「日本を代表して北京にいるべき人物じゃない」 
尖閣めぐる丹羽駐中国大使発言に

2012.6.8



東京都の石原慎太郎知事は8日の定例会見で、丹羽宇一郎駐中国大使が英紙インタビューで、東京都の尖閣諸島購入計画に反対を明言したことに、「少なくとも、日本を代表して北京にいるべき人物じゃないということだ」などと厳しく批判した。会見の詳報は以下の通り。



 --丹羽中国大使が、都の尖閣購入が実行された場合、日中関係に問題を起こすと発言し、さらに、習近平国家副主席との会談に同席した際に、「日本の国民感情はおかしい」「日本は変わった国」と発言していたが

 「あいつが変わってるんだよ。だいたいだな、伊藤忠の社長ごときものをだね、そんなものをね、この日中関係のこういう大事な時に、大使として送る方が間違っている。だいたい、尖閣の問題があったときに、例の衝突事件のときかな、真夜中にいびりで何回呼び返され、そのたびに『はいはい』と、夜中の3時に相手の外務省なんのつもりか分からないけど、出ていくのはばかだよ。おれは寝てるからって、日が変わってからにしろって言ったらいい。失敬千万だ、奴隷のごとく使われて。まあ、そんなもんだな、日本の外交官というのは」

 「昔、中江要介という、私が非常に親しくかわいがっていた青年、舞台のバレエの台本なんかやってて。この男もインテリゲンチアでましかとおもったら、中国大使になったらがらっと変わった。驚くほどものの考え方が変わった。とにかく、日米安保、日米関係は中国の障害なので、これをなくさないといけないと言い出して、外務省が非常に困惑して迷惑した。そういうなんか日本人が突然北京に誕生するというのも、不思議というか恐ろしいというか、相当なとこなんだな。どんな抑圧、どんな洗脳が行われているかは知りませんがね。少なくとも、日本を代表して北京にいるべき人物じゃないということだな」

 --東京都、都知事としてこの発言に対して抗議などする予定は

「もう少し自分の国のこと勉強してものを言えと。じゃないと大使の資格ないよ、こんな奴は」<

--「SAPIO」のインタビューで、国会がめちゃくちゃになっていて、この状況を変える核になるのは新党になると発言している。大阪の橋下徹市長と組んで、次期衆院選に向けて石原新党を立ち上げる決意を固めたということか

 「なんとでもご想像ください。物事を具体的に発表するのは、タイミングをみてしますから」

 --同じインタビューで、尖閣購入のめどになる来年3月までは都政に徹したい、東京オリンピックは次の知事にやってもらえればいいと発言しているが、来年4月に尖閣を購入した場合、東京オリンピックの選考の間に次の知事に職を譲るということか

 「まあ、あなたがたの乏しい想像力で物事を考えたらいいんじゃないの」

 --今月27日に東京電力の株主総会が開かれますが、都が提案した『顧客第一』という経営理念を定款に盛り込むことに東電が反対。猪瀬直樹副知事は株主に賛同を呼びかけているが、知事の考えは

 「なぜ定款にそれをうたえないのかね。それがそんなに彼らの営業に拘束力持つんですかね。憲法みたいなもんだからね。こういう事故も起こしたわけだし、いろんな問題抱えているわけだから。これから、体制の整備もしつつ体質変えていかなくちゃいけない時に、東京都が提案した条件を飲めないというのは、あまり期待が持てないことを周知させることになるんじゃないかな。そこらへんが、今の東電の限界と言うか、まあ、官僚と同じように、硬直したあの会社の幹部たちの限界じゃないか。なんでその言葉に恐れることがあるのか」

 --尖閣諸島について、東京都が購入を計画しているのは4島のうち3島ですが、久場島についてはどう考えているか

 「聞いたところ、地権者の妹さんの所有になっている。私は、地権者が自分の相続人になっている妹さんにどういう話、説得されるか分からないが、あわせて取得できるものと思っている」

 --4島の購入を考えていると

 「はい。だって1島だけ別の人が持つとややこしいじゃないですか」

 --以前、知事は新党の党首と都知事は両立しないと発言したが、その気持ちは変わらないか

 「そりゃそうでしょう。地方自治体の首長しながら総選挙やるわけにはいかないだろうし、仲間の応援だけにしかならないしね。やるんだったら自分が陣頭指揮して突っ込んでいかないと迫力がない。しかし、私にとっても尖閣の問題は、早くらちつけて、11日に持ち主と懇談して話を詰めるんですが、ある間違いないめどを、彼が国との約束の中で地主さんでいる間でも、ひとつのめどだけつけたいと思っている」

--11日に地主と懇談し、金額についても話すのか

 「それはもうすでに話している、その他この他。こういう話はいちいち具体的に微細にあなた方に話をするものでもないし、余計なものが漏れれば、まとまる話もまとまらなくなる。今の限りにしておいてほしい」

 --地権者は国に売ることに今も反対している印象か

 「さあ、それも彼と会って話をしようと思う。もし野田君(佳彦首相)が心変わりして今でも買うって言うんだったら、さっさと買ってもらいたい。国がもともとすべき仕事だから。やらないんだから自民党も民主党もずっと。こないだの衝突船長、あの犯罪人も、拘留もせずに釈放するわけでしょ、向こうに言われるままに。地方の検事の裁断でしたと言うけど、検事かわいそうだね、あの検事よっぽど出世させてやらないと。だから参考人で呼んだらどうだと言ったんだが、呼ばないだろうな。君らが言って大いに呼べ呼べと言ってやれよ。メディアもしっかりしろよ、政府を追い込むまでやってくれよ、こういう時に。国民が燃えているんだから。メディアが燃えないから。朝日はどうも反対らしいけど。ま、なんでもいいや」

