ママゲリア聖子の大阪ロマンチック -2ページ目

ママゲリア聖子の大阪ロマンチック

北大阪在住、食いしん坊で呑んべえのなかよし夫婦のいろいろを記録しておきたいと思います。こんなに楽しい毎日、本当に感謝しています。

北海道キャンプ三日目。

枝幸(えさし)町の海辺のテントで目覚めると霧雨が降り頻っていました。

天気予報は、行程の前半は連日雨だというわりには、傘をさすほどのこともなく活動できていたし、花火大会も無事開催され(霧の中で見えなかったけど)、ただし寒さには驚きました。

北海道上陸以来、夏だということは忘れています。

街のホテルの温泉のサウナで隣り合った地元のおばあちゃんが、それでも7月中には35℃を超える日がしばらく続き、難儀したこともあると教えてくれました。そんなことは初めてだったそうです。

前日、最北端宗谷岬を折り返してオホーツク海沿岸を南下するドライブをしていますが、荒涼とした原野と灰色の海原ばかりが続いて何とはなしに心細い哀しみを湛えた景色です。

田畑はありません。
人の手が入った形跡が認められない風景に、ようやく人間の気配がし始めました。

なだらかな起伏の丘が綿々と繋がる牧場です。
乳牛たちが、雨降りなどものともしない風情でうつむいて草を食んでいます。冬はどれほど厳しく長いことでしょう?
君たちは大丈夫なの?
 
やがて、耕作地帯が始まりました。

麦。蕎麦。とうきび。じゃがいも。

その畑はどれも区画が広々として、大地におおらかな絵を描いています。なんと頼もしい景色でしょう。



人家は疎らであっても、国道沿いに時々小学校が現れます。
どんな辺鄙な隅々にまでも、教育の恵みは降り注いでいます。今は、北国の短い夏休みの最中なのでしょう。

これは、興部(おこっぺ)という街の道の駅です。
かつて国鉄の興部の駅舎であったところにあります。辺りは公園になっていて、広場には盆踊りの櫓が組んでありました。

提灯も、紅白の幕も、雨に濡れています。
道中、鎮守の森や校庭やあちこちの広場に、同じように祭りの準備がされたまま、人気のないところが何ヵ所もありました。
せっかく人々がこの日を楽しみにしていたに違いないのに、荒天とは運が悪い。無事開催されるとよいのに。

興部の道の駅の売店には、多種多様な乳製品や食肉の加工品がたくさん並んでいました。

悩んだ挙げ句、チーズとソーセージと飲むタイプのヨーグルトを選びました。
ヨーグルトはその場でいただきました。美味しくて、飲み物の濃さではありません。身体の細胞にいいものが行き渡ったような気がしました。


サロマ湖の畔にカラフルな観覧車やいくつかのアトラクションのある遊園地があり、その横の道の駅で休憩しました。

見つけたのは、人気者のこのお嬢さんたち。

「そだねー」
とか、モグモグタイムとか、冬季五輪の際には流行語になっていましたね。
「#オホーツクール」
とタグ付けしてアップしてね、とのことですので、そのようにしました。意味はわからないですけど。

常呂(ところ)には、カーリングが体験できる施設もあるそうです。
先を急ぐのでないなら、立ち寄って試してみたいスポーツです。

北海道には、パークゴルフの施設が多いです。夫はそっちの方がやってみたいそうです。


本日は移動日。知床まで辿り着く計画です。寄り道はあんまり出来ない。


網走は大都会です。
市街地に入ったところでは、裃を着けて頭に笠を被った装束の人たちが、さらにビニールの合羽を着込んで集い、御神輿を取り囲んで何か神事の最中でした。


網走でお昼ご飯をいただくことにしました。

雨の中、真っ白に花咲く広大な蕎麦畑を見て、
「お蕎麦食べたいねぇ。」
と話していたのです。
港近くの道の駅に立ち寄って、そこで食堂に入ろうとしたら、国道を挟んだ向かい側に、「蕎麦」と大書した文字を見つけました。
石造りの倉庫をリノベーションした「しれとこそば玉置屋」というお蕎麦屋さんです。

道内の蕎麦粉を使っているかどうかは定かではありませんが、ともかく念願の蕎麦を食することが出来ました。

小さな丼のついたもり蕎麦のセットです。

私はホタテ貝の天ぷら丼のついたオホーツクセット。
夫は豚丼のついた十勝セット。



小清水というところの道の駅のとなりにキャンプギア&アウトドアウェアの「mont-bell」のショップが目に飛び込んで来ました。

これはきっと神様の思し召しでしょう。

私たちのテントがもうぼろぼろで、鋭角の三角形の屋根のAlpenの店を見つけたら新しいテント買っちゃおうか?と話していたのです。

本来なら、ネットでいくつも候補を探し、アウトレットのモールに出向いて価格とクオリティーを研究して、絞り込んで選ぶところでしょう。
けれど、今夜の降りはかなりのものかも知れず、縫い目のシールの剥がれたおんぼろテントが雨漏りしたら嫌だなぁ…。



初代テント君、20年以上使い、何百泊したでしょう?

沖縄県以外のほぼすべての都道府県でキャンプしましたよ。家族四人に楽しい思い出をたくさんもたらしてくれました。
いつの間にか子供たちふたりで設営撤収をテキパキこなすようになり、好きが高じて長男は学生時代はキャンプリーダーのボランティアもしていました。

これがまた、
「いちばん安いのどれですか?」
みたいにして買った安物だったけど、寿命まで使い切れたことは誇らしいです。


新しいテントは雨の日デビューだね。
頼むよ、ニューヒーロー。

いよいよ知床エリアの入り口。
それまでまっすぐでずんべらぼうだった海岸線が複雑になってきました。

「オシンコシンの滝」に立ち寄りました。

これまで、何度か通りかかって、国道から見たことがあるけど、駐車場がいっぱいで、車を降りてすぐ横まで行ったことがなかったのです。





国設知床キャンプ場で買ったばかりのテントを張りました。
張り方は先代とほぼ一緒。雨の中でしたが、手早く張れました。

新しいテントはブルーです。
森の中でピカピカ光ってるみたいにカッコいい。
夫婦ふたりが寝るだけですから、サイズは小さいものにしました。



道内のコンビニは、ローソンもセブンイレブンもあるけど、断然セイコーマートが多いです。
近くのセイコーマートでお弁当を購入しました。

雨降りなので、火を使う調理は割愛しようということになりました。焚き火もなしです。

夫はテントの前室部分に椅子を持ち込んで、私はテントの中に居座ってお食事です。

前日、キャンプ場が寒くて私たちは焚き火で暖をとりながら夜まで外で過ごしていたけど、多くのテントはみんな中に籠って過ごしていました。

子供たちが小さい頃は、この閉塞感が心愉しくて、仲間と籠って遊んでいたものです。
テントが新しくなって、その快適さを思い出した。

嬉しくて、ウキウキして、早々に寝袋に下半身を突っ込んでゴロゴロしていましたら、気持ちよくてそのまま眠ってしまいました。

夕方まだ明るい時分のことです。

明日は朝早いのです。
雨の中、知床を歩きます。