『はっきり言って』 | 朔太郎のエッセイだったり短編

朔太郎のエッセイだったり短編

「今さらブログのようなものを始めたのはいいんだけどね」
と言って、コーヒーをひとくち飲んだのは良いが
熱くて噴いた。


   陽も長くなったとはいえ、奇跡的にまだ明るいうちに帰りの電車に乗り込むことができた。

   限定された時間の中で業務を終わらせることが出来る人が“仕事ができる人”というわけなので、まあ僕は仕事ができる人の部類に入るのではないかと思う(はいはい)。

   しかしながら世間一般的に、長く働くことがイコール仕事を頑張っていると見られがちな部分がどうしてもまだある。その理論からいうと僕は時間が来たらとっとと退勤する仕事が出来ない部類なのだろうか。

   いやしかし普段はもっと遅い時間まで働いているので、そうするとやはり仕事が出来る人なのではないかと思うが、仕事が出来る人の定義が曖昧なので(自分の中で)、結局答えは出ないままなのだ。

「……というわけだけど、君はどう思う?」と僕は今起きたばかりの彼女に訊いてみた。

「そうね」と彼女は言った。

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「あなたって、どうでもいいことで悩んでるのね。とてもバカみたいよ。はっきり言って」