PTA問題の源 | まるおの雑記帳  - 加藤薫(日本語・日本文化論)のブログ -

PTA問題の源

中央教育審議会 教育制度分科会 地方教育行政部会というところが平成17年の1月に出した「まとめ」に、
<地方分権時代における教育委員会の在り方について>
という文書がある。
目次をコピペすると、次のようである。

     <目次>
はじめに

Ⅰ 地方教育行政の在り方
(1)検討の背景
(2)新しい地方教育行政の在り方

Ⅱ 教育委員会の在り方
1 教育委員会制度の現状と課題
(1)教育委員会制度の沿革
(2)教育委員会制度の今日における意義・役割
(3)教育委員会に対して指摘されている問題点とその要因
2 教育委員会の組織及び運営の改善
(1)教育委員会の組織等の弾力化
(2)教育委員の選任の改善
(3)教育委員会議の運営改善・公開
(4)地域住民の意向や所管機関の状況等の積極的な把握
3 教育長,教育委員会事務局の在り方の見直し
(1)教育委員会の使命の明確化
(2)教育委員会と教育長との関係の明確化
(3)教育委員会の自己評価
(4)教育委員会事務局の体制強化
(5)市町村教育委員会の事務処理の広域化
4 首長,議会と教育委員会との関係の改善
(1)首長と教育委員会との関係を見直す際の視点
(2)首長と教育委員会の権限分担の弾力化
(3)首長と教育委員会との連携
(4)教育財政における首長と教育委員会との関係
(5)議会と教育委員会との関係
5 都道府県と市町村との関係の改善
(1)国,都道府県,市町村それぞれの役割と関係
(2)市町村への教職員人事権の委譲
(3)都道府県教育委員会の在り方
6 学校と教育委員会との関係の改善
(1)学校と教育委員会との関係の在り方
(2)学校の裁量権限の拡大
(3)学校評価の改善
(4)学校に対する教育委員会の支援
7 保護者・地域住民と教育委員会・学校との関係の改善
(1)保護者・地域住民の参画
(2)保護者・地域住民への情報発信と要望への対応
8 教育委員会の在り方に関する継続的な検討

この中の、Ⅱの7「保護者・地域住民と教育委員会・学校との関係の改善」の(1)「保護者・地域住民の参画」の項に「とんでもないこと」が書いてある。
(1)「保護者・地域住民の参画」の項は、三つの小項目に分かれており、①は「保護者・地域住民の意向の反映」、②は「保護者・地域住民の学校への協力」、そして、③が「PTA活動の充実」なのだ。
③の全文を引用する。

*****
 保護者の参加する団体としては,従前よりPTAがあり,学校に対する支援を行うなど重要な役割を果たしている。今後,保護者・地域住民の学校の教育活動への参画が進む中で,その役割はますます大きくなるものと考えられる。学校評議員や学校運営協議会の委員の人選の母体としても重要性を増すことになる。
 学校は,PTAを通じ,保護者に対して学校の教育方針や教育活動の実施状況,学校評価結果を説明し,保護者の十分な理解を得るようにし,一方,PTAは,保護者全体の意見を踏まえながら学校に協力していくことや,子どもの教育の当事者として各家庭における教育の充実に取り組むことが望まれる。また,学校はPTAに対し学校評価への協力や参画を促すことも重要である。
 更に,PTA活動の中に地域住民を取り込み,PTAが核となって保護者・地域住民の学校教育への参画を推進していくことが望まれる。
 PTAが学校に協力する際には,学校の求めに応ずるだけではなく,例えば,有志の親の会の結成や学校支援ボランティアの組織化など,保護者や地域住民の自発性を重視した取組を進めることが望まれる。
*****

私が特に見過ごしがたいと思うのが赤字の部分。
これでは、PTAというチャンネルを通してしか学校と保護者は連携できないことになってしまうではないか!
学校と保護者が交流する場所のど真ん中にPTAが場所を占め、そこを通らないでは、学校も保護者も身動きできないような仕組みになっている。
これでは、学校ときちんと連携を取りたいと思う保護者がPTAに関わらない道は、事実上、閉ざされていると言わざるを得ない。違いますか?

文科省は、PTAをこのように位置づけておきながら、よくも「PTAは学校とは別組織の一任意団体に過ぎないから、わたくしたちは口出しできません。どうぞ、ご自分達で解決を。」などと言えるものである(怒)。


だいたい、この文書のロジックにおいては、学校主催の「保護者会」と保護者主導の「PTA」との区別が全然できていないように思う。
ひょっとして、文科省において、「保護者会」と「PTA」の区別はついていないのだろうか!?
(これは、とっても大きな問題だと思われるので、いずれ独立したテーマとしてとりあげたい。)

うちの子どもが通った学校においては、「保護者会」と「PTA」の線引きは曲がりなりにもなされていたので、それらの区別は当然あるものと思っていたのだが、最近、どうもそうでもないらしい気がしてきた…。
(このあたりにお詳しい方、ご教示の程を<(_ _)>)


平成17年と言えば、まだPTA問題が前景化する前である。
ひょっとしたら、文科省のスタンスもその当時とは変わっているのかもしれない。
そのあたりのことも、ぜひ文科省の担当者に聞いてみたいものだ。


なお、この文書の存在は、2ちゃん育児板の「PTAの違法性について5」におけるPTAのあり方とは…さんの発言(>>170)により知りました。あり方とはさん、ありがとうございます。



おまけ
引用の最後の段落にも、「恐ろしいこと」が書いてあるような…。
「PTAが学校に協力する際には,学校の求めに応ずるだけではなく,例えば,有志の親の会の結成や学校支援ボランティアの組織化など」とあるが、「有志の親の会の結成や学校支援ボランティアの組織化」などとこの文脈で言うということは、「PTA」は、有志の会でも、ボランティア組織でもない、ということかい。
本音のところでは、文科省も、PTAは親のつとめ(役割)だと思っているようだ(怒)。
↑誤読だったら、お許しあれ。