『キングスマン』お酒を解説。スパイはマティーニか? | まじさんの映画自由研究帳

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想像以上に見事な映画だった。リアル路線ではなく、スパイは国紳士であるという原点に立ち返り、過去のスパイ映画にオマージュを捧げつつ、ワクワクするようなアクションが炸裂する。文字通り頭がブッ飛ぶような爽快感が得られる見事な作品であった。
『キック・アス』で実証済みの、いちいちカッコイイ音楽も抜群で、思わず熱くなる。英国の第二国歌と言われるエルガーの「威風堂々」は今後、耳にする度にこの映画を思い出してしまうだろう。
スパイグッズの活躍も見所だが、洗練されたデザインの英国ブランド品の数々も見逃せない。
そしてもう一つ、スパイ映画に欠かせないもの…それはである。


「スパイはマティーニか?」
「いやスコッチだ。12年物以上に限る」
と、彼は18年物のグレンリベットをグラスに注いだ。



これは、トニー・スコット監督のスパイの師弟関係を描いた『スパイ・ゲーム』の中に出てくる、ブラッド・ピットとロバート・レッドフォードの会話である。

スパイ映画には、マティーニがよく似合う。だが、マティーニだけではない。良い酒を知る事は、紳士の嗜みなのである。

映画007シリーズの中でジェームス・ボンドマティーニを好んで飲む事から、スパイ映画ではマティーニが出てくるようになった。だが、ボンドはマティーニだけではない。ボンドはスコッチの目利きもなかなかのものである。
彼は、差し出されたオリジナルのブレンドウィスキーをひと舐めして

ボウモアが多すぎる」

と一蹴した事がある。この短いセリフで、ブレンドウィスキーのキーモルトを見事に言い当てた上、その味わいを批評し、好みではないので、いらないと言っているのである。ボンドが、マスター・ブレンダー並みのである事がわかるシーンだ。
マティーニにもこだわりがある一流の男は、スコッチ・ウィスキーの好みにもうるさいのだ。

今回は、詳細なレビューは他の人に任せて、オイラは映画『キングスマン』の中で登場するを追ってみる事にしよう。


・スコッチ・ウィスキー
「ダルモア62」
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『キングスマン』は冒頭でスコッチ・ウィスキーが登場する。しかも、とんでもなく凄いヤツだ。62年物のダルモアである。ダルモアはスコットランドのハイランド地方の蒸留所で1839年に創業。良質な麦が穫れる産地で、鹿狩りの名所としても知られる北ハイランドの地にあり、特徴的な鹿の顔がデザインされた、ベル型のボトルが一般的である。バーボン樽とシェリー樽を主体に熟成した、独特のコクとバニラの様な甘味が特徴のウィスキーだ。少し加水すると、のような香りが立つと言われている。
映画に出てくる「ダルモア62」は、2006年にシンガポールのチャンギ空港で、12本のみが限定販売され、話題を呼んだ。正規販売品としては、世界最高額のスコッチ・ウィスキーである。
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最初の1本は、約650万円で販売され、その後、物価やレートの上昇とその希少性などから、2011年に最後の1本が売れた時には、なんと1500万円で売れたというとんでもない酒だ。ちなみにこの値段は免税店での販売価格なので、非課税であるというから恐ろしい。62という数字は、熟成年数で、1962年という意味ではない。(※追記参照)樽の中で62年間も眠っていたのだ。こぼしたら罪どころの話ではないシロモノだ。コレを飲ませて貰えると聞いたアーノルド博士が、一発で気が変わるのも頷ける話なのだ。

因みにハリーが愛飲していたウィスキーも、傍らにあったボトルの形から、ダルモアであると推察している。恐らくは18年物か21年物ではないだろうか?



・ワイン
「シャトー・ラフィット・ロートシルト 1945年」
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ハリーがヴァレンタインの私邸でワインを飲むシーンもあった。オイラはワインについては明るくないので、行きつけのBarのソムリエにご教示頂いた。