 --スカイマークのサービス指針で、苦情は消費生活センターへという文言に、都が抗議し回収することになった。知事の見解を

 「当たり前じゃないですかね。会社は会社の責任で営業してるんだからね。お客の苦情を役所に任せるなんてのはばかな話で、自分たちがじかに聞いて解消するのは、それが本当に営業、サービスというものじゃないですか。論外だ。都庁もたまにはいいことやるんで、消費者のためには。評価してやってください」

 --夕方に野田総理が大飯原発再稼働について記者会見するが、知事の見解は

 「政府は政府の判断で、国家の安危を左右するものだから、どれだけ実質的なことやってるか知らないが、あるタイムスパンを構えて、その間何%の経済成長をする、しなかったら生活はこうなるけどいいのか。いずれにせよ何%の成長するためには、どれだけのエネルギーを、どういう形で担保するのか、そのうち原発が何%占めなかったら成り立ちませんという、そういうシミュレーションを示したからやったらいい。とりあえず夏に停電になるかもしれないということではなく、もっと緻密(ちみつ)に国民が納得できる手順を踏んで発表したらいいと思いますよ」

「田中角栄(元首相)の時にオイルショックの時の政令は今でも生きている。なぜ政令出さないのか。たとえばパチンコ屋がちんじゃらちんじゃら過剰にやってることとか、あのころはなかった自動販売機なんてのは、あのとき東京が過剰じゃないか、東京の夜は明るすぎるんじゃないか、こんな電力いらないんじゃないかと言ったから、パチンコ業界も、最初はサントリーも反対したけどコカ・コーラがそうだと言って自粛することで、自動販売機の電気の使用量が減った。政府が言えばいいんだ、政府が。最高の権限もってるんだから。総司令官なんだから。軍隊じゃないけど号令出したらいい。それが政令というもんだ。それも知らない担当の大臣がやってきて、首都圏で節電をお願いしますと言ったって、君、東京も神奈川県も千葉県も回るのかって聞いたら、とりあえず東京だけって言うから、政令出しなさいと言ったら分からずぽかんとしている。『てにをは』を教えたが、結局出さなかったね、あの時も政府は。私があそこで言ったことを取り次いでくれたからね、パチンコ業界や自動販売機業界は自粛してくれた。電力助かった。出せばいい、出せばいい、国が。号令したらいい、政令を出したらいい、それが指導力ってもんじゃないですか」


 --首都高速道路の新社長に元副知事の菅原秀夫さんが固まった。老朽化など指摘されているが、期待するところを

 「これちょっといろいろ人事の問題もあって、国交省も懊悩(おうのう)したんですが。とんちんかんな人が来て、よく分からない理念でぶち上げられても現場が混乱する。そういう点では、菅原くんは経験もあるということで推挽(すいばん)した。いずれにせよ、道路の整備は東京だけでなく関東全体、日本全体のためになることなので、合理的にできるだけ早く完成してもらいたいと思っている」

 --9日、10日から尖閣に都の職員が行くということだが

 「あれ行きません、行きません。やめさせました。行くときはちゃんと東京都の船で行きますから」

--やめさせた理由は

 「政治色が強いグループということで、自粛したというのかな、止めたようですよ」

 --9、10日は今まで一番大きな規模で、国会議員も6人、都議も参加ということだが、どう思うか

 「いいことじゃないですか。上陸してみたらいい。いかに峻険(しゅんけん)な島で、苦労してある連中が志で灯台建ててくれた。いってみたらもっと分かる。一人過労で死んだりもしているのに、その灯台を外務省の腰抜けがシナにおもんぱかって、時期尚早と言って20年近くチャートに載せていなかった。こんなばかなことをする国はないね。あそこを航行する人間たちにとって生命の危険にかかわる。と言ったのに外務省は、知らん顔をして、特にシナにはばかって、時期尚早と言って、また歴代自民党の政府もそれに従ってきた。私はそういう自民党に我慢ならない。今の政府も良くないけどね。外務省の役人の身の程にも、あそこを航行する日本人、シナ人、台湾人、朝鮮人たくさんいるだろう。そういう人間たちの、船に乗っている人間の生命の安危を保証するのは、国家としての責任じゃないですか。それを果たせないで、せっかくできたものをチャートに載せないことはかえって危険なんですよ。そういうばかなことを延々やってきた」

 --野田改造内閣についての印象を

 「僕は知らない人が多いんでね。ただ、民間人であるとか、国会議員という資格がないとか、防衛庁の長官の資格をうんぬんするする節があるが、私は実にいい人事だと思う。彼以上に見識を持っている人間がいるんですか。最後のいろんな大事な問題のの判断下すのは、当然総理大臣でしょう。しかしそれまでのプロセスの中で、なんか訳の分からない、アルファベットも読めない、いろはも読めない人間がだね、防衛省の総司令官でいたのは、やっぱり隊員だって動きづらいし、国の安危にかかわると思っていたので」

産経新聞:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120608/lcl12060818140002-n1.htm




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