたらしたもの。。。それを着用したときのタイムアップだけだったのか?


私のタイムの変遷を見ると、ポスト高速水着のタイムは、高速水着以前のタイムより少し上がっています。これは何を意味しているか?


高速水着で体感した高いボディポジション。これを体が覚えているので、高速水着を脱いでも、このポジションを再現すべく意識し、泳ぎが改善された効果と思います。



高速水着は一時的なタイムアップだけでなく、その後の記録向上にも一役買っているという訳です。