シャトー・ラフィット・ロートシルトは、ボルドーワインの最高級ブランドである。ロートシルトとは、かの大財閥ロスチャイルド家の事で、そこが所有するワイナリーである。
ボルドーはフランスのジロンドで作られたワインだけが名乗る事ができるブランドで、世界でも有数の産地として知られている。ラフィットは、その中でも取り分け品質の高いメドック地方にあり、葡萄の品種は、主にカベルネ・ソヴィニョンを中心に栽培している。ボルドーは12~15世紀まで英国領となった時期もあり、ボルドーワインは、古くから英国人に愛されてきた歴史がある。フランスの宮廷ではブルゴーニュワインが主流だったが、18世紀になって評価され、ヴェルサイユ宮殿でもボルドーが出されるようになりフランスでも脚光を浴びるようになった。中でもラフィットは「キングのワイン」と呼ばれた最高級ワインである。
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ワインのラベル表記年数は葡萄を収穫した年で、この映画に出てくるボトルの1945年は終戦の年に当たる。ナチスドイツに占領されていたフランスが返還され、摂収されていたラフィットもロスチャイルド家に戻った年である。ナチスの占領下においてもラフィットは、ワインを作っていたのだそうだ。

そんなワインを劇中で、ビッ◯マックに合わせて飲んでいたと、そのソムリエに話してみたら「合うわけないだろ!ふざけんな!」と怒られた。ラフィット’45は、80~300万円くらいするらしい…。
ヴァレンタインハリーがデザートにいいと言った、甘口の白ワイン、シャトー・ディケム1937年トゥインキーの事を、ソムリエに聞くのは止めておいた…。

ちなみに劇中、このシーンの最後でハリーは、

Thank you for such a "Happy meal".
「“楽しい食事”をありがとう」

と、ジョークを交えた挨拶をする。
"Happy meal"とは、マクドナルド「ハッピー・セット」の事である。



・ブランデー
「ナポレオン 1815年」
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『キングスマン』ではメンバーに殉職者が出た時に、1815年のナポレオンで献杯する伝統がある。

ナポレオンとは銘柄ではなく、ブランデーの等級である。ウィスキーの原料が穀物であるのに対して、ブランデーは果実酒を蒸留して作られる。地域的なブランドとして、コニャックアルマニャックがあり、その他は、ただのブランデーである。
V.O.→V.S.O.P.→ナポレオン→X.O.の順で熟成度と品質が高くなる。コニャックの場合、V.S.O.P.は5~10年、ナポレオンは7~30年、X.O.は10~50年以上の最低熟成年数を経たものを使用してブレンドされる。残念ながらキングスマンのブランデーは、デキャンタに移し替えていたので、ブランデーの銘柄は特定はできなかったが、蒸留年が特定されているという事から、ブレンドしていない樽出しである事がわかる。

収穫した年によって葡萄の味が変わるように、樽にも個性があり、熟成の仕方に誤差が生じる。長期熟成となると更にその差は開く。そこで味の均一化を図る為、年数の違う複数の樽をブレンドするのが通常だ。熟成の年数も違い、樽の個性も違う酒を複数使って、毎年同じ味の酒を作るのは、マスター・ブレンダーの腕ならぬの見せ所である。
ウィスキーの場合、表記される熟成の年数は、ブレンドに使用したものの中で一番若い熟成年数となるが、ブランデーの場合は熟成の年数を表記せず、上記の等級で表す事になっている。しかし、中には奇跡的に素晴らしい味に仕上がった樽も出てくる訳で、そういう樽はブレンドせずにそのまま瓶詰めされる。その場合のみラベルに蒸留年が表記され、レアな限定ボトルとして出荷されるのである。
アーサーが、「1815年のナポレオン」と言ったのは、ヴィンテージと言うだけでなく、樽出しの貴重なブランデーだという意味だ。

1815年というのは、ワーテルローの戦いで、英国オランダ連合軍が、フランス皇帝ナポレオン1世の軍を打ち負かした年だ。確かに英霊を讃えるのに相応しい年号のブランデーである。

おそらく仕立て屋のキングスマンが創業した1849年に、開店記念で購入(多分ケース買い)したナポレオンで、スパイ稼業を始めた1914年以降に、最初の殉職者に捧げた事から、このブランデーで献杯する伝統が生まれたのであろう。ワーテルローから、30年前後の熟成を経たブランデーが、200年の時を経て、今なお伝統に従って飲まれている事は、実に感慨深い。


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余談だが、仕立て屋の試着室が、スパイ組織に繋がる秘密の入り口になっているという設定は、1960年代に人気を博したアメリカのスパイ・ドラマ『ナポレオン・ソロ』へのオマージュである。また、飛出しナイフ付きの靴に「昔は電話も仕込まれていた」とのハリーのセリフは、やはり同年代のスパイ・コメディ『それゆけスマート』に登場する秘密道具を指している。

マシュー・ヴォーン監督のかつての親友、ガイ・リッチー『ナポレオン・ソロ』をリメイクした『コードネームU.N.C.L.E.』が、間もなく公開されるのも、非常に感慨深い




