経歴や肩書や政策などを参考にする前に、ともあれテレビ画面に頻繁に登場するその顔をとくと見てもらいたいのでうs。恐ろしいことですが、顔はその人物のすべてを物語っていて、たとえ直接口をきいたことがない相手であっても、性格がまる出しになってしまっています。もちろん、顔の造作そのものについて問題にしているわけではありません。
 表情そのものから受ける印象にこそ、どんなに隠しても隠しきれない本心が鮮明に出ているのです。にもかかわらず、大半の選挙民は経歴や肩書やこれ見よがしのパフォーマンスやそれらしい言葉にまんまと騙され、「こんな奴、どこからどう見ても薄汚いインチキ野郎の能無しに決まっているだろうに」という輩のペテンに引っかかって期待過剰な一票を投じるのですが、その結果は当然期待外れになるどころか、裏切られたという挫折感に打ちのめされます。しかも、平気で人を裏切り、政治的理念を単なる出世のための武器としてしか用いないような、そんな人格がすでにして立候補の前に幾度も露呈しているのに、どうしえ毎回毎回この手の候補者を知事や議員に推したりするのでしょう。いったいどこに目を付けているのでしょう。いい歳をしてどこまで愚かなのでしょう。
 民主主義国家をしっかり支える最低条件とは、人を見る目を養っておくことなのですが、しかし、残念ながらこの国の多くの人々は、滑稽なまでにそれが欠落しています。ということは、民主主義という宝物を自ら穢し、無力化し、台なしにして、同じ失敗を幾度となくくり返し、ひいては国全体を疲弊させることになり、いつまで経ってもまともな人物に大切な地位に就いてもらうことができず、呆れ果てた悪党どもや無能者どもを世に送り出すことになるのです。「あんな人だとは思わなかった」などと愚痴る資格もありません。