民主党の政権が駄目だと罵る資格と根拠が自民党のいったいどこにあると言うのでしょうか。たしかに現政権はお粗末のかぎりで、この有事に対処できる能力など最初から持ち合わせておらず、田舎芝居のパフォーマンスと作り笑いと付け焼き刃の知識とテレビ出演の回数でどうにかそれらしく見せてはいたものの、事ここに至ってはもはや馬脚を現すしかないのです。

 ところが、こうした歪みに歪んだ、巨悪が堂々と罷り通る社会基盤を作り上げ、固定化したのは、ほかならぬ自民党だったのです。そのことを忘れてはなりません。民主党はその道を踏襲し、忘れ形見としての付けを払わされているにすぎないのです。つまり、いよいよこれからおいしい話にありつこうとしていた矢先に大震災に出鼻をくじかれ、図らずも正義の実行力を試される羽目になり、ために能力の無さを露呈しているのです。

 根本的な解決策としては、政治家の総入れ替えしかほかに有効な手立てはありません。要するにそれにふさわしい理念と実行力を具えた、真っ当な人物を送り出せるかどうかが鍵になります。でも、果たしてそんな人間がこの国に実在するのでしょうか。仮にいたとしても、それほどの人物がどろどろに汚された政治の舞台に上がってくれるでしょうか。また、かれを選べるほどの選挙民になれるのでしょうか。