・カクテル
「マティーニ」
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マティーニカクテルの王様と呼ばれており、その歴史は1910年、ニューヨークのニッカポッカー・ホテルのバーテンダー、マルティーニ氏が考案したとされている。ジンとベルモット4:1でステアし、オリーブを入れたグラスに注ぐ、シンプルなカクテルだ。しかし、シンプルなだけに奥が深く、ステアはただ混ぜている様に見えるが、氷が溶けすぎない様にコントロールする技術が求められる。また、ドライ・ジンをベースにベルモットを少なくしたドライ・マティーニというバリエーションなどもあり、ベースとなるジンの種類や副材によって、その味も大きく変わる。その為バーテンダーそれぞれに、こだわりのマティーニが存在する。バーテンダーの腕前が試されるカクテルと言われている。

マティーニ好きの客は、初めて入ったBarで、腕前を測りに来たと悟られぬよう、何杯目でマティーニをオーダーするかの駆け引きを楽しんだりするのである。

ジェームス・ボンドは、そのベースをジンではなくウォッカに変えたウォッカ・マティーニを注文する事で有名だ。

“Vodka Martini, Shaken, not stirred”
「ウォッカ・マティーニを。ステアではなくシェイクで」

有名なセリフである。
レシピを変えるだけでなく、作り方も変えた意表を突かれるマティーニに、誰もが驚き、瞬く間に映画の世界と酒呑みの間に広まった。
更にボンドは『カジノ・ロワイヤル』の中で、後にヴェスパー・マティーニと呼ばれるカクテルをオーダーする。

ジンウォッカを3:1、キナリレを1/2をよくシェイクして、シャンパングラスに注ぎ、レモンピールを入れてくれ」

と、細かな指定を入れている。
即興で思い付いたレシピを作らせ、味を確かめてから傍らの女性の名前をカクテルに付けるという、ボンド流口説きの高騰テクニックを披露する場面だ。

この時のバーテンダーの仕事に注目してみると、レモンの皮をただ入れるのではなく、綺麗なスクリューカットしたレモンの皮を、グラスに沈めて提供している。いい仕事だ。オーダーに応えつつ、空気を読んで客の期待のちょっと上行くデコレーションを施したのだ。
このように良いバーテンダーは、客の注文に応えながら、小さなサプライズを提供したりする。コレがBarの楽しみのひとつだったりする。

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さて『キングスマン』では、敵のアジトに潜入したエグジーが、パーティ会場でマティーニを注文するのだが、このセリフは、ボンドの注文の仕方の韻を踏んでいるのが面白い。

“Martini, Gin, not Vodka,Obviously.”
「マティーニを。無論、ウォッカでなくジンで。」

と、言ってのけ、更に細かな好みを付け足す。

ベルモットは入れず、ボトルを10秒間、かすめ見ながらステアで」

と、さりげなくシェイクではないと念を押している。ボンドのウォッカ・マティーニを全否定し「マティーニはジンだろ!」と言うパフォーマンスを見せているのだ。
カッケー!

彼はその上で、かつての英国の首相チャーチルのマティーニにオマージュを捧げているのが面白い。チャーチルはドライなマティーニを好み、ベルモットの量を少なくして行き、遂にはボトルを横目でかすめ見ながら飲んでいたと言う。

エグジーもチャーチル同様、辛口のマティーニを好んだようだが、正確に言えばエグジーの方が上だ。チャーチル式は、ボトルをチラ見する「ベルモットの印象で飲むマティーニ」に対して、エグジー式はバーテンダーにチラ見させる「ベルモットの残留思念で飲むマティーニ」となり、チャーチル式に勝るドライなレシピを完成させているのだ。

英国人は、ウィスキーも好きだが、ジンも好きだ。ジンはオランダで生まれたが、英国でも作られるようになり、味をスッキリさせた度数の高いドライ・ジンが生まれた。
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18世紀頃の英国は「狂気のジン時代」と呼ばれるほど、ジンが大量に愛飲された。

ウィンストン・チャーチルは大戦中の首相を務め、大英帝国で強いリーダーシップを発揮した指導者で、今でも偉大な英国人として讃えられている。そんな彼も、ドライ・ジンを好み、マティーニを愛した。ベルモットは入れず、ボトルのラベルを眺めなが飲んだと言う。直視すると甘すぎると、横目でかすめ見ながら飲んだと言われている。
だがコレは、当時の政治的背景をネタにしたジョークであったようだ。

