愛をとりもどせ | 団塊Jrのプロレスファン列伝

愛をとりもどせ

どうも!!流星仮面二世です!!
 
さあ、というわけでございましてですね、今回は6月11日に茨城県の"かみす防災アリーナ"で行われました「NEW JAPAN ROAD ~ Road to STRONG ~」観戦してまいりましたので、その模様をお送りします。
 
さて、それは4月某日。
 
「新日本、6月に茨城来るけど、行く?」
 
と流星仮面三世こと息子へ声をかけます。
 
高校を卒業し、この4月から社会人となった三世。高校時代は部活とコロナ禍という状況下だったのでプロレス観戦は自粛。今年の1.4東京ドームまで3年あまり会場へは行かなかったのです(プロレスの風が吹く場所で)
 
それこそ最後の地方観戦は2019年4月13日に茨城県のつくばカピオアリーナで行われた「Road to レスリングどんたく 2019 開幕戦」(平成最後の家族観戦!!)で、もう4年も前。いろいろ重なって不遇なときを過ごしてしまいましたが、今はもう部活はもちろんないし、新型コロナもかなり落ち着いてきたから久々の地方観戦にはさぞ歓喜を上げるだろう。と、思いきや
 
「明日の両国(この日は4月8日のサクラジェネシスでのオカダとSANADAのIWGP戦の前日)の結果によるかなぁ・・・でも行く、かなぁ」
 
という、なんとも微妙な返事が・・・
 
そう三世、この4年あまりでプロレスの他、いろいろなスポーツに興味がわき趣味とするようになったのです。好きなものはNBA(ご存じアメリカのプロバスケットボールリーグ)とMLB(大リーグ)。日本のプロ野球だとソフトバンクホークスがお気に入りで、さっそくのお給料で大型テレビを買い込んでは部屋で日々観戦しては満喫しているのです。
 
今でももちろんプロレスも見ていてオカダも好きです。が、他のスポーツのおもしろさに気づくとプロレス自体への情熱は以前よりはやや薄れてしまった感じなのです。
 
「(試合は)ずっと追ってはいるんだけど・・・」
 
とはいうものの、やはり以前ほどではありません。他のスポーツへの興味が増したこともありますが、加えて現在の新日本プロレスの流れにおもしろさを感じられなくなってしまった、そういった感情が隠せない感じでした。
 
そういや、今年の1.4の東京ドームも声出しオーケーながらついに一言も発しなかった。格好は私服で応援タオルすら持ってなく、プロレス観戦にして被ってる帽子はモロMLBのだったしな・・・
 
「シャツとかサイズ合わなくなっちゃったからね」
 
しかしながら三世は、もう何年もプロレスグッズには手を出していません。NBAやMLBグッズは海外からも取り寄せるほどなのに・・・

でも、まあよろしい。とにかくキミも社会人。働くようになったんだから、理由がどうあれプロレス行くとなったからにはチケット代はもらうぞ。さあ、あ、さあさあ。
 
すると、ニコ~っとする三世。な、なんだそれはぁ・・・?まさか得意の「しれ~っと」で出してもらっちゃおうって算段かぁ!?
 
でも、いやぁわかるぜ。車も買ったし、スマホ代もあるし友達とも遊ぶからキツイんだよな。社会人になり、これまで知らなかったことが負担になっていくんだ。金はなく、時間と体力があるのが若き頃ってもんさ。だから・・・特リンのチケット8,500円、出してやろうじゃないか。
 
ただし!!今回の観戦でプロレスグッズを身につけていかないんだったら話は別だ。その場合はチケット代は耳そろえて払ってもらうぞ。さあ、三世どうする!?
 
「うーん・・・」
 
こうして当日。そろそろ家を出ようかと声をかけると、シャツこそ普通のTシャツでしたが、三世のその頭には「CHAOS」の文字が燦然と輝くなつかしの帽子が!!
 
そうこなくっちゃな!!最近お気に入りのサンディエゴ・パドレスやレッドソックスの帽子よりよっぽどお似合だぜ。では行くぜ、神栖!!
 
ということで、今回の会場となる場所をご紹介したいと思います。まず茨城県神栖市ですが、ここはJリーグの鹿島アントラーズで有名な鹿嶋市に隣接している、茨城県でも最東南に位置する市なんですね(この市もアントラーズのホームタウンとなります)
 
特色としては鹿嶋市と連なって広がる、県内で最大の工業集積を誇る鹿島臨海工業地帯の存在です。その企業数は約160社という壮大な規模。有名どころを上げるとエーザイ、花王、日本製鉄、そして大型タンカーの往来とコンビナート群が圧巻の鹿島石油、東京電力・鹿島火力発電所と、大企業が名を連ねます。
 
かみす防災アリーナは、そんな神栖市にある神栖中央公園内に2019年6月に総工費170億円を掛け防災拠点として作られた施設なんだそうです。館内にはこの体育館の他、プール、トレーニング室、音楽ホール、入浴施設、ショップなどがあり多目的施設としてかなりの充実性が見れます。デザインもかなり斬新で、建物としては他に類を見ない素敵な外観となっています。ご興味ある方は見てみてくださいね(かみす防災アリーナ)
 
ということで、消えかかったプロレス愛は甦るのか!?試合です!!
 
