厚生年金期間と共済年金期間がある人が年金を早めに貰うとこうなる!(年金の一部繰上げ) | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

厚生年金期間(民間企業)と共済年金期間(公務員)がある人が、実際の支給開始年齢よりも早く年金を貰う年金の繰上げをした場合どうなるかを見てみましょう(^-^)/
まさに血ヘド吐きそうなネタかもしれませんが、よーく見てみると繰上げって大したことないんです(^^;;
むしろ楽しい…かも。

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昭和28年2月生まれ(今月63歳)の女性を例で。


この女性に例えば、20~40歳まで共済年金期間(240ヶ月)があり、40~55歳まで厚生年金期間(180ヶ月)55~60歳まで国民年金第1号被保険者期間(60ヶ月納付済み)であったとします。



で、この人は女性なので厚生年金(報酬比例部分)は60歳から貰ってて64歳から更に厚生年金(定額部分)が増えます



反対に、共済年金(報酬比例部分)も60歳から貰ってますが定額部分は支給されません(共済年金の支給開始年齢が男性の厚生年金支給開始年齢と同じだから)。
※年金支給開始年齢(日本年金機構)


まあ、全部繰上げと一部繰上げという2つの繰上げの方法がありますが、あえて今日は年金の一部繰上げで(^-^)/



※女性データ
63歳時点で貰ってる厚生年金(報酬比例部分)300,000円。
63歳時点で貰ってる共済年金(報酬比例部分)が500,000円
⬆︎
年金の繰上げをしなければ、年金総額はこの800,000円のみ。


その後、


64歳から厚生年金(定額部分)が、1,626円(定数)✖️180ヶ月=292,680円がプラス
65歳から老齢基礎年金780,100円÷480ヶ月×(180ヶ月➕240ヶ月➕60ヶ月)=780,100円(満額)がプラス



さて、この人が今月に年金の一部繰上げで老齢基礎年金や定額部分を早めに貰う事になった場合一体どんな事になるんでしょうか?
共済年金と厚生年金があるから面倒くさそうなイメージがありますが、1つ1つ見ていきましょう




まず、64歳から貰う厚生年金の定額部分63歳から貰うとすると、292,680円×(12ヶ月÷24ヶ月)=146,340円⬅︎64歳から65歳までの12ヶ月間で貰う定額部分の年金を63歳から65歳までの24ヶ月間で貰うようにしただけという意味の計算。



で、老齢基礎年金の貰い方が問題なんですよ。


まず、繰上げに使う老齢基礎年金を厚生年金期間と共済年金期間とで分け合わないといけません(按分)。


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※厚生年金の繰上げで使う老齢基礎年金。
780,100円✖️厚生年金180ヶ月÷(厚生年金180ヶ月➕共済年金240ヶ月)=334,329円
⬇︎
※補足
厚生年金180ヶ月÷(厚生年金180ヶ月➕共済年金240ヶ月)の意味は、厚生年金期間と共済年金期間全体に対して、厚生年金期間がどのくらいの割合であるのかを示しています。



※共済年金の繰上げで使う老齢基礎年金。
780,100円✖️240ヶ月÷(180ヶ月➕240ヶ月)=445,771円



この334,329円と445,771円とを別々に繰上げします。334,329円と445,771円足したらちょうど780,100円。



で、まず厚生年金の割合で出した老齢基礎年金「334,329円」を一部繰上げすると、65歳から貰う老齢基礎年金をさっきの定額部分の割合(12ヶ月÷24ヶ月)分を残さないといけないので、334,329円×(12ヶ月÷24ヶ月)=167,165円⬅︎これが65歳から貰う老齢基礎年金。



そして、残りの一部167,164円➡︎(334,329円➖167,165円)を63歳から65歳より24ヶ月早く貰うため、24ヶ月✖️0.5%=12%減額
(年金の繰上げは1ヶ月早めに年金貰うごとに0.5%減額)


よって、167,164円✖️(100%➖12%)=147,104円



次に共済年金期間の割合で出した老齢基礎年金「445,771円」ですが、こちらは定額部分がもともと無いので、その金額をそのまま24ヶ月早く貰うから12%減額する(24ヶ月✖️0.5%)。
445,771円✖️(100%➖12%)=392,278円



63歳時点で貰う繰上げ老齢基礎年金は、147,104円➕392,278円=539,382円



よって、63歳から貰う年金総額は、厚生年金(報酬比例部分)300,000円➕共済年金(報酬比例部分)500,000円➕厚生年金146,340円(定額部分)➕繰上げ老齢基礎年金539,382円=1,485,722円(月額123,810円)



この金額が65歳まで続きます。



じゃあ65歳からの年金はどうなるか。
65歳から支給する老齢基礎年金を確保してましたよね。
167,165円を。
これが65歳からプラス。



そして忘れてはいけないのが、65歳からの年金を計算する時は必ず※経過的加算という年金を計算しないといけません
※経過的加算(参考記事)
※経過的加算(日本年金機構)



65歳まで定額部分が出ますが、定額部分は65歳以降は老齢基礎年金に移行します。


で、ちょくちょく言ってますが定額部分から老齢基礎年金に移行すると65歳以降の年金額が下がってしまうんです。
下がらないために経過的加算という年金で埋め合わせをします(^^;;面倒くさいですねー



厚生年金の経過的加算➡︎1,626円(定数)✖️180ヶ月➖780,100円÷480ヶ月✖️180ヶ月=292,680円➖292,537円=143円(全体の厚生年金期間に対して、20~60歳の期間と重なる部分を引くという意味)


共済年金の経過的加算➡︎1,626円✖️240ヶ月➖780,100円÷480ヶ月✖️240ヶ月=390,240円➖390,050円=190円(全体の共済年金期間に対して、20~60歳の期間と重なる部分を引く)



①➕②=333円(65歳からの経過的加算)



※この人の共済年金には定額部分は全く無いですが、経過的加算を算出する為、必ず定額部分(1,626円✖️共済年金期間)を計算しないといけない。



よって、65歳からの年金総額老齢厚生年金(報酬比例部分)300,000円➕共済からの老齢厚生年金(報酬比例部分)500,000円➕経過的加算333円➕繰上げ老齢基礎年金539,382円繰上げ無しの老齢基礎年金167,165円=1,506,880円(月額125,573円)


63~65歳まで支給されてた定額部分は老齢基礎年金に移行するので消滅します


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