*読書日記vol.2 :羊と鋼の森* | 早川真理恵オフィシャルブログ

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先日、2016年度の本屋大賞が発表されましたね(*゚ー゚*)
毎年本屋大賞を受賞される作品は、
本屋さんにバーン!と平積みされたり、
映像化されたりと、とても話題になるのでやはり気になります。

そんな今年見事大賞に選ばれた
宮下奈都さんの『羊と鋼の森』

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一見不思議なタイトルに以前から気になっていました。

ピアノの調律に魅せられた一人の青年。
自分の素質に悩みながらも、調律の仕事に正面から取り組む彼の姿を
音楽と自然が織りなす美しい世界から丁寧に温かく描かれた成長物語。


北海道の大自然やピアノの音が文章から沸き立って心にじわっと沁みてくる。
こんなに美しい小説にはなかなか出会うことできません。



3歳からバイオリンを、5歳からピアノを十数年。
音楽に少しでも携わってきた私としては
思わず、もう一度ピアノが弾きたい!楽器に触れたい!とムズムズしてしまう小説でしたピンク音符


美しく優しい文章の中の常に真ん中にあるもの、それが主人公の仕事へのひたむきな姿。

「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」

今の自分の努力がなんのためなのか、
どこに結びつくかわからない。それでも情熱を持って大好きなピアノの調律に取り組む主人公が前を向いて進んでいく。

これはピアノの世界の話ですが、
違うどんな世界の話でも置き換えられる気がしました。

音楽をやっていた人は懐かしい気持ちになるかもしれないし、
そうでない人にもこの気持ちの良い読書体験をぜひ味わってほしいです三 (/ ^^)/キラキラ