みてみぬふり | 野良保護『うちんく』猫と私と幸せ日記

野良保護『うちんく』猫と私と幸せ日記

猫との出会いで人生が変わった
ありがとう猫達

みてみぬふりができる人になりたい

そしたら 生きていくことが どれほど楽になるだろう

みてみぬふりができる人  無関心でいられる人になりたい


今朝 車にひかれて息をひきとった猫ちゃんは
お墓のなかに入りました

黄緑の首輪で銀色の鈴がついていたから 名前を勝手に鈴ちゃんにしました
本当の名前を呼ばれて 本当は飼い主さんの腕の中で最期を迎えたかっただろうに

何度も私を山吹色の可愛らしい目でみあげていたけれど どこの誰だかわからない私が怖かったのかもしれないけど  怖がるより痛くてたまらなかったのかもしれない
モルヒネが効いていたのかどうかもわからない

多分女の子だと思います
余裕がなくて確認もしてやれなかったけど
骨格が うちのお嬢さんくらい小さかったし
でも 子供を産んだ形跡もないようなお腹していたから きっと飼い主さんに避妊手術もしてもらっていたんだと思います
引かれていた辺りのお家を総当たりしたけど
結局飼い主さんには出会えなかった

もしかしたら遠くから迷子になっていたのかもしれないなって思ったのは 死後ノミがたくさん顔に集まってきていたから
ノミって宿が死んだら解るのかな?

鈴ちゃん お腹すかせてなかったかな
喉かわいてなかったかな
考えれば考えるほどに泣けてきて 号泣してしまいました


実家にお墓を作ってあげようと 穴をほっていたけど 土がかたくて かたくて  大変で 困っていたら  朝っぱらから何事かと 隣で作業していた親戚のおじさんがきて  事情を話したら  呆れた顔しながら  一緒に穴をほってくれた

お祖父さんの一番下の弟で もう80才も超えているのに  工事現場のオジサンが使う穴をほる道具を作って 穴をほってくれた

可哀想にのうって  南無阿弥陀仏って唱えてくれた

だから鈴ちゃんは 阿弥陀如来様がすぐと 極楽浄土に連れていってくれたと思います


今日 私は死にたくなるほど辛く 悲しく そして悔しかったです
私は死にたいって 自分のことで 思わないけど 今日は無力すぎて 本当に本当に  いっそこんなに心が苦しいなら 死んでしまいたいと思いました

それでも私は今日 鈴ちゃんのおかげで たくさんの優しさに触れることができました

まず動物病院の先生です
早朝にもかかわらず 事情を話したらすぐ鈴ちゃんをみてくれました

それから 飼い主さんを探して  早朝からいきなり迷惑なピンポンを鳴らされても  嫌な顔もしないで どこのお宅の方も 接してくれました

あそこのお家が猫を飼っていたはずとか この先の工場のお家が何匹か猫を飼っているとか親切に教えてくださいました

中には  もうダメなんだから 引かれた辺りに置いておけば?って言う人もいましたが  泣き顔で鈴ちゃんを どうにもできない私を  ふびんに思って言ってくれたんだと思います

何軒ものお宅で  まあご丁寧にって 言われましたが   ご丁寧に対応してくださったのは 訪ねたお宅のすべての皆様のほうだと思います


それから 死んでしまった鈴ちゃん
二件目の病院が開院すると同時に息をひきとりました

私が お金持ちじゃないってわかったのか 二件のドアを開けることがないまま息をひきとりました

そこは自宅開業ではない医院なので 開院までひたすら留守番電話の対応だったから 前で開院まで待つしかなくて 待っていたんです

開院のブラインドが引き上げられている最中 鈴ちゃんは息をひきとりました

頭の中で いっぱい考えました
私の猫ちゃんじゃないけど  でも治療にたくさんお金がかかったりとか もしか飼い主さんがみつかっても  鈴ちゃんが 半身不随とか 障害が残ったりして  引き取り拒否とかされたりとかしても  これは縁だから  私が引き取ろうとか  先に飼っている二匹と仲良ししてくれるだろうかとか    

もうダメって言われたけど まだ生きていたから もうダメって信じたくなかった

生きて欲しい願いも  亡くなる前に飼い主さんに会える願いも かなわなかったけど   鈴ちゃんは  私が困らないように   開院して診察を受ける前に 息をひきとりました

優しい子だなって思います


今日は死にたくなるほど辛くて悲しくて悔しかったけど   そんな私に  たくさんの優しさをプレゼントしてくれた鈴ちゃんです

ありがとう


仏教には輪廻転生と言う言葉があります

今日はこの言葉に救われました


苦しげに息をひきとった鈴ちゃん  
きっと その瞬間  どこかで新しい命として誕生したに違いないって




こんな茶色いトラ猫で  黄緑の鈴のついた首輪をしていました

山吹色の可愛らしい目をしていました

鈴ちゃん  車にひかれて痛くてたまらなかっただろうけど  頑張って頑張って最期を迎えました


そんな鈴ちゃんに私は優しさをたくさんプレゼントしてもらえました


犬や猫を平気でひき逃げしたり  明らかにひかれても まだ道路で生きている犬や猫を  みてみぬふりして  大きく避けて 何事もなかったように自分の行く先へ向かうような人になれたら  生きていくことが どんなに楽になるだろう


それでも私は 自分が泣くことになっても  みてみぬふりは出来ないし しない

無関心になれない


だって私には心があるから


なんだってそうだけど 一瞬は一瞬しかないんだから 自分がいまそのときできることがあるならば  そのときできることを そのときできる限り やらなければ 生きてないのと同じだと思うから

私は今日 自分にできる限りのことをした

無力すぎて死にたくなったけど
後悔はない


鈴ちゃんとの数時間は私の人生の一瞬だけれど 宝物の1つになりました

鈴ちゃん ありがとう!
どうか新しい命として幸せに生きてください



今朝 お金を持ち合わせて無くて  先程
朝 鈴ちゃんにモルヒネを打ってくれた動物病院にお支払しに行きました

経緯を話しました
名前でもわかれば 良かったのにと先生はおっしゃいました

いまはマイクロチップが埋め込むことができますから  出来るなら ペットに名前がわかるようにしてあげてください


私は 20年前は 猫が嫌いでした
怖くて

生まれたときから犬がそばにいたし 母や父も犬派だったから  猫はなんだか 怖かったんです

20年近く前に  私は道路でひかれていた猫を
今日と同じように この病院に抱えてきました
あの日はこの病院にきたときに猫は死んでしまったんです

あれから急に猫好きになりました

先生にそのときの話をしたら 20年前かー僕が二十歳のころの話やなって
思わず私は笑ってしまいました
先生は初老はとうに越したお年なので


お通夜より酷い顔をした私を笑わそうと言ってくれたんだなと解りました

このカレンダーの猫ちゃんが たまたま今朝の猫ちゃんに似ていたから 先生がくださいました

今日は心が ものすごく疲れたけれど
結局のところ 私はたくさんの優しさに触れることができたから

一生懸命生きているって こういうことなんだと思います

みてみぬふりして生きていけたら どんなに楽になるだろう

それでも私は泣きながらでも 一生懸命自分にできることを一生懸命していきます


長々かいた文章を閲覧ありがとうございます