暗闇礼讃 | 品田誠ブログ

品田誠ブログ

1992年3月2日生まれ
俳優やってます。
品田誠

とても綺麗な星空が見えた。

iphoneの写真でも拡大したらたくさんの星が映っていた。
静岡の浜辺。
東京の街のように、夜でも明るくしていると便利なことも多い。けどそこには失われるものもある。
時折明かりが周りにない深い闇がとても愛おしくなる。
昔の人たちはきっともっと星空をがよく見えて、あれやこれやと思いを巡らせていたんだろうな。

この写真は多分今年最後であろう撮影を終えた時のものだ。
一本撮影が終わると、どこか身体の一部が欠けたような気持ちになる。
作品や役のことを考えていた時間は、全て撮影に置いてくる。終わることでもう演じることのない役を思うからだろうか。

完成作品を見るまでそういった気持ちは自分の中で人知れず弔われ、整理をつけて次に向かう。
やがて忘れてきた頃に作品は完成し、人の目に触れる。置いてきたそれらが形となって世界に存在するようになる。

そんな完成した時の感慨も、撮影後に訪れる寂しさも、どちらも好きだ。
また撮影に行きたいな。行かなきゃな。
と撮影現場に行く度にエネルギーを得る。

来年はどんな現場に立てるだろう。
どんな役と出会い、どんな芝居ができるだろう。
暗いニュースが塞ぎ込ませてやろうとしてきても、希望を持つことをやめられない。

今見える光を大切に過ごせるなら。
暗闇だって悪くないのかもしれない。