一人一人の顔に人生があって、目には見えない何かを抱えて生きていることを考えさせられた。
最近こういうことを考えていなかった。
自分の中の「人」という認識は、いつの間にか単純化し、「物」のように捉えるようになっていたことに気づく。
映画を見て、世界の見方が具体的に変わることがある。
今日は、「心と体と」
という映画を観て。
心の目が開かされた。
食肉工場で、牛が「動物」から、「牛肉」になっていくシーンが前半から提示される。
普段、スーパーや焼肉屋で「牛肉」を見ていても意識しないこと、単純化される物事の奥には、こうした事実がある。
タイトルにある「心と体と」
実体のある「体」と、見え辛い「心」。
優れた俳優陣と演出により、見え辛かった心が可視化される。
そして冒頭に書いた通り、終わった後も自分の、人の心にも目がいくように。
主演女優のアレクサンドラ・ボルベーイが心に障害を抱えた女性を見事に生き切っていて、大変素晴らしかった。新人とは…恐れ入る。
映画を観て、ささやかでも確実に世界が変わる。
比喩でもなんでもなく、心には体と同じく栄養というものがあると思う。
映画は心の栄養の補給になる。
僕の場合はそう言い切れる。
それが映画を観る理由の1つになってるのかもしれない。
そうそう、映画といえば、
今週末から色んな人物の心を覗き見る、ユーモア溢れる恋愛群像劇が始まるそうで。
脚本を読んだ時、一人一人の人物の立ち上がり方にとても感動し、良質な小説のように、一気に時間を忘れて読んでしまった。
そして映画になった後、読んだ時よりもっと、良くなっていたことにまた、感動した。(爆笑もした)
僕にとって大切で、愛おしい1本です。
199分のフルコースを、劇場に味わいにきてください。
見終わった後、見る前と比べて世界が変わるはずです。
5/12〜18の1週間、連日19時より、池袋シネマロサにて。
ぜひ、観てください。