『僕が車に乗る理由』 | 朔太郎のエッセイだったり短編

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「今さらブログのようなものを始めたのはいいんだけどね」
と言って、コーヒーをひとくち飲んだのは良いが
熱くて噴いた。

   
   国道254号線は、平日といえどもかなり混雑していた。下りだろうが上りだろうが軽自動車から大型トラックまで隙間なくひしめき合っており、とてもじゃないが携帯電話のカーナビゲーションの時間通りに目的地へ着くとは思えなかった。混雑を加味しての予定到着時間を、たかだか携帯電話に求めること自体が間違っているのだろう。予定通りにいかないことの方がこの世には多いし、予定通りに事を運びたいのなら電車を使うべきなのである。

   ではなぜ車ではなく電車を使わないのか。それは大きく分けて3つ理由がある。

   先ず一つ目は、ゆっくりと景色を見ながらたばこが吸えることだ。もちろん電車でもゆっくり景色を見ることはできる。しかしたばこは吸えない(まあ当たり前だけど)。誰にも迷惑をかけずぼんやりとたばこを飲むのはとても至福のひとときなのである。そこに熱いコーヒーを添えることができれば尚いいだろう。銘柄は問わない。コーヒーショップだろうが、コンビニのコーヒーだろうが何でもいいのである。神経質な事務員の使うシャープペンシルのように、ライターでカチっとたばこに火をつけ、すうっと肺の奥まで煙りを吸い込む。そしてそれを吐き出し、コーヒーをひとくち飲む。何とも形容し難い幸せがそこにはあるのだ。※たばこは二十歳になってから。

   次に、音楽。Listen to the music. これは外せないだろう。電車でイヤホンをし、音漏れがしていないかキョロキョロ周りを見回すこともなく、好きな音楽を聴く。歌いたけりゃ歌えばいい。ただ闇雲に音量を上げてBGMに浸るのもよい。ロック、ジャズ、ボサノバ、レゲエ、碌でもないポップス、ダンスミュージック、テクノ、批評も批判も存在しない、そこは自由な空間なのだ。※低音漏れには注意しましょう。

   最後に、あれ、何だっけ。ええっと。ううむ。ええっと。…………あ、荷物。電車で座れることが出来たって、目の届くところに荷物を置かないと不安だし、あんまり多いとこれまた周りの邪魔になるし、気が休まりませんよね。そんなときにこれ、車の後部座席。何と両手に荷物を抱えることなく、常にそれを見張ることなく、完全なるハンズフリーがそこにはあるのです!って最後はテレビショッピングみたいになってしまったけど。

   でも、皆さん。

   なるべく公共の乗り物を利用しましょう。

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「はいはい。何が言いたいかさっぱりわからないわ」