和歌山・PTA会費をめぐる指針について朝日新聞にコメント | まるおの雑記帳  - 加藤薫(日本語・日本文化論)のブログ -

和歌山・PTA会費をめぐる指針について朝日新聞にコメント

<和歌山のPTA会費流用問題をめぐり朝日新聞にコメント>2012.07.01
の続報です。

8月30日、PTA会費の使い道に関する指針が和歌山県教委から出されました。
(当初の予定より一カ月遅れです。まとめるのに相当苦労されたようです。)

朝日新聞和歌山総局の平畑記者から今回も取材を受け、拙コメントが掲載されました。

学校経費 実態浮き彫り
◎PTA会費流用/県教委、改善へ新指針
(朝日新聞和歌山版・2012年08月31日)



ここ最近、拙ブログでつらつらと考えてきた「『保護者一人ひとりの自由意思』が担保されることが重要だ」との論点が紹介され、うれしく思っています。

いっぽう、和歌山県教委の見解は、予想通りというべきか、「『会員の総意』があれば受け取ってもいい」というものでした。
これは、先のエントリ(07.16,08.18)でご紹介した、岡山県教委、島根県教委、宮崎市教委等の指針と同様のものと言えます。

学校が保護者からの浄財を受け取る場合、考慮されるべきは、「保護者の総意」なるものなのか、「保護者一人ひとりの自由意思」なのか?
記事の中で、二つのキーワードが対峙したことになります。


PTAの強制加入の問題も、役職の強要の問題も、「保護者の総意」によって成り立っていると言えます。
私としては、「保護者の総意」によって"こと"を進めていくことは到底認め難いのですが、現時点での文科省・教委のスタンスは、「保護者の総意」推しです。
今後、「保護者の総意」なるものをターゲットに考察を進めていきたいと思っています。


話は少し変わりますが、読売の記事にとても注目されることが書かれていました。

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また、(県教委幹部は)校長名で支払いを求めるなど、半ば強制的に行われてきた会費の徴収方法は、「今後学校に指導していく」と述べた。
読売新聞・PTA会費流用、「保護者の意向だ」と教育長(2012.08.31)
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教委が、PTA会費の強制的な徴収に関して「学校に指導していく」としたのは、たぶん「日本初」であり、画期的なことだと思います。
「保護者一人ひとりの自由意思」が担保される方向への動きとして、注目されます。
※記者会見で会費の強制的徴収の問題に関して質問をしてくれた朝日の平畑記者に感謝です。