『メイズ・ランナー』感想。ジュブナイル映画の見方。 | まじさんの映画自由研究帳

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ネタバレなし。
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何者かに囚われ、理由もわからず高い塀に囲まれた集落に閉じ込められた、若者たちの共同生活と、自由への挑戦を描く、ジュブナイル映画の王道作品である。

三部作という事をすっかり忘れて鑑賞。終幕直前で思い出したw
まだまだ序章なので、謎は残したまま。スッキリは終わらない。

ジュブナイル映画とは、児童文学と文学の間に位置する、中高生向きに書かれた小説を元にした小説をジュブナイル小説(またはヤングアダルト)と呼び、それを原作とした映画の総称。単に中高生向きオリジナル映画も、ジュブナイル映画に分類される。
児童文学と違い、子供の精神的成長を促すようなテーマや、教訓など、社会で役立つ知識などは皆無であり、反体制や友情、ライバル、恋愛、能力開眼などが盛り込まれたSF要素の強い厨二病全開な作品も少なくない。


巨人が出てこない『進撃の巨人』と喩えられる本作は、イケメン少年たちが、見えない敵と戦いながら、自由を求めて巨大迷路を疾走する姿が描かれる。

実はこの手の作品は、得意ではなかったのだが、最近になって楽しみ方を知ったので、ここで紹介しておきたい。とっくに成人済みな我々には、ジュブナイル映画は幼稚に見えてしまう事があるのだが、見方を体得しておけば、そういった小っ恥ずかしさは減少される事が分かった。

1.まずジュブナイル映画を観る時は、頭の中を中高生レベルにしよう。部活だの授業だの恋などの、(甘)酸っぱ~い思い出を呼び覚まそう!(ホロ)ニガ~イ思い出でもいい。 当時の記憶を掘り出して、中高生気分になってみる事だ。
そうやって観ると、ストーリーのアラとか、認めたくない若さ故の過ち若気の至りまくり判断が、そんなに気にならなくなるぞ。余裕があれば前夜に『桐島、部活やめるってよ』を観ておくのもいいだろう。

2.どうしても童心に返られないなら、親や兄弟目線で見るのも面白い。若気に至りまくってる主人公たちの姿を「あぁ!もう!」と、悶絶しながら観るのも悪くない。絶対にその一歩を踏み出してはいけない時に、ちゃんと踏み出してくれるのが、ジュブナイル映画の良さである。

いろんな見方ができるのが、ジュブナイル映画のいいトコロだ。登場人物が多いから、自分の推しメンを見つけて見るといい。

3.だが、一番オススメなのは、将来の有望株の俳優を探す見方だ。ジュブナイル映画は、ティーンエイジ向けに作られている事から、若い俳優が多く登場する。また、女性の集客を狙う作品が多くイケメン少年が多数出演する。
もう一度言おう。
イケメン少年が多数出演しているんですよ!
ご婦人方!!


主人公のディラン・オブライエンは、よく知らなかったが、なかなかの素質を持っている。
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繊細なティーンの微妙な心を表現し、若気に至りまくる転校生を説得力ある演技で好演している。将来は、アクション映画にもイケそうな逸材だ。


紅一点のカヤ・スコデラリオは、男勝りな演技が魅力的だ。
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何かを知ってる謎の転校生を好演。ただしこの作品では活躍の場はなく、ただ居るだけの女性キャラになっている。シリーズが続く事で、誰かと恋仲になり、少年同士の友情にヒビが入ったりする王道展開が予想されるが、それはまた、別の話だ。そんな彼女は、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の次回作でヒロインが決まっていると言うから驚きだ!いや、むしろ、あのシリーズが、まだやる事の方が驚きだよ!!


ウィル・ポールターは『リトル・ランボーズ』でナマイキな子供を演じていたが、すっかり大人びて、将来、名バイプレイヤーとして活躍するであろう未来像が見えてくる。
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演技に貫禄が備わっていた。規律を重んじるブレない思想は、微妙な変化に対応出来ず、クラスの中心から失墜していく風紀委員を熱演している。
特徴的な眉毛と活発そうな顔立ちは、血気盛んな新兵の役もできそうだ。演技の幅も広いようで、既にスティーブン・キングの『IT』の新作で、あのピエロの役が決まっているらしい!
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ブレイク必至のイチオシ有望株である!


そして『ラブ・アクチュアリー』で、リーアム・ニーソンの義理の息子サムを演じていた、あのかわいいトーマス・サングスターくんが、フェロモン飛ばしまくりのセクシー・イケメンに仕上がっていた!

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面倒見が良く、誰からも慕われ、スポーツ万能のカリスマ性を持つ学級委員長を見事に演じていた!
お目の高いお嬢さん方は、もう唾を付けてらっしゃるようで、絶賛人気急上昇中だ!近い将来、ラブロマンス映画で、引っ張りダコになる事請け合いだ!
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おっとそこのお嬢さん!ラブ・ロマンスだぞ。ブロマンスじゃないぞ。


チャックを演じているブレイク・クーパーくんもお節介な同級生をナチュラルに演じていた。
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「お人好し、ドジ、ビビリ、コンプレックス、お調子者」の5大要素を全て兼ね備えたお馴染みのキャラだ。シリアスなストーリーでは緩衝材となる欠かせないコメディ担当だ。更には主人公の成長に、重要な働きをする。こういう役を自然にこなせているのは、かなりの演技力である。オイラには、彼が将来コメディ映画で活躍する姿が見える!素朴なチビデブくんは、どんな時代でも需要があるキャラなので、今後の活躍も期待したい。そういえば、この体型の少年は、だいたいチャックだね。

まぁ、そんなわけで、ジュブナイル映画は、未来のスターの宝庫なのだ。年齢を重ねて熟成する頃に、彼らはどんな演技をするのか?将来が楽しみである。

つまりジュブナイル映画は、ボジョレー・ヌーボーみたいなものなのだ。