チャーチルはイタリアの独裁者ムッソリーニに対し、同じ帝国主義者として共感しており、常に彼の功績を讃えていたが、1940年イタリアがナチスドイツと同盟を結び、英仏に対し宣戦布告。大英帝国はイタリアと交戦状態となってしまった。しかし、そんな中でさえチャーチルは「ムッソリーニが偉大な男である事は否定しない」と発言している。となっても、尊敬の念を持った紳士の発言である。チャーチルはどんな想いでイタリアと戦ったのであろうか。
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英国産のドライ・ジンを使ったマティーニを愛したチャーチルは、自分のグラスにイタリア産のベルモットは入れず、ボトルを直視する事をすら拒み、横目でかすめ見ながら飲んだとされるこの話は、チャーチルのムッソリーニに対する感情を表したひとつの伝説として、今も語り継がれているのである…。




・ビール
「ギネス・スタウト」
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高級な酒ばかりでなく、英国の代表的なビールも出てくる。ギネスビールである。1759年からアイルランドのダブリンで生産が始まり、英国中で愛され、今では世界中で愛されるスタウト(黒ビール)の代名詞となっている。今では、世界中でライセンス生産されているが、日本では英国からの輸入品が販売されている。
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エグジーを釈放させた後、パブでハリーが飲んでいるのがこのギネスである。
仕返しに来たディーンの子分に囲まれた時のハリーのセリフは、とても紳士的ウィットに富んでいる。

「少年よ。今日はとても感情的な日だったので……(中略)……私がこの素敵なギネスを飲み終えるまで静かにしていてくれないか」

このセリフの最後に

“ … Lovely pint of Guinness”

というフレーズがでてくる。これは、ギネスの有名なキャッチコピー

“Lovely day for a Guinness”

からの引用であろう。
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感情的な日でも、ギネスはラブリーなビールなのである。




このように、『キングスマン』では、スコッチ、ワイン、ブランデー、カクテル、ビールなど、多くのお酒が出てくるが、全てが英国にゆかりのある、こだわりのセレクトとなっているのだ。
ぜひ、酒を飲む時の話のネタにして頂きたい。だが、ラフィットの話は要注意だぞ!



今年も残り少なくなったが、まだまだ映画は面白い。『キングスマン』がオマージュを捧げた『ナポレオン・ソロ』のリメイク作『キングスマン』が揶揄した007の最新作『スペクター』が、相次いで公開される。今年の下半期は『ミッション・インポッシブル/ローグネイション』も良作だったし、
スパイ映画が目白押しだ!
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このスパイ対決は見逃せない!!
ここは好きなを一杯やりながら、スパイたちの戦いを、観戦と洒落込もう。




乾杯!



謝辞
この記事を書くに辺り、はーにゃ☂さん(@Haanya_Rap)から、凸リプにも関わらす、セリフなどの情報を快く提供して頂きました。また、オイラの初期の考察の間違いに気付かせてくれるきっかけを与えてくれました。ここに感謝を捧げます。
そして、いつもおいしいお酒と素晴らしい時間を提供してくれる、中野のBarイリュージョンのソムリエに、ワインについての補足をして頂きました。重ねて感謝致します。



追記:2015/10/04
ダルモアについて、62年物ではなく1962年のダルモアではないかと指摘があった。
ヴァレンタインの部下は「62年物のダルモア」と言ったが、ランスロットは「1962年のダルモア」だと言っているからだ。確かに、62年間熟成された物と、1962年に熟成を始めた物は全く異なる物なので、どちらかが間違っている事になる。
ここはキングスマンであるランスロットが正しいと思いがちだが、それは違う。ダルモアの所有者はヴァレンタインであり、その部下が、間違う可能性は低い。(しかも彼は一度飲んで感動のあまり糞を漏す経験もしている。)
対してランスロットはノージング(匂いを嗅ぐ)だけで1962年だと主張した。ウィスキーの香りだけで種類や年数を特定するのは、ワインよりも遥かに難しい。ダルモアと言っただけでも大した物だ。

ここで正解ならば、スパイ映画のセオリーで「お見事ね」悪役(ガゼル)が登場し、正解の補足をする場面だ。「最後の晩酌にはステキでしょ♪」などと弔辞を述べて格闘シーンとなる筈だ。
しかし、ランスロットは敵の姿を見る事なく、問答無用で一刀両断された。
不正解だったのだ。
つまり中身は、62年物のダルモアで「そんな安酒じゃねぇよ」と一蹴されたのである。1962年が『007/ドクター・ノオ』の公開年を意味するのであれば、この一刀両断は「ボンドはお呼びじゃねぇんだよ!」と言う意味となる。いかにも監督らしいユーモアではないか!
よって、オイラは62年物のダルモア説を推す事にする。