第1試合 10分1本勝負
田口隆祐vs中島佑斗
 
これはいい試合でしたね。田口がお笑いなく、意外なほど正統派のテクニックで攻めました。それに対応していく中島。髪型がアフロで独特なんですが(今は若手でも髪型自由なんですかね?)それはさておき、この中島選手はヤングライオン時代のですね、橋本をどこか彷彿させるんですよ。随所に格闘技の技術入ってる動きしていて、またそれが真っ直ぐで。先々楽しみな選手が出てきたなと思いました。試合中の間でうぉー!!って声出してましたが、そんな間はいらないですよ。もったいない。もっと淡々とファイトすれば、またちがったファン層がつくと思います。楽しみです。
 
第2試合 20分1本勝負
本間朋晃、真壁刀義vsボルチン・オレッグ、大岩陵平
 
実は今回、一番見たかったのがこのオレッグ選手でした。1.4で見まして、興味が湧きまして、近くで見てみたいとずっと思っていたんです。

今回は最前列だったのでかなり近くで見れたのですが、出てきたとたん三世とハモったのが
 
「下半身、すげぇ・・・!!」
 
でした。
 
もちろん上半身も僧帽筋から首回りから肩、腕。とんでもなくスゴいんですが、目が行くのは下半身ですね。とにかくこの大臀筋から大腿四頭筋がですね、ものすごい大きい。筋肉が太いんですよ。もうボクら親子は口あんぐりでした。
 
コーナーに立つオレッグ。その肉体と佇まいは、どこかカレリンを彷彿させる。早くも貫禄十分だ
 
で、オレッグ。プロレスなんですが、デビューが今年の4月の2日ということなので仕方ないのかもしれませんが、プロレスは普通のヤングライオンのそれと同じでした。

そう仕方ない・・・のはわかるんですけど、ちょっとそれではもったいないかな~と・・・どうせならレスリングカラー全面でいいんじゃないんですかね?これだけの人材が他のレスラーと同じようにエルボーの打ち合いしたり試合中にうぉー!!って無駄に声出してやるようになってしまうのはもったいない。先々、今のレスラーと同じようにはなってほしくないなぁ・・・1.4の観戦記のときも書いたのですが、ダイナマイト・キッドのようなファイターになってほしいですね。本当、期待してますよ~。
 
あと、大岩選手。この選手もいいですね~。オープナーの中島選手は橋本ぽかったですが、大岩選手はどこかヤングライオン時代の船木を彷彿させますね。大岩も中島も、先々は海外遠征して凱旋してトップ戦線へと進んでいくんでしょうけど、なんというんですかね~。変わってほしくないなぁと、思いました。このカラーのまま進んでいって今の新日本の形を壊してほしい。新しいもの見れるようになるといいなぁと思いました。
 
第3試合 20分1本勝負
タイガーマスク、マスター・ワト、矢野通、後藤洋央紀vsディック東郷、SHO、高橋裕二郎、“キング・オブ・ダークネス”EVIL

これは、うーん、うーん・・・うーん・・・としか思えない試合でした。なんというんでしょうかねぇ・・・「うーん」なんですよねぇ・・・
 
第4試合 30分1本勝負
フランシスコ・アキラ、TJP、アーロン・ヘナーレvs外道、クラーク・コナーズ、ダン・モロニー
 
これはすごかったですね。アキラ、TJPとコナーズ、モロニーの攻防がとにかく激しかったです。外道とヘナーレはほとんど出番なし・・・というかそっちのけ。もはや視界に入ってない感じで4人で技の攻防をバチバチにやり合ってました。これは純粋にこの4人のタッグマッチが見たいという気持ちになりますね。熱くおもしろく見れました。
 
第5試合 30分1本勝負
オスカー・ロイベ、YOSHI-HASHIvsゲイブリエル・キッド、アレックス・コグリン
 
久々にゲイブリエル・キッドを見ましたが、いいですね。以前よりエッジが増している気がします。そのキッドとアレックス・コグリンのタッグはチームワークがよく、ゴング前の入場からYOSHI-HASHIを場外で奇襲、粉砕。ロイベを孤立させ攻めます。しかもこのロイベへの攻めが一切妥協なくものすごい。半ばかわいそうにすらなってくるくらい激しいものでした。しかし、これがロイベを引き立たせます。反撃では2メートルという長身からのカウンターのハイキック。そして3度目のトライでやっと成功したボディスラムは大声援となりました。試合もそうでしたがヤングライオンであるロイベの"頑張り"が観客席を捉えていて、引き込まれる試合でしたね。このロイベという選手、今後の育ち方次第でおもしろい存在になりそうです。

