熊本に来ました。前後の予定の都合で日帰りなのですが、新大阪から新幹線で3時間。あっという間です。
熊本市や熊本県弁護士会ほか4団体主催のシンポジウムで講演とパネルディスカッシヨンでした。会場の市民ホールの目の前の熊本城の石垣が震災で崩れているままでした。
日常の中に当たり前にあったことが壊れてしまったことを、熊本城の石垣だけでなく突きつけられる中で生活するということ、でも熊本以外の地域はどんどんそれを忘れてしまう中、気持ちを寄せることとは何かを感じないわけにいかない熊本でした。
そんな熊本でも11月12日にはパレードも開催されるそうです。実行委員の皆さんの雰囲気を感じると楽しいに違いない感じでした。
今日のパネルディスカッション、ずっとお会いしたかった今坂先生のお話が印象的でした。今坂先生が講演先でアンケートを取ると、男性の人が男性同性愛に否定的な気持ちを抱いている割合が高いと。女性同性愛やトランスジェンダーへの否定的な気持ちの割合をけっこう大きく上回る数字でした。
今坂先生が少し話をされていた、なぜ今、LGBTの活動をしているかというきっかけになった生徒さんの話。人の命を「風化させてはいけない」という思いが伝わりました。
大阪でもお馴染みの加藤清正さんです。
パネルディスカッションの最後にひとことと言われて、「東京とか都会で花火のように打ち上げる話がLGBTの活動ではないと思います。たくさんの人のありふれた何気ない暮らしがある熊本や、あるいは大阪といった地方都市でこそ、そこに暮らす人が、自分のことを素直に人に話せなかったり、居心地の悪さを感じてほんとは好きな地元なのに出ていかざるを得なかったりすることなく、安心して自分らしく生きられて、人の数だけ「男らしさ」も「女らしさ」も違うということを考えるきっかけに、LGBTという言葉がなればいいですね」というようなことを言ったつもりですが、、、
原稿があったわけじゃないので、違うかったかもしれませんが。
昨年、虹色ダイバーシティの村木真紀さんほか5人で参加したアメリカ横断LGBTスタディツアー。スポンサード、バイ、アメリカ国務省。
そのとき、訪問したアメリカでも最も保守的とされるアラバマのバーミングハムの教育委員でゲイをカミングアウトしているハワードさんが、「ヒューマンライツキャンペーンに寄付をした。応援をした。連邦最高裁で同性婚を認める判決があった。でもそれはカリフォルニアと東海岸だけのブームじゃないか。アラバマは何も変わらない。私たちの虐げられた空気は何も変わらない」と。
そう。それがブームなのかもしれません。でも、ブームが何も残さないかというと、それでも残ることもあり。そしてブームのおかげでよけいに浮かび上がる矛盾もあり。
「LGBTが働きやすい会社で金賞を取った会社は若い女子社員が過労自殺する電通」とか、そういう例かもしれない。「LGBTは今やキラキラ輝く素晴らしい前向きなことなのに、なぜアウティングされた「くらいで」死んでしまうのかわからないわ!」と言われるのも、ブームで浮かび上がった矛盾かもしれない。
そんな個人的な迷いはさぁ、置いておいて、そんなことより、週明けに裁判所に出す書面をどうするとか、この前提訴したあの裁判は被告はどういうてくるかなーとか。
ちなみにネクタイは、少し前に子パンサーくんらお土産でもらった「くまモンネクタイ」です。