第6試合 30分1本勝負
YOH、石井智宏、棚橋弘至、オカダ・カズチカvsエル・デスペラード、成田蓮、海野翔太、天山広吉
 
さて、ここまで落ち着いて試合を観戦していた三世。しかしこの試合は赤コーナー側の真後ろの特リン最前列にて、久々に間近でオカダの姿を見る形となります。
 
入場からコールでのレインメーカーポーズ。しかし、もはや冷静な三世。今年の1.4でも、ついに声を発することがなかった。まさか、今日もなのか・・・?あの日、あのとき、あのプロレス。なぜそんなに静かなんだ?あんなに好きだったオカダがこんな近くに、目の前にいるのに・・・(73億人の中のふたり)
 
もう三世にとってプロレスは、オカダは遠い日の花火になってしまったのでしょうか?

しかし、先陣をかって出てからしばらくエプロンにもたれ出番がなかったその時間帯。長く見つめていた男の背中から発せられた何かに、眠れる獅子が目覚めたか!?
 
その背中が、三世に何かを!?

それはこの日、2度目の出番となったオカダのリングインを目にしたときでした。
 
「オカダぁー!!!!!」
 
沈黙を守っていた男の突然の咆哮!!まさに爆風のごとく会場内に響き渡るそれは、4年ぶりに聞く三世渾身のシャウトでした。そして放たれしオカダのドロップキックに腕を振るい歓喜するその姿・・・
 
そうだ!!それを待っていたんだ!!
 
NBA、MLB、ソフトバンク、よく見ていろ。これがプロレスのパワーだ!!プロレスファンは、絶対に還ってくる!!んだよーんぉぉー!!

今は IWGP王者ではないけれど、三世は心のどこかで返り咲いてくれることを願っているはず。またいつか、あの12回もの防衛ロードを果たした頃のオカダの姿を見ることを願っているはずです。その願いが叶う日が来ることを、そして王者へ声が枯れるほどの大声援を送れる日が来ることを・・・願っています。
 
第7試合 30分1本勝負
TAKAみちのく、DOUKI、金丸義信、タイチvsBUSHI、高橋ヒロム、辻陽太、鷹木信悟、SANADA、内藤哲也
 
さて、メインイベントです。IWGPの王者となって初めてSANADAを見ました。その姿には、まだちょっとベルトに負けているかな?という感は否めませんでしたが、まだまだこれから。器用で万能。他のレスラーとは混ざらない個性のあるプロレスをするレスラーなので戦いで王者としての格を上げていって、このモデルのIWGPはSANADAというくらいになるよう、がんばってほしいですね。

ということで振り返ってみますと、この日は今年に入ってから見られるようになったノアや全日本との交流はなく純粋な新日本の戦いだった、ということで自分にとってはすごくおもしろかったです。特によかったな~と感じたのが先にも書きましたヤングライオン勢の戦いぶりでした。現在のヤングライオン、近年稀に見るいい選手が揃っていて、ちょっと80年代の新日本のヤングライオンを彷彿させるような、本当に今後が楽しみと感じることができるものでした。

一方のベテラン勢も、SANADAは今では使う人もいそうでいないドロップキックの連射を見せロスインゴを蹴散らし、真壁はトップロープからニードロップ、棚橋もトップロープからのハイフライ・フローと地方とは思えない豪華なフィニッシュを繰り出しては会場を賑わせて楽しませてくれました。やっぱりプロフェッショナルなんだな~と、感無量となった次第です。

ということで久々の地方観戦はすごく楽しかった、のですが・・・冒頭でも書きましたが、正直なところ、この2、3年で新日本から遠ざかってしまったファンは三世だけではなかったのではないかなと感じています。

それはなぜなのでしょうか?やはりコロナ禍の影響があったからなのでしょうか?

確かに、それは大きかったかもしれません。でも、それだけではない何かの原因が、現在の新日本には少なからずあったのではないかなと思えてならないのです。それは、たとえば人気選手がいなくなったり、ファンが、いやレスラーさえも望んでいない展開、方向にどんどん向かっていってしまったり・・・そんな、以前のようにファンがのめり込めない、楽しめない原因が発生してしまったから、だったのではないかなと考えてしまうのです。

でもプロレスそのものがおもしろければ、離れても必ずまた還ってくるはずです。そう、離れたファンは、本当は離れたのではなく望んだものを待っているだけなのではないかなと・・・そう思うのです。今回はそれを特に強く感じました。

他団体との交流。新しい選手の台頭。いいことです。でも一番はやっぱり、プロレスはおもしろくなければならない!!ということです。そんなプロレスに出会いに、また行こう!!

最後まで、ありがとうございました。